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第4章 2,000字の研究計画と口述を準備する

京都大学 大学院 法学研究科 法政理論専攻の院試対策講座から、研究テーマ、先行研究、問い、資料、方法、意義をつなぎ、三方式ごとの説明課題へ落とします。

01

入試用の作文を、実際に調べられる計画へ変える

大学の指定事項と、本書が提案する構成を分けて示します。

大学公式の事実

研究計画書は日本語2,000字程度

大学公式の事実です。

2027年度研究者養成コースは、研究計画書に「研究テーマとその説明」を日本語2,000字程度で記すよう求めます。学科試験と書類選考の口述試験では、研究計画書等を資料として法学・政治学の学力・素養を試問します。論文試験の口頭試問では、提出論文・研究計画書等の内容を扱います。出願書類提出上の注意は、研究計画書の写しを取り、口述試験・口頭試問へ持参するよう求めています。

本書の提案

五つの部分で論理を見える形にする

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

本書では、①問題の所在、②先行研究と未解決点、③研究上の問い、④用いる資料と検討方法、⑤得られる意義、の五部構成を提案します。これは京都大学指定の見出しではありません。「AIが社会に与える影響」では広すぎるので、事故の種類、関係者、現行の責任要件、被害者の立証困難を示し、どの判例・学説・外国法と比較するかまで絞ります。結論を先に決めず、複数の解釈を比べられる設計にします。

本書の提案

資料と方法を具体名で書く

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

法学で「文献を調査する」、政治学で「データを分析する」とだけ書くと作業が見えません。本書は、法学なら条文、最高裁・下級審裁判例、立法資料、学説、外国法のどれをどう比較するか、政治学なら国会会議録、選挙結果、世論調査、行政文書、外交史料のどれから何を観察するかを示すことを提案します。資料名が具体的になるほど、問いが2年間で調べられる大きさか、資料へアクセスできるか、反対仮説を検討できるかを点検しやすくなります。さらに、資料を集める順番、判例やデータを採用・除外する条件、比較する時期や地域も一文で示します。方法とは資料名の一覧ではなく、その資料から主張をどう確かめ、どの証拠なら仮説を修正するかを説明する手順です。

本書の提案

確認した事実と自分の仮説を分ける

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

研究計画では「現行法は必ずAI開発者へ責任を負わせる」のような未検証の断定を避けます。本書は、条文・判例から確認した事実、学説上の争い、自分が検討する仮説の順に書くことを提案します。教員の公表業績とテーマが近いことは書けても、「この研究室なら必ず指導される」「自分の主張が京都大学の見解だ」とは書けません。根拠の種類を分け、反対説が説明できる事例も挙げることが、研究倫理と論証の両方を支えます。

本書の提案

学科試験は専門二科目を並行させる

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

本書は、研究志望科目である専門科目①だけを先に仕上げ、専門科目②を直前に詰め込む方法を勧めません。週の前半を専門科目①、後半を専門科目②、週末を両科目の接点を説明する短い答案にします。民法を研究志望科目とし、専門科目②に商法、民事手続法、行政法を選ぶなら、同じ事例を契約・責任、裁判手続、行政規制のどこから見るか比べます。二科目を別の暗記棚にせず、論点を移したときに要件、根拠資料、救済がどう変わるかを説明します。

本書の提案

書類選考でも口述の準備が中心になる

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

書類選考は筆答試験がないため軽く見えますが、京都大学法学部で修得した専門科目全部の成績と口述試験で選考します。本書では、成績表の専門科目を「理解が深まった」「考えが変わった」「今後補う」の三群に分け、各一科目について具体的な論点を話せるようにします。その授業でどの資料を読み、どの対立を理解し、何が未解決として残ったかを研究計画へつなぎます。これは大学が指定する追加書類ではなく、口頭説明を準備する方法です。

本書の提案

論文試験は40,000字程度の研究を説明する

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

論文試験では結論だけでなく、なぜその問いを選び、どの資料を除外し、別の説明をどう扱ったかを説明できるようにします。これは実際の口頭試問を予告するものではありません。本書は、論文を1分・3分・10分で要約し、「最も弱い根拠」「反対説の強み」「修士で追加する調査」に答える練習を提案します。長い本文を暗唱せず、問題、方法、証拠、結論、限界の関係を短い時間でも保ちます。

本書の提案

分からない範囲を正確に示す

大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。

口述で根拠のない即答を重ねるより、「確認した事実」「そこから考える仮説」「次に調べる資料」の順で答える練習をします。外国法を十分調べていないなら、知っているふりをせず、どの国の法令、判例、文献から確認するかを述べます。研究者に必要なのは常に答えを知ることではなく、証拠が不足する地点を見つけ、誤りを避けて調査を進める力です。大学が公表した質問集ではなく、本書が研究計画の弱点を探すために提案する話し方です。

REFERENCES

この章で確認した一次資料

公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。

  • 2027年度 法政理論専攻修士課程 研究者養成コース学生募集要項

    京都大学大学院法学研究科|資料:2026年5月|確認:2026-09-05|参照箇所:PDF全9ページ。募集15名、出願資格、検定料支払7月8~22日、紙の出願書類受理7月15~22日17時必着、学科試験・書類選考・論文試験、専門研究分野・研究志望科目、9月1日の筆答、10月8~10日の口述試験・口頭試問、10月23日の発表を確認した。修士一般選抜での希望教員への事前相談・連絡・承諾、受験者一人当たりの口述所要時間も確認対象としたが、記載されていない。

  • 法政理論専攻 教育目標と三つのポリシー

    京都大学大学院法学研究科|資料:2026年9月5日確認|確認:2026-09-05|参照箇所:修士課程・博士後期課程の教育目標、学位授与、教育課程編成、入学者受入れの方針を確認した。修士研究者養成と博士後期課程の双方で、正指導教授と2名の副指導教授による研究指導を置くことも確認した。

  • 教員一覧

    京都大学法学部・法学研究科|資料:2026年9月5日確認|確認:2026-09-05|参照箇所:法政理論専攻を担当する教員の氏名、職名、研究領域を確認した。橋本佳幸教授は民法と記載される。2027年度の担当授業・科目・時間割、設備・資料の利用条件、研究題目ごとの個別の指導・受入れ条件は記載されていない。

  • 橋本 佳幸 教育研究活動データベース

    京都大学|資料:2026年8月20日更新|確認:2026-09-05|参照箇所:法学研究科法政理論専攻民事法講座教授、不法行為法を中心とする民法研究、2024~2026年を含む論文を確認した。2027年度の担当授業・科目・時間割、設備・資料の利用条件、研究題目ごとの個別の指導・受入れ条件は確認できない。

  • 研究者養成コース修士課程 カリキュラムツリー

    京都大学大学院法学研究科|資料:2024年3月公開|確認:2026-09-05|参照箇所:授業科目・リサーチ・ペーパー22単位以上、自分野4単位以上、修士論文指導8単位、修士論文という修了構成を確認した。

  • 2026年度 修士課程開講科目一覧

    京都大学大学院法学研究科|資料:2026年4月|確認:2026-09-05|参照箇所:2026年度の基礎法学、公法、民刑事法、政治学等の開講科目と担当者を確認した。2027年度の開講保証には用いない。

  • KULASIS 一般公開シラバス

    京都大学|資料:2026年9月5日確認|確認:2026-09-05|参照箇所:2026年度の日本法制史A、行政法2A、民法2A、公共政策A等の授業概要・目標・計画・評価方法を確認した。2027年度の担当授業・時間割ではない。