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出典付き・公開プレビュー

第5章 2027受入研究室と原著論文から研究を具体的に読む

東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻の院試対策講座から、当年度受入一覧と現職プロフィールを照合し、三つの研究例を論文の数値と限界つきで読みます。

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教員名ではなく、問い・手法・対象で研究室を比べる

杉本・米田・井手口の現職と研究を、公式資料と原著論文で分けて確認します。

大学公式の事実

大学公式の事実:三教員は2027物質系の修士受入一覧に掲載されている

2027受入はUFM-03、現職はUFM-06、当年度専攻一覧はUFM-05で照合した大学公式の事実です。

2027年度物質系入試案内の講座・分野・研究室一覧には、杉本宜昭教授の単原子分子科学、米田淳准教授の物性・光科学、井手口拓郎教授の先端光科学の研究室が掲載されています。三研究室には「博士後期のみ受入」の注記がありません。2026年度大学院便覧の物質系教員一覧にも、杉本教授、米田准教授、井手口教授が現職として掲載されています。専攻サイトの2026年入試説明動画一覧にも三研究室があります。この三重確認により、古い他部局所属や過年度パンフレットだけで現職・受入可否を判断していません。ただし、出願直前には案内の差替えや個別連絡を再確認する必要があります。

大学公式の事実

大学公式の事実:杉本研究室は原子一個の表面計測と操作を扱う

所属・職名・研究・教育はUFM-03/UFM-06/UFM-13の大学公式資料から要約しています。

杉本宜昭教授の大学公式プロフィールは、物質系専攻・物性/光科学講座に所属し、走査型プローブ顕微鏡を用いた単原子分子科学を研究すると説明します。プロフィールの研究活動欄は、さまざまな材料表面を原子レベルで計測してナノスケール現象を明らかにし、個々の原子からナノ構造体を組み立て、新材料や新しい動作原理に基づくデバイスを探索すると記しています。教育活動には表面科学論が挙げられています。2026年度大学院便覧の物質系教授一覧と、2027年度入試案内の杉本研究室掲載も一致します。

本書による説明

本書による説明:単一原子の磁気状態を力で読む・書く研究

UFM-17の原著論文を18歳向けに要約した本書による説明です。条件と限界を残しています。

2026年の原著論文では、MgO薄膜上のホルミウム原子一個を磁気ビットとして扱い、磁気交換力顕微鏡でスピンの向きを読み取り、探針を近づけて向きを書き換えました。交換力は電子の量子的性質に由来し、探針と原子のスピン向きで力が変わります。論文は、電流による読み書きとは別に、力を使う原子スケールの記録操作を実験で示します。これは「原子を見る」だけでなく、状態を識別し、操作し、機構を対称性から説明する研究です。ただし、4.5 K・3.0 Tなど論文の条件で得た成果で、室温メモリの完成や2027入学生の研究テーマを意味しません。

大学公式の事実

大学公式の事実:米田研究室は半導体中の少数電子スピンを制御する

現職・研究分野・担当科目はUFM-03/UFM-06/UFM-14の大学公式情報です。

米田淳准教授の大学公式プロフィールは、2024年から物質系専攻准教授で、半導体ナノデバイスを精密に制御し、固体中の電子・スピンの量子性と量子技術への応用を研究すると説明します。量子ドットは電子を非常に狭い領域へ閉じ込める構造で、少数電子のスピン状態を一回ごとに測定・制御できます。研究室は量子コヒーレンス、つまり量子状態の位相関係が保たれる性質と、複数量子状態の相関を調べ、量子情報処理への応用を目指します。2026便覧には新設科目「量子技術概論」の担当として米田准教授が掲載されています。

本書による説明

本書による説明:位相変調で雑音に強いスピン量子ビットを作る

UFM-18の原著論文の測定結果を、条件依存性を残して本書が説明しています。

2026年の原著論文は、自然同位体組成のSi-MOS量子ドットに位相変調したマイクロ波を連続的に加え、低周波雑音の影響を平均化する制御を報告しました。Rabi振動の減衰時間は1.2マイクロ秒から200マイクロ秒超、Ramsey法のコヒーレンス時間は143ナノ秒から40.7マイクロ秒へ伸び、ランダム化ベンチマークで測った単一量子ビットゲート忠実度は95%から99.1±0.1%へ改善しました。忠実度は狙った操作を正しく行える割合の指標です。数値は当該素子・磁場・温度・パルス条件での結果であり、すべての量子ビットや将来の研究結果を保証しません。

大学公式の事実

大学公式の事実:井手口研究室は2026年に物質系へ加わった光計測研究室

2027受入・現職・研究分野をUFM-03/UFM-06/UFM-16で照合しています。

井手口拓郎教授の研究室公式プロフィールは、2026年から東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻教授であると記載します。2027物質系入試案内の先端光科学にも井手口研究室が掲載され、2026大学院便覧の物質系教員一覧にも同名・教授職があります。プロフィールの代表論文には、中赤外広視野ナノスコピー、振動光熱効果を用いた顕微鏡、コヒーレントラマン分光、デュアルコム分光などの原著論文が掲載されています。所属・職名は、この三つの大学公式資料で確認しました。

本書による説明

本書による説明:中赤外の分子情報を可視光の細かい像へ変換する

UFM-19の原著論文を、本書が測定原理・数値・指標の違い・限界つきで説明しています。

2024年の原著論文は、分子が中赤外光を吸収してわずかに温まる光熱効果を、可視光の定量位相イメージングで読む広視野ナノスコピーを報告しました。中赤外は分子結合ごとに異なる吸収を示すため化学情報が得られますが、波長が長く細かな像を作りにくい問題があります。論文は合成開口を使い、3.12〜3.85マイクロメートル帯で120ナノメートルのNyquist分解能、点像の半値全幅では175ナノメートルを示しました。二つの分解能指標は定義が違うので同じ数として扱いません。これは論文条件下の結果であり、すべての試料・波長で同じ解像度になる保証ではありません。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:入学後の個人テーマと装置利用は確定していない

公開一次資料で確認できる所属・研究と、確認できない個別配属条件の境界です。

公開資料から、2027年度の各入学生がどの論文テーマを担当するか、どの装置を何時間使えるか、主指導・副指導を誰が担うか、共同研究先へ行く頻度、研究室内の個別配属人数までは確認できません。原著論文の著者であること、教員プロフィールに研究分野があること、入試案内に受入研究室として載ることは確認できますが、それだけで特定テーマや設備利用を約束したことにはなりません。出願前相談では、研究方向、必要な基礎、2027年度に想定する指導体制、実験・計算環境を教員へ確認してください。回答が得られない内容を、本書が推定で埋めることはしません。

REFERENCES

この章で確認した一次資料

公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。

  • 2027年度 物質系専攻 入試案内書

    東京大学大学院新領域創成科学研究科 物質系専攻|資料:2026-03-30|確認:2026-08-31|参照箇所:PDF物理p.3(紙面p.1)2027受入研究室、p.11(紙面p.9)修士一般・外国人等特別選考の英語・専門・口述・日程・志望調査・内定、pp.12-13(紙面pp.10-11)相談・追加提出物。

  • 物質系専攻 入試情報・FAQ・過去の専門科目問題

    東京大学大学院新領域創成科学研究科 物質系専攻|資料:current|確認:2026-08-31|参照箇所:入試日程、募集要項・出願書類、よくある質問、過去の専門科目問題、2026年入試説明動画。換算方法・選考詳細の非公表も確認。

  • 令和8(2026)年度 東京大学大学院便覧(新領域創成科学研究科)

    東京大学|資料:2026-03-25|確認:2026-08-31|参照箇所:PDF物理p.9(創域-9)物質系科目・30単位、p.22(創域-22)修士(科学)、pp.30-31科目詳細、p.67教員一覧。2026年度資料。

  • 研究分野・研究室の紹介

    東京大学大学院新領域創成科学研究科 物質系専攻|資料:current|確認:2026-08-31|参照箇所:物性・光科学、新物質・界面科学、マテリアル・機能設計、計測、協力・兼担・連携研究室の区分。受入可否はUFM-03を優先。

  • 杉本宜昭 教授プロフィール

    東京大学大学院新領域創成科学研究科|資料:current|確認:2026-08-31|参照箇所:物質系専攻/物性・光科学講座、略歴、教育活動、研究活動。走査型プローブ顕微鏡による原子レベル計測。

  • 米田淳 准教授プロフィール

    東京大学大学院新領域創成科学研究科|資料:current|確認:2026-08-31|参照箇所:物質系専攻、略歴、研究活動。半導体ナノデバイス、少数電子スピン、量子コヒーレンス・量子情報処理。

  • 井手口拓郎 研究室代表プロフィール

    東京大学 Ideguchi Group|資料:current|確認:2026-08-31|参照箇所:研究室代表、職歴。2026年から新領域創成科学研究科物質系専攻教授。代表論文。

  • Force-based reading and writing of individual single-atom magnets

    Nature Communications|資料:2026-07-09|確認:2026-08-31|参照箇所:Abstract; Results; Authors and Affiliations; DOI 10.1038/s41467-026-74922-z。

  • Robust spin-qubit control in a natural Si-MOS quantum dot using phase modulation

    npj Quantum Information|資料:2026-01-21|確認:2026-08-31|参照箇所:Abstract; Results; Authors and Affiliations; DOI 10.1038/s41534-026-01185-3。

  • Mid-infrared wide-field nanoscopy

    Nature Photonics|資料:2024-04-17|確認:2026-08-31|参照箇所:Abstract; Results/Methods; About this article; DOI 10.1038/s41566-024-01423-0。