第6章 過去問題の境界と独自演習
京都大学 大学院 医学研究科 医科学専攻(5年一貫制博士課程)の院試対策講座から、初回入試前の過去問状況を限定して述べ、公式問題ではない独自課題で説明力を練習します。
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- 院試クラウド編集部
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- 2027年度
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- 2,090字
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細胞恒常性を、機構・実験・限界まで説明する
新課程の公式過去問と誤認させない独自問題・回答例を示します。
旧課程の閲覧制度と新課程の確認範囲
根拠資料に基づき本書が整理した説明です。大学公式の記述そのものではありません。
医学研究科の公式ページは、旧医科学専攻修士課程などの過去問題を、事前予約のうえ教務窓口で約1時間閲覧する制度として案内し、コピー配付や郵送は行わないとしています。本書が2026年9月5日に確認した京都大学公式の2027年度募集要項、改組告知、過去問題ページでは、新しい5年一貫制博士課程に固有の実施済み過去問題や試行問題を確認できませんでした。確認範囲外の資料にも関連問題がないという意味ではありません。
初回入試前であることからの推定
公式資料から読み取れる範囲を基にした本書による推定です。
ここからは本書による推定です。2027年度が新課程の初回募集で、試験日2026年11月3日をまだ迎えていないため、実施済みの新課程固有問題はまだ生じていないと考えられます。これは京都大学が問題を非公表にすると決めたという意味ではありません。また、旧修士課程の問題は基礎知識を確かめる参考になり得ますが、新課程の基礎生物学2問・小論文1問・口頭試問と同じ形式や難度だと推定する根拠はありません。
独自問題:損傷した細胞小器官の除去
大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。
次は京都大学が公表した過去問、試行問題、出題予想ではありません。本書の独自練習問題です。動物細胞で、損傷したタンパク質や細胞小器官を除去する仕組みが長期間低下したとします。細胞内で予想される変化を二つ挙げ、それぞれが細胞生存や組織機能へ影響する過程を説明してください。さらに、分解低下が原因であることを検証するため、対照群を含む実験を一つ設計してください。研究論文は酵母や腎近位尿細管など特定モデルの知見なので、動物細胞全般で同じ結果になるとは前提にしません。
独自回答の構成:現象から測定へ
大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。
これは京都大学が公表した過去問の公式答案構成ではありません。本書の独自問題に対する整理です。①正常な分解系、②低下時に蓄積する対象、③細胞機能への因果経路、④組織への波及、⑤操作群と対照群、⑥測定指標、⑦別の説明、の順に置きます。「老廃物がたまる」だけで止めず、細胞成分を傷つけ得る活性酸素、細胞が直接使うエネルギー分子であるATP、損傷ミトコンドリア、細胞死など、観察できる中間段階を結びます。遺伝的操作と薬理学的操作で同じ傾向が出るか、低下させた分解機能を戻す「救済実験」で、観察された変化(表現型)も戻るかを分けると、操作固有の副作用という別解釈を検討できます。測定は一時点だけでなく、分解低下、ミトコンドリア傷害、活性酸素増加、ATP低下、細胞死が現れる順番を追います。遺伝子操作をしていない対照、薬剤を溶かした溶媒だけを加える対照、救済操作だけを行う対照も分けます。生存率が戻っても分解指標が戻らなければ、別経路による改善の可能性を残します。各群は独立した試料で繰り返し、試料数、平均だけでなくデータのばらつきも示します。測定者に群名を知らせない方法が可能かも検討し、期待した結果に合う画像だけを選ぶことを避けます。どの実験系の知見かも添え、実験操作と測定結果を同じ文に混ぜないことが大切です。
独自回答例:因果を一段ずつ示す
大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。
次は京都大学が公表した過去問の公式解答ではなく、本書の独自回答例です。仮説として、オートファジー・リソソーム系が低下すれば、損傷ミトコンドリアの除去が遅れ、活性酸素の増加やATP産生低下を経て、細胞生存率が下がると考えます。腎近位尿細管の細胞・マウスモデルでは、マイトファジー促進に伴う損傷ミトコンドリア除去、活性酸素抑制、ATP改善が報告されています。ただし、この結果を別組織やヒトの臨床効果へそのまま広げません。遺伝的または薬理学的に分解を低下させた群と対照群を比べ、分解指標、活性酸素、ATP、生存率を測り、分解機能を戻したときに変化も戻るかを確かめます。
用語:オートファジーとプロテアソームを混同しない
根拠資料に基づき本書が整理した説明です。大学公式の記述そのものではありません。
オートファジーは細胞質成分や細胞小器官を膜で包み、主にリソソームで分解へ導く仕組みです。ユビキチン・プロテアソーム系は、目印を付けた個々のタンパク質を主にプロテアソームで分解します。分裂酵母の実験では両者がミトコンドリア維持で協調することが示されていますが、同じ経路ではありません。相関と因果も区別します。分解指標と細胞死が同時に変化しただけでは、分解低下が死の原因と決まりません。介入と機能回復の実験を加える理由は、因果説明を強めるためです。
独自演習で避ける五つの誤り
大学の指定や評価基準ではない本書の提案です。
これは京都大学が公表した過去問の採点基準ではなく、本書独自の振り返りです。よくある誤りは、①オートファジーとプロテアソームを一つの分解系として扱う、②変化の向きを書かない、③細胞と組織の説明を飛ばす、④対照群を置かない、⑤同時変化を因果と断定することです。さらに、酵母や腎臓のモデル研究から「ヒトは必ず病気になる」と一般化せず、仮説を支持しない結果も書きます。200字、400字、10分答案の三条件で同じ論理を再構成すると、知識量ではなく説明の骨格を確かめられます。
購入後もサイト全文は開放しません
大学制度ではないサイト運用上の事実です。
購入前に閲覧できるのは、この公開プレビューに表示された範囲です。購入後もサイト上の有料全文は開放しません。決済確認後、原則2日程度で、完成版PDFを購入時に指定したメールアドレスへ送付します。届かない場合は迷惑メールフォルダと受信拒否設定を確認し、受付番号・購入時のメールアドレス・対象講座名を添えて「運営・お問い合わせ」の窓口へ連絡してください。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- 2027年度 医科学専攻5年一貫制博士課程 学生募集要項
京都大学大学院医学研究科|資料:2026年8月|確認:2026-09-05|参照箇所:PDF全5ページ。募集25名、出願資格、出願期間、提出書類、事前了承、英語スコア、第一段階選抜、11月3日の筆答・口頭試問、12月11日の発表、費用を確認した。配点、最低点、英語換算式、口頭試問の個人別時間・質問内容、新課程固有の過去問題・試行問題は記載されていない。
- 医科学専攻改組のお知らせ
京都大学大学院医学研究科|資料:2026年8月7日|確認:2026-09-05|参照箇所:従来の修士課程・博士後期課程を発展的に解消し、2027年4月に5年一貫制博士課程を設置することを確認した。初回入試の時期を過去問題の有無と照合するためにも確認したが、過去問題・試行問題の掲載はない。
- 医科学専攻設置の趣旨等を記載した書類
京都大学大学院医学研究科|資料:2026年8月|確認:2026-09-05|参照箇所:新課程の目的、入学者選抜、教育課程、ダブルメンター、QE1~QE4、40単位以上、博士論文審査、特別事情による中途退学者への修士学位制度を確認した。
- 医科学専攻 基本計画書・教育課程等の概要
京都大学大学院医学研究科|資料:2026年8月|確認:2026-09-05|参照箇所:全63科目、統合基盤9科目、コア医学29科目、キャリアパス支援・社会実装25科目、単位数、配当年次、授業科目の概要を確認した。
- 大学院入学試験 過去問題
京都大学大学院医学研究科|資料:2026年9月5日確認|確認:2026-09-05|参照箇所:旧医科学専攻修士課程等の問題は事前予約のうえ窓口で約1時間閲覧でき、コピー配付・郵送をしないことを確認した。新5年一貫制博士課程の項目や試行問題は確認できない。
- Synergistic roles of the proteasome and autophagy for mitochondrial maintenance and chronological lifespan in fission yeast
Proceedings of the National Academy of Sciences|資料:2010年2月23日|確認:2026-09-05|参照箇所:公開全文の要旨、結果、図を確認した。分裂酵母でプロテアソームとAtg8依存的オートファジーが協調してミトコンドリア機能と経時寿命を維持し、プロテアソーム機能低下時に活性酸素が増えることを支持する。動物細胞やATPへの一般化には用いない。
- Mitochondrial impairment triggers cytosolic oxidative stress and cell death following proteasome inhibition
Scientific Reports|資料:2014年7月31日|確認:2026-09-05|参照箇所:公開全文の要旨、結果、図を確認した。培養細胞モデルでプロテアソーム阻害後のミトコンドリア機能障害、細胞質の酸化ストレス、細胞死の関係を支持する。ATP低下やヒト疾患の臨床効果の根拠には用いない。
- Clearance of damaged mitochondria via mitophagy is important to the protective effect of ischemic preconditioning in kidneys
Autophagy|資料:2019年12月|確認:2026-09-05|参照箇所:公開全文の要旨、結果、Figure 8~10を確認した。腎近位尿細管の細胞・マウスモデルで、マイトファジーによる損傷ミトコンドリア除去、活性酸素の抑制、ATP産生の改善を支持する。特定の組織・傷害条件の前臨床研究であり、ヒト全身や臨床効果へ一般化しない。