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出典付き・公開プレビュー

第4章 経済系の研究計画書を組み立てる

大阪大学 大学院 国際公共政策研究科 比較公共政策専攻の院試対策講座から、公式の要求を土台に、政策課題を理論、反実仮想、データ、推定方法へつなぐ設計法を示します。

01

政策への賛否から検証可能な問いへ

説明したい結果、比較対象、識別の仮定、限界を6ページに収めます。

大学公式の事実

公式が求めるのはテーマ・問題意識・方法論の論理

大学公式の事実です。

アドミッション・ポリシーは、入学後に研究したいテーマ、その背景にある問題意識、研究方法を論理的・説得的に論じるよう求めています。公共政策課題の例には経済発展・開発、環境、平和、安全保障、人権があります。研究計画書は研究目的と内容を含み、口述はこの計画を中心に行われます。

本書による説明

理論モデル・実証分析・因果推論を区別する

複数の公式資料を整理した本書による説明です。

理論モデルは、家計、企業、政府などの選択と制約を単純化し、条件が変わると行動や結果がどう動くかを筋道立てて示します。実証分析は現実のデータで相関や仮説を調べます。因果推論は相関を因果と決めず、政策がなかった場合の結果である『反実仮想』と比べ、政策による差を推定する考え方です。応用ミクロ計量経済学は、個人や家族などの行動データを統計的に分析する研究分野です。BMIは体格の目安で、同じ人が年を重ねる年齢変化と、異なる時代に生まれた人の世代差は分けて考えます。丸山教授と松島教授の公式研究を並べると、個人・家族のデータを使う実証と、企業行動を単純化する理論の役割の違いが見えます。

本書の提案

理論中心か実証中心か、主軸を一文で宣言する

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

研究計画の冒頭で、主軸を『家族政策と健康行動の関係を個人データで測る実証型』または『個人情報規制が企業の価格戦略へ与える誘因をモデル化する理論型』のように一文で示します。理論と実証を両方使う場合も、モデルが仮説を作り、データがどの予測を検証するのかを明記します。これは本書の整理方法で、OSIPPが研究計画を二種類に限定しているわけではありません。

本書の提案

政策名ではなく結果変数と比較を置く

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

『最低賃金を研究する』ではなく、『地域別最低賃金の変更が、地域をまたいで競争する企業の雇用と価格へどう影響するか』のように、政策、対象、結果、比較範囲を含む問いへ狭めます。行政サービスなら、導入自治体と未導入自治体、導入前と導入後をどう比べるかを書きます。結果変数とは、雇用率、価格、取得率など説明したい数値です。どの単位・時点で測るかまで定めるのが本書の提案です。

本書の提案

データの単位、出所、比較可能性を書く

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

データの1行が、個人、企業、自治体、国のどれに当たるのかを示します。あわせて、観察期間、欠測の有無、公開条件も記します。政策導入群だけでなく、政策がなかった場合の変化を近似する比較群を置きます。理論型なら、主体、選択肢、目的、制約、均衡を言葉で説明し、現実のどの特徴を省略するかを書きます。相関を因果効果と言い換えず、仮定が崩れたときの代替説明を挙げます。特定教員のデータを利用できるとは前提にしません。

本書の提案

二年間で取得・整形・分析できる設計へ縮める

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

行政個票や企業の非公開データが必要なら、取得経路と許可が未確定であることを書き、政府統計、自治体公開資料、法令改正時点などによる代替案を用意します。都道府県単位か市町村単位か、月次か年次かを決め、サンプル数と期間を概算します。高度な手法名を並べるより、その手法が必要とする比較と仮定を説明します。倫理審査や個人情報保護への対応が必要な調査では、審査の工程と匿名化の方法も計画します。

本書の提案

6ページを問い・理論・データ・識別へ配分する

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

本書では、1ページ目に政策課題と研究質問、2ページ目に先行研究と理論的な仕組み、3ページ目にデータと変数、4ページ目に比較・推定方法と仮定、5ページ目に頑健性確認と限界、6ページ目に期待する貢献、工程、参考文献を置く案を勧めます。ここで識別とは、観察された差を政策が原因だと判断できるよう、比較条件を設計することです。頑健性確認とは、条件やデータの置き方を変えても結論が大きく変わらないかを確かめることです。図表、脚注、参考文献も6ページに含まれます。この配分は大学指定ではなく、所定の字数とページ数を守るための本書の例です。

本書の提案

第一・第二希望は理論とデータの対応表で比べる

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

候補ごとに、所属専攻、2027年度指導可否、研究対象、理論枠組み、データ、推定方法、自分の不足知識を一行にします。丸山教授なら健康・家族・人口を扱う応用ミクロ計量経済学、松島教授なら産業組織・企業競争の理論モデルが主要な比較軸です。第二希望を国際公共政策専攻から選ぶ場合も、その教員が研究計画のどの問いや方法とつながるかを書きます。受入れや合格の予測には使いません。

REFERENCES

この章で確認した一次資料

公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。

  • 2027年度 博士前期課程 学生募集要項

    大阪大学大学院国際公共政策研究科|資料:2026年4月(入試ページでは2026年4月30日更新)|確認:2026-09-05|参照箇所:PDF全16ページ。p.1アドミッション・ポリシー、p.2募集人員・第一希望教員と専攻・日程、p.4~6英語・研究計画書・検定料、p.7~9選抜・オンライン口述・発表、p.11願書を確認した。出願前の教員連絡・承諾をすべての志願者に求める記載と、受験者ごとの口述開始時刻・所要時間は確認できない。

  • 教員スタッフ 研究分野(2026年9月3日現在)

    大阪大学大学院国際公共政策研究科|資料:2026年9月3日|確認:2026-09-05|参照箇所:PDF全3ページ。比較公共政策専攻の所属教員、専門分野、2027年度に指導教員となれない教員を示す*印を確認した。出願前の教員連絡、2027年度の担当授業・時間割、個別の指導・受入れ条件、設備・データ・フィールドの利用条件はこの表の確認対象ではない。

  • 入学案内・研究分野

    大阪大学大学院国際公共政策研究科|資料:2026年9月5日確認|確認:2026-09-05|参照箇所:「入試情報」「研究分野」「法学分野」「政治学・国際関係論」「経済学分野」「8つの特徴」。法・政治・経済の対象と方法、学際性、実践性を確認した。

  • 履修概要/研究支援

    大阪大学大学院国際公共政策研究科|資料:2026年9月5日確認|確認:2026-09-05|参照箇所:「01 指導教員」「02 学位取得要件」「03 開講科目」。入学後の指導教員、30単位以上、修士論文と口頭試問、講義・演習・プロジェクト演習、履修上限とGPAを確認した。

  • 2026 Course Handbook

    大阪大学大学院国際公共政策研究科|資料:2026年4月|確認:2026-09-05|参照箇所:PDF p.5~8(冊子p.1~4)の2026年度博士前期課程授業科目、冊子p.43・46~50の履修方法、30単位の内訳、GPA、研究演習、指導教員を確認した。掲載は2026年度科目であり、2027年度の教員別担当授業・時間割ではない。

  • 丸山士行 教員紹介

    大阪大学大学院国際公共政策研究科|資料:2026年9月5日確認|確認:2026-09-05|参照箇所:教授。健康・公共・労働・人口・家族の経済学、応用ミクロ計量経済学、BMIの年齢・世代差を扱う実証研究を確認した。2027年度担当科目・時間割、データ・設備利用条件、個別の指導・受入れ条件は特定できない。

  • 松島法明 教員紹介

    大阪大学大学院国際公共政策研究科|資料:2026年9月5日確認|確認:2026-09-05|参照箇所:教授、産業組織。企業間競争、価格、個人情報、競争政策を理論モデルで研究することを確認した。2027年度担当科目・時間割、データ・設備利用条件、個別の指導・受入れ条件は特定できない。

  • 2025年6月 教員研究成果(丸山士行教授)

    大阪大学大学院国際公共政策研究科|資料:2025年7月8日掲載|確認:2026-09-05|参照箇所:丸山士行教授らによる学校給食と体重の差の差分析、医薬品利用、子どもの数と高齢期認知の研究を確認した。使用データ・設備の利用条件、2027年度担当授業、個別の指導・受入れ条件は掲載対象ではない。

  • 2026年7月 教員研究成果(松島法明教授)

    大阪大学大学院国際公共政策研究科|資料:2026年7月|確認:2026-09-05|参照箇所:松島法明教授らによる地域間寡占競争と最低賃金規制の理論研究が受理されたことを確認した。データ・設備の利用条件、2027年度担当科目、個別の指導・受入れ条件は掲載対象ではない。