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出典付き・公開プレビュー

第3章 指導教員と研究の読み方

東京大学 大学院工学系研究科 システム創成学専攻の院試対策講座から、2027年度教員一覧を入口に、公式プロフィールと原著論文を分けて読み、研究方法で志望候補を比較します。

対象年度
2027年度
公式情報確認
2026年8月28日
公開本文
2,681
参照資料
19
01

まず年度指定の教員一覧を見る

研究ページの面白さと、2027年度に指導候補として載ることは別に確認します。

大学公式の事実

大学公式:2027年度案内の課程担当教員

2026年5月20日改訂版の2027年度入試案内p.9~10に掲載された一覧です。表記は案内に合わせています。

2027年度専攻入試案内は32人の課程担当教員を、研究分野・所属とともに列挙します。教員は青山和浩、和泉潔、大澤幸生、岡部洋二、川崎智也、川畑友弥、菅野太郎、北澤大輔、合田隆、小林肇、柴崎隆一、柴田和也、柴沼一樹、髙橋淳、髙谷雄太郎、辻健、所千晴、ドドビバ・ジョルジ、鳥海不二夫、中尾彰宏、中村謙太郎、羽柴公博、原祐輔、藤井秀樹、宝谷英貴、宮本英昭、村上進亮、村山英晶、安川和孝、山田知典、渡邉正峰、万熠です。

大学公式の事実

大学公式:志望順位と事前連絡

2027年度専攻案内と2026年4月の公式説明会資料に基づきます。

公式説明会資料は、修士が第5志望まで、博士が第1志望のみを登録すると説明します。修士は出願前の指導教員連絡が推奨、博士は必須です。出願後は入試に関する指導教員との連絡が禁止されます。

大学が公表していない情報

公式未公表:教員別受入枠

公式に公表されていない受入状況を推測で埋めません。

教員別の受入可能人数、残り枠、志望者数は公表されていません。説明会資料は、受入可能数を公表しないと明記します。第5志望まで書けば必ずいずれかへ配属される、教員ページの掲載順が空き枠を示す、とは言えません。

02

研究例1 岡部洋二:構造を壊さず内部損傷を探す

複合材料、構造ヘルスモニタリング、非破壊評価を、測定系として読みます。

大学公式の事実

大学公式:教員プロフィール

2027年度受入候補としての掲載と、東京大学公式プロフィールの研究分野を示しています。

岡部洋二教授は2027年度案内の課程担当教員に掲載されます。専攻・東京大学の公式プロフィールは、人工物システム・ネットワーク、複合材料、構造ヘルスモニタリング、非破壊評価、ガイド波、光ファイバ、Lamb波による損傷検出等を研究領域として示します。

本書による説明

本書の論文要約:局所共振とレーザー超音波

原著論文の書誌・抄録を本書が要約したものです。大学公式の制度事実や入試予告ではありません。

Lan、Saito、Yu、Okabeによる原著論文は、局所欠陥共振とレーザー超音波ガイド波を組み合わせ、織物の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で目視困難な衝撃損傷を検出する方法を扱います。重要なのは、物体を壊さず内部状態を推定するため、励振、波の伝播、観測、特徴抽出、判定を一つの測定系にしている点です。

本書の提案

本書の提案:性能値より検証設計を読む

論文の方法を専門課題準備へ変換した本書の読解法です。公式の採点基準ではありません。

論文を読むときは、損傷あり/なしの試験体、既知条件と未知条件、温度や固定条件の変化、真陽性と偽陽性、別手法との比較を表にしてください。抄録にない正答率を補わず、どのデータがあれば主張を反証できるかまで書きます。

大学が公表していない情報

公式未公表:設備利用と個別テーマ

大学公式プロフィールで確認できる研究分野と、確認できない設備・利用条件を分けています。

東京大学公式プロフィールから研究方法は確認できますが、岡部研究室の装置一覧、学生ごとの利用条件、講習、予約、稼働状況、2027年度に割り当てられる個別テーマは今回の一次資料で確認できません。

03

研究例2 辻健:地下のCO2を連続監視する

物理現象、測定装置、信号処理、現場運用をつなぎます。

大学公式の事実

大学公式:教員プロフィール

年度指定案内と東京大学公式プロフィールに掲載された事実です。

辻健教授は2027年度案内の課程担当教員に掲載されます。公式プロフィールは、グローバル循環システム、地球物理、宇宙探査、二酸化炭素回収・貯留(CCS)、地熱、地震・火山、地震波モニタリング、デジタルロック等を研究領域として示します。

本書による説明

本書の論文要約:PASSから坑井DASへ

原著論文の書誌・抄録と専門語を本書が要約・平易化したものです。大学公式の制度事実ではありません。

Tsujiらの原著論文は、携帯型能動震源(PASS)からkm級坑井の分布型音響センシング(DAS)へ届く信号を調べ、複数回の記録を重ねることで信号対雑音比(S/N)を改善し、CO2貯留地点の継続監視へつなげる研究です。DASは光ファイバに沿う多数点の振動を読む計測法です。

本書の提案

本書の提案:変化と雑音を分ける

原著論文と過年度設問の限界・新提案要求を基にした本書の練習方針です。

監視計画では、何を異常とするか、基準期間をどう取るか、装置ドリフト・季節変動・地表ノイズをどう区別するか、誤報時に何を再測定するかを設計します。重合でS/Nが上がるという一般論だけで、漏洩を特定できるとは書かないでください。

大学が公表していない情報

公式未公表:現場・装置・データへのアクセス

大学公式プロフィールで確認できる研究分野と、確認できない研究資源・利用条件を分けています。

東京大学公式プロフィールからCCSや地震波モニタリング等の研究分野は確認できますが、受験者が利用できる現場、PASS、坑井DAS、既存データ、許認可、費用、2027年度の個別テーマは公開資料だけでは確認できません。

04

研究例3 合田隆:不確実性を計算可能にする

Monte Carloと準モンテカルロを、計算予算と誤差保証から読みます。

大学公式の事実

大学公式:教員プロフィール

年度指定案内と東京大学公式プロフィールに掲載された事実です。

合田隆准教授は2027年度案内の課程担当教員に掲載されます。公式プロフィールは、数値解析、準モンテカルロ法、不確実性定量化、意思決定、情報価値、貯留層工学への応用等を研究領域として示します。

本書による説明

本書の論文要約:複数推定の中央値を使うQMC

原著論文の書誌・抄録を本書が要約したものです。常に他手法より速いという保証へ拡張していません。

Goda、Suzuki、Matsumotoの原著論文は、複数のランダム化準モンテカルロ推定値の中央値を取り、事前に平滑性や変数の重みを指定しなくても確率的誤差保証を得る方法を論じます。狙いは、未知の関数特性に対しても使いやすい積分法を構成することです。

本書の提案

本書の提案:定理の結論だけでなく仮定を読む

原著論文と過年度設問の「考え方・限界」要求を基にした本書の答案設計です。

答案では、積分したい量、次元、評価一回の費用、点の生成、ランダム化回数、誤差指標、失敗確率を分けます。Monte Carloの典型的な標準誤差が標本数Nに対しNのマイナス1/2乗で減ることを基準にし、準モンテカルロ法(QMC)の利点を述べるときは関数の性質と保証条件を必ず併記します。

大学が公表していない情報

公式未公表:計算資源と個別研究データ

大学公式プロフィールで確認できる研究分野と、確認できない計算・データ利用条件を分けています。

東京大学公式プロフィールから数値解析・不確実性定量化等の研究分野は確認できますが、学生が利用できる計算資源、コード、企業・現場データ、ライセンス、2027年度の個別テーマは今回の一次資料で確認できません。

05

研究例4 鳥海不二夫:社会データから意見形成を分析する

相関、交絡、因果、再現性を区別します。

大学公式の事実

大学公式:教員プロフィール

年度指定案内と東京大学公式プロフィールに掲載された事実です。

鳥海不二夫教授は2027年度案内の課程担当教員に掲載されます。公式プロフィールは、社会経済システム、計算社会科学、AI、データマイニング、エージェントベースモデル、SNS、複雑ネットワーク、社会でのAI活用等を研究領域として示します。

本書による説明

本書の論文要約:ニュースとSNSの時間・反応を比較する

原著論文の書誌・抄録・訂正表示を本書が要約し、観測と因果の区別を補った説明です。大学公式の制度事実ではありません。

Taniharaらの原著論文は、大規模なニュース・SNSデータを用い、話題が現れる時期と反応の違いを比較します。論文ページには2025年1月と2月の訂正表示があります。観測データの差は重要な発見ですが、それだけで媒体が反応を引き起こしたという因果を確定するものではありません。

本書の提案

本書の提案:代替説明を先に書く

過年度設問の別検証要求と論文の観測研究を基にした本書の訓練法です。公式解答ではありません。

利用者属性、推薦アルゴリズム、出来事の重大性、曜日、観測期間など、結果を別に説明し得る要因を列挙します。そのうえで自然実験、差の差、マッチング、別期間・別媒体での再現、感度分析から、実行可能な検証を一つ選びます。

大学が公表していない情報

公式未公表:データ利用と倫理手続

大学公式プロフィールで確認できる研究分野と、確認できないデータ・倫理・利用条件を分けています。

東京大学公式プロフィールから計算社会科学・SNS分析等の研究分野は確認できますが、学生が利用できるニュース・SNSデータ、契約・ライセンス、個人情報保護や研究倫理審査の個別手順、2027年度の個別テーマは公開資料だけでは確認できません。

06

研究室をテーマ名ではなく方法で比較する

複数志望を、対象・方法・データ・評価・場所・指導可能性で比べます。

本書の提案

本書の提案:六列の比較表

年度指定教員一覧と公式プロフィールを安全に比較するための本書の方法です。

候補ごとに、①解く問題、②使う理論・装置・データ、③何を測るか、④成功をどう評価するか、⑤主な研究拠点、⑥2027年度案内への掲載と事前連絡結果、の六列を埋めます。「AI」「宇宙」「環境」のような名詞だけで比較せず、毎週行う作業まで想像できる粒度にします。

本書による推定

本書による推定:方法の相性は分野名より具体的

4人の公式研究分野と論文方法を比較した本書の推定であり、研究室配属後の業務を保証しません。

公開資料からは、同じシステム創成学でも、実験試験体を扱う研究、現場で地球物理データを取る研究、数学的誤差保証を作る研究、社会データを分析する研究で、日々の作業と必要基礎が大きく違うと推定できます。ただし個々の学生のテーマ、設備利用、共同研究、在室場所は公開情報だけでは確定しません。

本書の提案

本書の提案:出願前連絡で確認する三点

大学の事前連絡規則を守りながら研究適合を確認するための本書の提案です。

連絡では、自分の背景と研究質問を短く述べたうえで、①2027年度の受入可能性、②希望テーマと研究室方法の接点、③必要な前提科目・データ・設備を確認します。「合格できますか」「何が出ますか」と入試の助言を求めず、出願後は入試に関する連絡を止めます。

REFERENCES

この章で確認した一次資料

公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。