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出典付き・公開プレビュー

第4章 専門試験範囲、過去問の公開境界、独自練習

東京大学 大学院医学系研究科 国際保健学専攻(修士課程)の院試対策講座から、大学が公表した2027年度試験範囲と、ウェブ非公開の過去問本文を分け、本書独自問題に読み方から失点例まで付けます。

対象年度
2027年度
公式情報確認
2026年8月24日
公開本文
2,635
参照資料
6
01

分野別試験範囲を4答案の組合せへ変える

志望分野2題と他分野2題を選ぶため、隣接分野を早めに決めます。

大学公式の事実

大学公式の事実:2027年度に公表された試験範囲

募集要項・入学試験案内・規則等に明記された範囲です。

国際保健政策学は、基礎数学・統計、データ解釈、気候変動、大気汚染、疾病負担、保健システム、ガバナンス等を範囲とし、選択、短答、論述を含みます。人類遺伝学はhuman genetics、cancer genomics、epigenetics、発達医科学は公衆衛生・疫学、微生物学、免疫学、実験方法、母子・国際保健を挙げます。生物医化学は生化学、分子生物学、細胞生物学、国際環境保健学は基礎統計・疫学、環境疫学の統計手法、国際環境保健が中心です。

これは2027年度試験範囲であり、実施済み問題そのものではありません。志望分野から基礎1題と専門1題の両方に答え、他分野から2題を選ぶので、志望分野だけの暗記では4答案をそろえられません。

本書の提案

本書の提案:他分野2題を選ぶ基準

大学が指定する答案や手順ではなく、公開資料に基づく本書の提案です。

他分野は「易しそうな分野」ではなく、志望分野と共通する方法をもつ分野から二つ選ぶことを提案します。国際保健政策学志望なら、国際環境保健学の疫学・曝露評価、人類生態学の人口・栄養・地域適応を候補にできます。人類遺伝学志望なら、生物医化学の分子・細胞生物学、発達医科学の微生物・免疫・実験法がつながります。

各候補について、基礎概念10個、図表読解3題、600~1,000字の論述3題を準備し、48時間の模擬試験で四答案を完成させます。資料を参照できても、問いを分解し、根拠を選び、自分の言葉に直し、引用元を管理する時間は必要です。

02

公式過去問について言えること・言えないこと

販売案内をウェブ公開と取り違えず、問題・解答・出題意図・作問者を作りません。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:ウェブ上の過去問本文・解答・作問者

2026年8月24日時点の公開一次資料では確認できないため、推測で補っていません。

医学系研究科の公式入試ページは、過去の入試問題を東京大学文学部複写センターで販売すると案内しています。しかし、研究科と専攻のウェブサイトには、国際保健学専攻修士課程の実施済み問題本文、実施年度別の問題番号、大学公表の解答例、採点基準、出題意図を掲載していません。本章の制作時点では販売物を購入していないため、一問ずつ説明できる根拠がありません。

作問者も大学は公表していません。試験範囲と教員の専門が近いという理由だけで作問者を推定しません。実際の問題を入手した後に分析する場合は、実施日、課程、入試区分、志望分野、問題番号を特定し、問題文、大学公表情報、本書の解説を分けます。

03

本書独自練習:気温と死亡の比較を読み解く

公式問題を装わず、数値の読み方、答案構成、解答例、用語、失点例を一組で示します。

本書の提案

本書の提案:独自問題と問題文の読み方

大学が指定する答案や手順ではなく、公開資料に基づく本書の提案です。

これは大学が公表した過去問ではありません。2027年度に同じ問題が出ると予測するものでもありません。本書が、国際保健政策学・国際環境保健学のデータ解釈を練習するために作った問題です。

独自問題:同じ国の都市Aと都市Bについて、夏季の日最高気温が各都市の最小死亡気温より5℃高い日と、最小死亡気温の日を比較した。都市Aの死亡率比は1.20(95%信頼区間1.10~1.31)、都市Bは1.05(0.96~1.15)であった。都市Aでは高齢者割合が30%、冷房普及率が65%、都市Bでは各15%、90%である。結果を解釈し、「都市Aは高齢化のため熱に弱い」と結論する際の問題点と、追加分析を800字程度で述べなさい。

最初に各都市の点推定値と信頼区間を読み、都市内の関連と都市間差を分けます。次に、高齢者割合と冷房普及率が都市単位の二変数だけであり、個人の年齢・冷房利用・所得を示さない点を拾います。最後に、気温―死亡曲線、遅延効果、季節・大気汚染、年齢層別推定、都市間差の統計的検定を追加します。

本書の提案

本書の提案:答案の組み立て

大学が指定する答案や手順ではなく、公開資料に基づく本書の提案です。

800字なら、①観察結果、②言える範囲、③高齢化という説明の限界、④追加分析、⑤政策上の読み方の五段落にします。

第一段落でAは死亡率比1.20で信頼区間が1を上回る一方、Bは1.05で区間が1をまたぐと書きます。第二段落で、これは各都市内の特定温度比較であり、AとBの効果差が統計的に確認されたことを意味しないと述べます。第三段落で生態学的誤謬、冷房、所得、医療アクセス等の交絡を示します。第四段落で年齢層別・個人属性別、冷房との交互作用、分布ラグ非線形モデル、都市×気温項を提案します。第五段落で、確実性と不確実性の両方を示して暑熱対策へ結びます。

本書の提案

本書の提案:具体的な解答例

大学が指定する答案や手順ではなく、公開資料に基づく本書の提案です。

都市Aでは、高温日に死亡率が最小死亡気温の日より20%高く、95%信頼区間は1.10~1.31である。都市Bの点推定値は5%増だが、区間は0.96~1.15で1を含む。ただし、Aで関連が統計的に明瞭でBでは明瞭でないことだけから、両都市の気温効果が異なるとは言えない。都市間差を直接検定する必要がある。

また、高齢者割合は都市単位の指標であり、高温日に死亡した個人が高齢者だったか、各人が冷房を使えたかは分からない。「高齢化が原因」と断定すると生態学的誤謬になる。所得、住宅、緑地、大気汚染、医療アクセス等も気温影響と都市特性の双方に関係し得る。

追加分析では、同じ定義と期間で年齢別の気温―死亡曲線を推定し、都市、年齢、気温の交互作用を評価する。気温の遅延効果と非線形性を分布ラグ非線形モデルで扱い、湿度、季節、長期傾向、大気汚染を調整する。個人または小地域の冷房・住宅・所得情報を結び、効果修飾を検討する。結果は絶対的な超過死亡数も示し、Aの高齢者や冷房を利用しにくい集団への警報・住宅支援を検討しつつ、因果機序は追加検証が必要と記す。

本書による説明

本書による説明:用語を事例に結び付ける

複数の一次資料を受験生が比較しやすい形に言い換えた本書の説明です。

死亡率比は、基準条件に対する死亡率の比です。1.20は20%高いことを表します。95%信頼区間は、同じ設計で推定を繰り返すときの推定精度を示す区間で、単に「真値が95%の確率で入る」とは定義しません。交絡は、気温影響と都市特性の説明の両方に関係する別要因が、見かけの関係を作ることです。効果修飾は、年齢や冷房利用によって気温の影響の大きさが変わることです。生態学的誤謬は、都市単位の関係を個人の関係として推論する誤りです。

用語を並べるだけでなく、「都市Aの高齢者割合だけでは個人の死亡を説明できない」のように、この事例のどこに当たるかを書きます。

本書の提案

本書の提案:失点しやすい書き方

大学が指定する答案や手順ではなく、公開資料に基づく本書の提案です。

第一の失点は、Aの信頼区間が1をまたがず、Bがまたぐことを見て、「AとBには有意差がある」と書くことです。各都市の基準との差と、都市間の効果差は別の検定です。第二は、高齢者割合30%と15%だけで個人レベルの原因を断定することです。第三は、交絡、非線形、遅延という語を挙げても、どの変数をどのモデルで扱うかを書かないことです。

第四は、相対指標だけで政策を決めることです。人口が大きい都市では小さな死亡率比でも超過死亡数が多い場合があります。第五は、研究上の不確実性を理由に対策を何も提案しないことです。観察結果から支持できる暫定対策と、原因を絞る追加分析を同時に書きます。

REFERENCES

この章で確認した一次資料

公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。