第4章 教育課程と2027年度の指導候補
東京大学 大学院工学系研究科 原子力国際専攻の院試対策講座から、現行カリキュラムの構造を確認し、公式教員情報と原著論文から指導候補を具体的に比較します。
- 対象年度
- 2027年度
- 公式情報確認
- 2026年8月28日
- 公開本文
- 2,258字
- 参照資料
- 17件
カリキュラムの四層
講義だけでなく、論文・演習・英語発表まで含みます。
大学公式:三種の講義と体験型科目
原子力国際専攻の現行教育カリキュラムです。
講義は原子力コア科目、専門基礎科目、特論科目の三種に分類され、原則英語で実施されます。講義以外に輪講・演習・実習科目があります。
本書の説明:共通言語から研究実践へ
大学の科目区分を18歳向けに言い換えた本書の説明です。正式定義の置換ではありません。
コアは原子力・放射線・安全の共通言語、専門基礎は材料・熱流動・量子・計測・数理の道具、特論は研究フロンティア、輪講・演習・実習は論文を読み手を動かし説明する訓練、と考えると構造をつかめます。
大学公式:修士・博士に二段階の学位審査
現行カリキュラムページの学位審査説明で、但書も残しています。
修士論文は中間審査と最終審査、博士論文は予備審査と本審査があります。さらに年1回、修士・博士の全員が輪講の場で英語発表を行います。ただし輪講の聴講自体は必修ではありません。
大学公式:2026年度便覧の輪講・演習
2026年度科目表の例で、2027年度の確定表ではありません。
2026年度便覧には修士輪講II〜IV E、修士演習I〜III E、博士の輪講・演習・特別実験・特別プロジェクト等が掲載されます。2019年度以降の修士には輪講I〜IV Eから1単位以上、修士演習I・IIから3単位以上という注記があります。
本書の提案:英語要旨を五文へ分ける
大学指定課題ではなく、英語発表へ備える本書の提案です。
英語論文の要旨を、背景、未解決点、方法、結果、限界の五文に分け、3分で説明する練習を始めてください。英語表現と研究の論理構造を同時に訓練できます。
2026年度シラバスの二例
入学後の専門性を、科目内容まで具体化します。
大学公式:原子力物理E
2026年度授業カタログの具体例で、2027年度開講を保証しません。
2026年度の原子力物理Eは2単位・英語で、放射線と物質の相互作用、中性子拡散・減速、核分裂連鎖、臨界、一群・二群拡散、放射線計測を扱います。評価は出席、宿題、試験です。
本書の説明:現象・式・測定をつなぐ科目
公式シラバスの項目間のつながりを本書が説明しています。
放射線が物質と反応する現象を、拡散方程式や臨界条件で表し、最後に測定へつなぐ科目です。言葉だけで原子力を語るのではなく、モデルの仮定と観測量を対応させる必要があります。
大学公式:Materials and Fuels in Nuclear Systems E
2026年度授業カタログの科目例です。
2026年度の同科目は、照射、燃料安全、RIA・LOCA、福島、高燃焼度、MOX、高速炉、事故耐性燃料、核融合材料を講義と演習で扱います。レポートと出席で評価し、炉理論・放射線物理、熱流動・構造の基礎を推奨します。
本書による推定:一分野だけで完結しにくい
複数の公式教育資料から本書が限定的に推定した学際性です。
二つのシラバスと専攻の教育目的から、研究課題は物理、材料、熱流動、計測、社会的条件の複数をまたぐ場合が多いと推定できます。ただし、全学生が全分野を同じ深さで履修するという意味ではありません。
2027年度指導候補18人
動的教員ページより、年度指定案内を受入判定に優先します。
大学公式:年度指定案内の18人
2027年度専攻入試案内p.12〜19の教員紹介です。
2027年度案内は、阿部弘亨、石川顕一、勝山仁哉、小宮山涼一、斉藤拓巳、酒井幹夫、坂上和之、佐藤健、島添健次、高田孝、出町和之、長井超慧、長谷川秀一、藤井康正、松崎浩之、三輪修一郎、村上健太、山下真一を指導候補として紹介します。
本書の説明:本務・兼務と年度受入を分ける
年度指定案内と動的プロフィールの役割を分けた本書の説明です。
現在のプロフィールで本務が原子力専攻等と表示される教員もいます。2027年度に原子力国際専攻で指導を受ける候補かは年度指定案内を優先し、本務・兼務は別の属性として読みます。
阿部弘亨—照射で材料内部がどう変わるか
顕微鏡像と力学特性を結びつける材料研究です。
大学公式:材料・照射損傷・極限環境
年度指定教員紹介と東京大学公式プロフィールの照合です。
2027年度案内は、阿部教授の研究を、原子炉・核融合炉材料、新型炉・事故耐性燃料、極限環境での照射・腐食・水素化、顕微鏡・機械試験・FEM・分子動力学として説明します。東京大学プロフィールでは工学系研究科教授です。
本書の論文要約:Wと照射誘起アモルファス化
本書による原著論文の要約であり、大学公式の制度事実、入試出題、配属テーマの予告ではありません。
Kanoらの論文は、Wを含むM23C6炭化物の照射誘起アモルファス化をTEM-EELS等で調べ、阿部教授が共著します。材料名の暗記より、組成・照射条件・測定指標・比較の設計が読みどころです。
本書の提案:五列で論文を読む
大学指定ではない本書の原著論文読解・研究計画提案です。
独立変数、観測量、測定手法、比較群、結論の適用範囲を五列にして論文を読みます。「強い材料を作る」ではなく、何を変え何を測り、どの機構を検証するかまで研究質問を細くしてください。
酒井幹夫—粉体・流体・デジタルツイン
高精度計算を、速く更新できる予測モデルへつなぎます。
大学公式:計算科学とシミュレーション
年度指定案内と大学公式研究者プロフィールです。
東京大学プロフィールは酒井教授を原子力国際専攻、専門を計算科学、研究テーマをシミュレーションベースデジタルツインとし、粉体・流体・混相流等を挙げます。年度案内はマルチフィジックス計算とAIを説明します。
本書の論文要約:低次元モデルと学習データ量
本書による原著論文の要約であり、大学公式の制度事実ではありません。
Yangらの2024年論文は、DEM-CFDを含むオイラー・ラグランジュ計算のデータ駆動低次元モデルについて、予測に十分な学習データ量を検討し、酒井教授が共著します。
本書の提案:速度だけでなく誤差を検証する
原著論文の方法から作った本書の研究計画提案です。
研究計画では、高精度計算、近似モデル、学習データ、未知条件での検証、計算速度、誤差を分けます。デジタルツインを3D表示の美しさだけで評価しないでください。
島添健次—放射線を画像にする
センサ性能から医学的仮説までを段階化します。
大学公式:医学量子イメージング
年度指定案内と東京大学工学系の現行プロフィールです。
島添准教授の公式プロフィールは、CT・PET・SPECT、医学量子イメージング、多分子・相互作用イメージング、量子センサを説明します。年度案内は放射線計測、診断・治療、医学物理を挙げます。
本書の論文要約:エネルギー分解型X線検出器
本書による原著論文の要約であり、大学公式の制度事実ではありません。臨床導入済みとは述べていません。
Shimazoeらの2024年論文は、SiPMアレイとシンチレータを組み合わせたエネルギー分解型フォトンカウンティングX線検出器を扱います。検出器構成と工学性能の検証が中心です。
本書の提案:測定原理から臨床仮説へ三段階
研究計画を具体化する本書の提案です。
第1にエネルギー・時間・位置分解能や計数率、第2に再構成画像の改善、第3に診断上の仮説、と段階化します。「がんに役立つ」で止めず、どの粒子を何で測り何と比較するかを書いてください。
小宮山涼一—技術を社会全体で比べる
安定供給・環境・経済性を数理モデルで比較します。
大学公式:エネルギー安全保障と最適化
年度指定案内と東京大学公式研究紹介です。
2027年度案内は小宮山涼一教授について、エネルギー安全保障、エネルギー経済モデル、最適化、計量経済分析を挙げます。東京大学の紹介は、安定供給・環境・経済性の3Eを同時に考える数値シミュレーションを説明します。
本書の論文要約:時間詳細な世界エネルギーモデル
本書による原著論文の要約であり、大学公式の制度事実ではありません。
Otsukiらの2023年論文は、電力・水素需給を時間詳細に扱う世界エネルギーモデルで変動再生可能エネルギーを分析し、小宮山教授が共著します。
本書の提案:目的関数と制約を先に書く
エネルギーモデルの研究計画を具体化する本書の提案です。
「原子力を増やすべきか」を結論から始めず、目的関数、需要・設備・CO2等の制約、入力データ、時間・地域解像度、感度分析、モデル外の価値判断を明記します。
研究室比較シート
名前や人気ではなく、問い・方法・検証で比較します。
本書の提案:八列で比べる
大学公式の配属評価表ではない、本書の研究室比較法です。
教員ごとに、未解決の現象・社会課題、対象、入力、観測・出力、方法、検証、必要基礎、読んだ一次資料の八列を埋めます。実験・理論・計算・データ・政策のどこに自分が入りたいかが見えます。
公式未公表:研究室別の空き枠と設備利用条件
確認範囲は年度指定教員紹介、現行教員ページ、研究者プロフィールです。
公開資料からは、研究室別の2027年度空き枠、個別テーマ、設備の講習・予約・費用、指導頻度を確定できません。年度案内に載ることと、希望者全員の配属保証は同じではありません。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- 令和9(2027)年度 原子力国際専攻 修士課程・博士後期課程 入試案内書
東京大学大学院工学系研究科 原子力国際専攻|資料:2026-04-03|確認:2026-08-28|参照箇所:p.3〜11 入試、p.12〜19 教員(研究)紹介
- 2026年度 工学系研究科便覧
東京大学大学院工学系研究科|資料:2026|確認:2026-08-28|参照箇所:原子力国際専攻、印刷p.工-69〜工-71
- 教育カリキュラム
東京大学大学院工学系研究科 原子力国際専攻|資料:2026-08-28|確認:2026-08-28|参照箇所:科目の4区分、講義言語、学位審査、年1回の英語発表
- 工学系研究科及び各専攻における教育研究上の目的
東京大学大学院工学系研究科|資料:2026-08-28|確認:2026-08-28|参照箇所:原子力国際専攻の教育研究上の目的
- 専攻案内
東京大学大学院工学系研究科 原子力国際専攻|資料:2026-08-28|確認:2026-08-28|参照箇所:専攻長挨拶、教育理念、技術と社会、構想力と俯瞰力、人材像
- 原子力物理E(2026年度)
東京大学 授業カタログ|資料:2026|確認:2026-08-28|参照箇所:科目概要、授業計画、評価
- Materials and Fuels in Nuclear Systems E(2026年度)
東京大学 授業カタログ|資料:2026|確認:2026-08-28|参照箇所:科目概要、授業計画、評価、推奨する基礎科目
- 教員紹介
東京大学大学院工学系研究科 原子力国際専攻|資料:2026-08-28|確認:2026-08-28|参照箇所:4研究カテゴリ、教員の研究概要・所属・キーワード
- 研究者情報検索
東京大学|資料:2026-03-20|確認:2026-08-28|参照箇所:氏名、所属、研究分野を検索する大学公式入口
- 阿部 弘亨
東京大学|資料:2026-08-28|確認:2026-08-28|参照箇所:氏名、職名、所属
- 酒井 幹夫
東京大学|資料:2026-08-28|確認:2026-08-28|参照箇所:職名、所属、専門、研究テーマ、キーワード
- 島添 健次
東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻|資料:2026-03-06|確認:2026-08-28|参照箇所:職名、バイオイメージング、医学量子イメージング、研究テーマ
- エネルギーシステムの将来像―大規模数理モデルで拓く社会の羅針盤
東京大学工学部 システム創成学科|資料:2025-08-12|確認:2026-08-28|参照箇所:小宮山涼一教授、3E、エネルギー・電力システム数値分析
- TEM-EELS analysis reveals the W-atom mediated radiation-induced amorphization in M23C6
Journal of Nuclear Materials|資料:2025-01|確認:2026-08-28|参照箇所:原著論文の書誌、方法、要旨
- On Fostering Predictions in Data-Driven Reduced Order Model for Eulerian–Lagrangian Simulations: Decision of Sufficient Training Data
Journal of Chemical Engineering of Japan|資料:2024-02-22|確認:2026-08-28|参照箇所:原著論文の書誌、要旨、著者所属
- An energy-resolving photon-counting X-ray detector for computed tomography combining silicon-photomultiplier arrays and scintillation crystals
Communications Engineering|資料:2024-11-25|確認:2026-08-28|参照箇所:原著論文の書誌、装置構成、性能検証
- Temporally detailed modeling and analysis of global net zero energy systems focusing on variable renewable energy
Energy and Climate Change|資料:2023-12|確認:2026-08-28|参照箇所:原著論文の書誌、モデル、入力・制約、要旨