第5章 過去問の入手状況と独自練習問題
東京大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 教育社会科学専修 比較教育社会学コースの院試対策講座から、大学の過去問、大学の解答、独自問題、独自答案を混ぜません。
- 対象年度
- 2027年度
- 公式情報確認
- 2026年8月26日
- 公開本文
- 2,379字
- 参照資料
- 7件
公式過去問について今、確実に言えること
販売場所は確認できますが、設問本文と解答例は公式URL上で確認できません。
大学公式の事実|過去問は文学部複写センターで販売
大学公式の事実です。出典の年度と掲載箇所を本文末の資料一覧で示しています。
2027年度入試Q&Aは、過去の入学試験問題を東京大学文学部複写センターで販売していると案内しています。場所は東大本郷構内の法文2号館地下、電話番号は03-3814-9301です。2021年度・2022年度入試は感染症対応で従来と異なる試験科目・解答方法だったため、利用時に注意するよう説明されています。
大学が公表していない情報|この公開章で扱える設問本文
大学が公表していない情報です。閲覧した一次資料からは確定できません。
今回アクセスできた大学公式URLは、総合教育科学専攻 教育社会科学専修 比較教育社会学コースの過去問の設問本文を掲載していません。Q&Aは販売場所を示すだけで、実施日、課程、入試区分、出願分野、問題番号ごとの本文を再掲していません。そのため、この公開章では一問ごとの公式問題を作ったり、出典不明の画像や受験記の記憶を公式過去問として扱ったりしません。公式の問題冊子を入手できた後に限り、実施日、修士課程、入試区分、コース、分野、問題番号、原文掲載頁を付けて一問ずつ整理できます。
大学が公表していない情報|解答例・出題意図・配点
大学が公表していない情報です。閲覧した一次資料からは確定できません。
今回閲覧した2027年度募集要項、入試Q&A、コースページには、大学による模範解答、解答例、出題意図、採点基準、問題別配点が掲載されていません。したがって、以下の答案は大学公表の解答ではありません。大学の解答が見つかったように見せる表現は使いません。
本書による説明|作問者は推定しません
本書による説明です。複数の一次資料を受験生向けに読みほどいています。
設問本文を一次資料で確認できないため、作問者の推定は行いません。教員の在籍、授業、研究テーマ、論文が分かっても、それだけでは入試問題を誰が作ったかを示しません。今後、公式問題本文を入手して教員研究との類似を検討する場合でも、大学の発表ではないこと、在籍時期、文言の一致、別候補、反対根拠を示す必要があります。
本書独自の練習問題と答案例
募集要項の出題分野と現行授業を使って練習しますが、東京大学の過去問ではありません。
本書の提案|独自練習問題
本書の提案です。これは大学が公表した過去問ではなく、本書が作成した独自練習問題です。
次の文章を読み、教育機会の不平等を研究する際に、個人の努力だけでは説明できない理由を述べなさい。その上で、日本の高校生の進路選択を対象とする研究を一つ設計し、研究課題、必要なデータ、分析方法、倫理上の注意、結果から言える範囲を具体的に示しなさい。なお、この問題は2027年度募集要項が示す教育社会学・高等教育論の範囲と、2026年度授業の内容を参考に本書が作成したもので、東京大学が公表した過去問ではありません。
本書の提案|問題文の読み方
本書の提案です。これは大学が公表した過去問ではなく、本書が作成した独自練習問題の読み方です。
命令は二つあります。前半は、不平等を個人の能力や努力だけに還元できない理由を、家族の経済資源、地域、学校制度、選抜、情報、期待などの仕組みから説明する課題です。後半は、その説明を調べる研究設計です。「格差は悪い」と評価するだけでは足りません。誰を対象に、何を測り、どの資料同士を比べ、どのような結果なら仮説を支持するかを示します。因果関係を証明せよとは書かれていないため、利用できるデータで言える範囲を限定することも答案の一部です。
本書の提案|答案の組み立て
本書の提案です。大学が示した採点基準や模範解答ではありません。
第一段落で教育機会を進学可能性や学校種選択として定義します。第二段落で、家庭所得、親学歴、地域の学校配置、学校内の進路指導が進路へ影響する経路を示します。第三段落で研究課題と仮説を一文ずつ置きます。第四段落で対象校、対象者、質問紙項目、聞き取り対象、公開統計を示します。第五段落で量的分析と聞き取り分析をどう組み合わせるかを書きます。第六段落で同意、匿名化、回答しない権利、学校による強制を避ける方法を示します。最後に、観察研究から因果を断定できないことと、調査対象外への一般化に限界があることを書きます。
本書の提案|具体的な答案例
本書の提案です。大学が示した採点基準や模範解答ではありません。
教育機会を、高校卒業後にどの進路を実際に選べるかという選択可能性として考える。進路は本人の成績や努力だけで決まらない。受験料・授業料・自宅外通学費を負担できるか、家庭に大学情報があるか、居住地域に選択できる学校があるか、在籍校がどの進路を現実的だと示すかによって、同じ成績でも選択肢が変わるからである。そこで「同程度の成績の生徒でも、家庭の経済状況と高校の進路指導によって四年制大学への志望が異なるか」を研究課題とする。A県の都市部・郡部から普通科高校各2校を選び、3年生へ質問紙を行う。成績、志望進路、家庭の経済状況を直接聞きにくい場合の指標、親の最終学歴、通学可能範囲、奨学金認知、教員との面談回数を測る。学校基本調査と県の学校配置資料も用いる。まず成績をそろえた上で、家庭背景と学校による志望差を統計的に検討する。次に異なる背景の生徒と進路指導教員へ聞き取りを行い、費用、情報、期待が選択の語りにどう表れるかを分析する。参加は自由意思とし、保護者・生徒へ目的を説明し、個人と学校が分からない形で公表する。調査は関連を示せても、家庭背景が進路を直接決めたとまでは断定できない。またA県の普通科高校以外へそのまま一般化できない。しかし、成績以外の条件が選択肢を狭める具体的な経路を示せる。
本書による説明|答案で使う用語
本書による説明です。複数の一次資料を受験生向けに読みほどいています。
社会階層は、所得、職業、学歴などによって社会の中に生じる位置の違いです。教育機会は学校へ形式上応募できることだけでなく、費用、距離、情報を含めて現実に選べる可能性を指します。選抜は試験だけでなく、学校配置、推薦条件、進路指導などを通じて人を異なる進路へ分ける過程です。相関は二つの事柄が一緒に変わること、因果は一方の変化が他方の変化を生むことです。交絡は、観察した二つの関係を第三の要因が生み出している状態です。一般化可能性は、調査結果を調査対象以外へどこまで当てはめられるかという範囲です。
本書の提案|失点しやすい書き方
本書の提案です。大学が示した採点基準や模範解答ではありません。
失点しやすいのは、第一に「貧しい家庭は努力しない」のように当事者の性質へ原因を求める書き方です。第二に、全国の高校生を調べるとだけ書き、標本の選び方や質問項目を示さないことです。第三に、所得と進学の相関だけで原因を証明したと断定することです。第四に、聞き取りをすれば本音が分かると考え、調査者との関係や語りの状況を無視することです。第五に、未成年者の同意、匿名化、学校内で参加を断りにくい状況を扱わないことです。理論語を並べるより、一つの問いに必要な資料と限界をそろえた答案の方が明確です。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- 令和9(2027)年度 東京大学大学院教育学研究科修士課程学生募集要項
東京大学大学院教育学研究科|資料:2026年4月|確認:2026-08-26|参照箇所:1頁の選抜方針、2~3頁のコース別出題分野・募集人員、3頁の試験時間・日程、4~6頁の出願・書類・検定料、6~7頁の合格発表・入学費用・注意事項、9頁の口述実施方法、10頁のコース番号
- 令和9(2027)年度 東京大学大学院教育学研究科大学院入試Q&A
東京大学大学院教育学研究科|資料:2026年4月|確認:2026-08-26|参照箇所:1頁の過去問販売・教員面談・試験方式、2~3頁の長期履修・研究計画書の字数と図表・参考文献
- 2026年度 東京大学大学院教育学研究科便覧
東京大学大学院教育学研究科|資料:2026年4月(2026年4月~2027年3月の授業科目表)|確認:2026-08-26|参照箇所:教育-10~11頁の2026年4月1日以後入学者用修了要件表、教育-33~44頁の授業科目表、教育-45~46頁の教員氏名
- 比較教育社会学コース
東京大学大学院教育学研究科・教育学部|資料:現行コース紹介(2026年8月26日閲覧)|確認:2026-08-26|参照箇所:コースの特色・内容、教育社会学・比較教育学・高等教育研究、教育研究の方法
- 比較教育社会学コース スタッフ紹介
東京大学大学院教育学研究科・教育学部|資料:現行スタッフ一覧(2026年8月26日閲覧)|確認:2026-08-26|参照箇所:本田由紀、中村高康、仁平典宏、額賀美紗子、多喜弘文、荻巣崇世の役職・専門・研究説明
- 2026年度 現代日本社会における教育・仕事・家族
東京大学授業カタログ|資料:2026年度版・2026年4月20日更新|確認:2026-08-26|参照箇所:科目番号23-212-02、担当教員、授業目標、授業計画、方法、評価
- コロナ禍の教育調査とEIPM―行政と研究者の相互学習によるエビデンス形成
J-STAGE/日本教育社会学会|資料:2023年、112巻、5~29頁|確認:2026-08-26|参照箇所:著者、所属、書誌情報、要旨、本文PDF