大学院入試の研究計画書の書き方|構成と提出前チェック
研究計画書は、壮大な結論を約束する文書ではなく、何を、なぜ、どの方法で、どこまで明らかにするかを読み手が検討できる形にする文書です。まず志望研究科の指定様式を優先し、その枠内で論理をつなぎます。
大学院入試の研究計画書は、研究目的、背景・先行研究、研究方法、期待される成果の順に組み立てると論理を確認しやすくなります。ただし、文字数と指定項目は志望大学院の最新様式を最優先します。
- 対象
- 大学院受験を準備中の方
- 最終更新
- 2026年8月12日
- 編集方針
- 公式情報を優先
最初に募集要項と指定様式を固定する
大学院ごとに文字数、様式、記載項目、提出方法が異なります。先に本文を書き始めると、最後に構成を削り直すことになりがちです。募集要項、研究計画書の様式、出願書類一覧を同じ年度でそろえ、制約を一枚に転記してください。
確認するのは、文字数または枚数、図表の可否、参考文献を文字数に含むか、ファイル形式、匿名化の要否、提出期限です。不明点は推測せず、志望研究科の入試担当窓口に確認します。
- 志望する課程・選抜区分・入学年度が合っている
- 指定様式と文字数・枚数を確認した
- 提出形式と締切時刻を確認した
- 研究指導を希望する教員の最新の研究分野を公式ページで確認した
4つの問いで骨格を作る
放送大学の作成指針では、研究の目的、背景・先行研究、研究方法、期待される成果が主要項目として示されています。この4項目を一文ずつ書き、矛盾がないことを確認してから肉付けすると、説明が散らかりにくくなります。
目的:何を明らかにするか
対象、現象、比較軸を入れ、研究後に何が分かれば目的を達成したと言えるかを一文にします。
背景・先行研究:何が既に分かり、何が残っているか
問題意識だけで終えず、代表的な先行研究と未解決点をつなぎ、自分の問いが必要な理由を示します。
方法:その問いに答えられる手順か
対象、資料・データ、収集方法、分析方法、期間を具体化します。人を対象とする場合は倫理審査や同意取得の必要性も確認します。
期待される成果:どこまで到達するか
結果を先取りせず、明らかにできる範囲と学術的・実践的な意味を分けて書きます。
初稿は『問い→根拠→方法』の順で作る
最初から導入文を磨く必要はありません。研究上の問いを仮置きし、その問いが必要だと示す先行研究を並べ、答えるための方法を置きます。問いと方法が対応してから、タイトル、背景、期待される成果、研究スケジュールを整えます。
例えば『AがBに与える影響を明らかにする』なら、AとBをどう観測し、どの対象と比較し、どの分析で影響を判断するのかが必要です。方法で答えられない問いは狭め、問いに不要な方法は削ります。
提出前は内容と形式を分けて点検する
内容の点検では、問いが一つに絞れているか、先行研究から問いが導かれているか、方法で問いに答えられるかを見ます。形式の点検では、指定項目、文字数、引用、ファイル名、ページ番号を確認します。同時に直すと見落としやすいため、二回に分けてください。
- タイトルを読めば対象と論点が分かる
- 研究目的が一文で説明できる
- 先行研究の要約と自分の主張を区別して引用している
- 研究対象・収集方法・分析方法・期間が対応している
- 実施可能性と研究倫理上の手続きを確認した
- 募集要項と指定様式を最後にもう一度照合した
確認した大学公式情報
記事の構成にあたり、以下の大学公式ページを確認しました。入試条件は年度・研究科・選抜区分で変わるため、出願時は必ず志望先の最新情報を確認してください。
- 放送大学「研究計画の作成」
目的、背景・先行研究、研究方法、期待される成果という公式の作成指針を確認できます。
- 國學院大學「大学院入試/出願書類」
研究科ごとに所定様式が異なる実例として、最新の出願書類を確認できます。
- 埼玉大学教育学研究科「研究計画書の作成参考資料」
大学院が受験者向けに公開している作成参考資料です。