第5章 指導教員候補を授業・研究・利用条件まで比べる
東京大学 大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 専門職学位課程(2年コース・1年コース)の院試対策講座から、四人の候補を、役職、専門、担当授業、近年研究、施設、指導できる課程で整理します。
- 対象年度
- 2027年度
- 公式情報確認
- 2026年8月26日
- 公開本文
- 2,069字
- 参照資料
- 12件
康永秀生教授:臨床疫学と医療経済
大規模診療データで医療の質・費用・結果を研究する候補です。
大学公式の事実:康永秀生教授の担当と近年研究
大学が公表した募集要項、規則、授業資料または教員資料に書かれた範囲です。
康永秀生教授は、2026年3月1日現在、臨床疫学・経済学分野の教授で公共健康医学専攻長です。2026年度シラバスでは、臨床疫学、臨床疫学・経済学演習、保健医療経済学、医療技術評価学演習、臨床医学概論を担当します。専門は、大規模な診療データを用いた臨床疫学と医療経済です。
2025年の論文「Propensity score analysis revisited」は、観察データで治療群と比較群の背景差を調整する傾向スコア分析を扱います。SPHでは専門職学位課程の授業と課題研究の候補になり、博士進学では医学博士課程の社会医学専攻に臨床疫学・経済学分野があります。
大学が公表していない情報:個々の学生が使える診療データ
2026年8月26日時点の公開一次資料に記載がないため、数値や内容を推測で補っていません。
分野がDPCなどの大規模診療データを扱うことは研究実績から分かりますが、学生ごとに使えるデータセット、利用料、変数、解析環境、共同研究者、指導人数は公開されていません。勤務先のレセプトや電子カルテを研究へ持ち込む場合も、匿名化、組織の承認、研究倫理審査が必要になる可能性があります。
候補者は「自分の問いに必要なアウトカムと比較群を作れるか」「1年コースの期間内に利用許可が得られるか」を具体的に相談します。データの大きさより、問いに必要な変数と時間内の利用可能性が重要です。
松山裕教授:生物統計と臨床研究デザイン
統計手法だけでなく、研究設計から結果の伝え方まで考える候補です。
大学公式の事実:松山裕教授の担当と近年研究
大学が公表した募集要項、規則、授業資料または教員資料に書かれた範囲です。
松山裕教授は生物統計学分野の教授です。2026年度シラバスでは、全員必修の「医学データの統計解析」と「医学研究のデザイン」などを担当します。生物統計学分野は、臨床試験、観察研究、因果推論、回帰モデルなど、医学研究でデータから妥当な結論を導く方法を教育・研究しています。
分野の2025年度論文一覧には、無作為化比較試験における頑健な回帰調整の統計効率、修正ポアソン回帰と対数二項回帰の選択、肥満・内臓脂肪と慢性腎臓病など、方法論と実データ解析の両方が掲載されています。SPHの専門職学位課程で、統計と研究設計を中心に課題研究へ進みたい人の候補です。
大学が公表していない情報:統計相談と計算環境の個別条件
2026年8月26日時点の公開一次資料に記載がないため、数値や内容を推測で補っていません。
公式資料から担当授業と研究実績は分かりますが、1年コース学生が選べる課題研究テーマ、統計相談の頻度、利用できるソフトと計算機、既存研究への参加条件、2027年度の受入人数は公表されていません。高度な手法名を書くだけでは、指導可能性を判断できません。
相談では、研究質問、予定データ数、主要評価項目、比較したい群、欠測、研究期間を簡潔に示します。手法はその後に決まります。「機械学習をしたい」ではなく、「誰について何を予測し、どの判断に使うか」を先に置くと、必要な統計教育を話しやすくなります。
木内貴弘教授:医療コミュニケーションと医療情報
患者向け情報、デジタル情報、臨床研究基盤を扱う候補です。
大学公式の事実:木内貴弘教授の担当と近年研究
大学が公表した募集要項、規則、授業資料または教員資料に書かれた範囲です。
木内貴弘教授は医療コミュニケーション学分野を担当し、大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)センター長でもあります。2026年度シラバスでは、医療コミュニケーション学、医療情報システム、CDISC標準入門などを担当します。健康情報を患者や市民へ分かりやすく伝える研究と、臨床研究情報を扱う仕組みの両方に関わる分野です。
公式研究業績には、2025年の縦断研究として、COVID-19流行下の情報過多を予測する要因を調べた論文が掲載されています。ほかにも患者向け情報の分かりやすさ、動画やSNS上の健康情報、人工知能が作る医療情報の評価などがあります。SPH専門職学位課程で、情報の質と行動への影響を調べたい人の候補です。
大学が公表していない情報:UMIN設備や研究データの利用条件
2026年8月26日時点の公開一次資料に記載がないため、数値や内容を推測で補っていません。
木内教授がUMINセンターに所属し、医療情報や臨床研究標準を扱うことは公表されています。しかし、SPH学生がUMINの運用データやサーバーへ触れられる範囲、研究用アカウント、患者向け調査の募集方法、ウェブ実験の費用、個別指導の頻度は公開されていません。
志望者は、公開ウェブ情報だけを評価する研究か、参加者を募る調査か、施設の運用データを扱う研究かを分けます。必要な許可と期間が大きく違うためです。1年コースなら、出願時点でデータ取得方法を絞ることが特に重要です。
西大輔教授:精神保健と予防介入
働く人、妊産婦、災害対応者などの心の健康を扱う候補です。
大学公式の事実:西大輔教授の担当と近年研究
大学が公表した募集要項、規則、授業資料または教員資料に書かれた範囲です。
西大輔教授は精神保健学分野の教授です。公式紹介では、うつ病や心的外傷後ストレスの予防、妊産婦、災害対応者、労働者などの精神保健を研究テーマとしています。2026年度シラバスでは精神保健学Ⅰ・Ⅱを担当します。
2025年の研究では、医療従事者向けの動画によるトラウマに配慮したケア研修を非無作為化比較で評価しました。これは、心の健康問題を説明するだけでなく、研修という介入を作り、結果を測る研究です。SPH専門職学位課程のほか、健康科学・看護学専攻の教育にも関わる教員であり、希望する課程と指導枠を分けて確認する必要があります。
大学が公表していない情報:対象者募集と介入実施の条件
2026年8月26日時点の公開一次資料に記載がないため、数値や内容を推測で補っていません。
公開資料には研究テーマと論文がありますが、新入生が利用できる調査対象者の募集経路、臨床施設、オンライン調査費、介入教材、相談室、2027年度の受入人数は示されていません。職場の従業員を対象にする場合、上司の許可だけでなく、参加しない人に不利益が生じない募集方法や個人情報保護が必要です。
相談時には、対象者、募集者、介入内容、比較方法、評価時点、心理的負担への対応を一枚にします。心の健康というテーマが一致するだけでなく、短い在学期間で安全に実施できる設計かを確かめます。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- 2026年度 公共健康医学専攻シラバス
東京大学|資料:2026年度|確認:2026-08-26|参照箇所:3~6頁、14~19頁、54~61頁
- 公共健康医学専攻を構成する講座・分野・担当教員
東京大学|資料:2026-03-01現在|確認:2026-08-26|参照箇所:生物統計学、臨床疫学・経済学、精神保健学、医療コミュニケーション学ほか
- Hideo Yasunaga - researchmap
科学技術振興機構 researchmap|資料:2026-08-26時点|確認:2026-08-26|参照箇所:所属、研究分野、論文
- Propensity score analysis revisited
National Library of Medicine|資料:2025|確認:2026-08-26|参照箇所:Annals of Clinical Epidemiology 7(3):99-104
- 東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 生物統計学分野
東京大学 生物統計学分野|資料:2026-08-26時点|確認:2026-08-26|参照箇所:教室紹介、教育、研究実績
- 生物統計学分野 論文(英文)2025年度
東京大学 生物統計学分野|資料:2025年度|確認:2026-08-26|参照箇所:松山裕教授を含む2025年度論文
- 医療コミュニケーション学分野 木内貴弘 研究業績
東京大学医療コミュニケーション学分野・UMINセンター|資料:2026-08-26時点|確認:2026-08-26|参照箇所:英文原著・総説、2025年
- Factors Predicting Information Overload During the COVID-19 Pandemic in the Digital Age: Longitudinal Study
JMIR Publications|資料:2025|確認:2026-08-26|参照箇所:Interactive Journal of Medical Research 14:e67098
- 西大輔 教授
東京大学医学部健康総合科学科|資料:2026-08-26時点|確認:2026-08-26|参照箇所:専門分野、研究内容、担当
- 西 大輔 教授
東京大学|資料:2026-08-26時点|確認:2026-08-26|参照箇所:所属、研究テーマ、略歴
- Video-Based Trauma-Informed Care Training for Healthcare Workers
National Library of Medicine|資料:2025|確認:2026-08-26|参照箇所:非無作為化比較研究、医療従事者向け研修
- 東大SPH 博士課程
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻|資料:2026-08-26時点|確認:2026-08-26|参照箇所:専門職学位課程修了後に選び得る博士課程