第4章 教員・研究者情報・論文を一つの研究相談へ変える
東京理科大学 大学院 創域理工学研究科 専攻選択・共通出願ガイドの院試対策講座から、募集要項のコードから研究内容へ進み、メールで相談できる具体性まで高めます。
- 執筆・編集
- 院試クラウド編集部
- 公開日
- 最終更新
- 対象年度
- 2027年度
- 公式情報確認
- 公開本文
- 1,158字
- 参照資料
- 3件
教員を読む順序
募集対象、専門、最近の研究、相談内容を分離します。
本書の提案:募集要項、RIDAI、論文の順に読む
複数の一次資料を研究相談へ使うための本書の手順です。
最初に2027年度募集要項で教員名と研究分野コードを確かめます。次にRIDAIや大学公式研究室紹介で所属、研究キーワード、装置やデータを読みます。最後にTUS Pureや出版社の原著論文を一つ選び、対象、方法、測定量、結果を四行で要約します。この順なら、研究内容が近くても募集対象に載らない教員を相談先と誤認しにくくなります。
大学公式の事実:幸村孝由教授は先端物理学L02に掲載される
募集対象コードと現行の大学公式研究者情報を照合した事実です。
2027年度募集要項は幸村孝由教授を先端物理学専攻L02「宇宙物理学(実験)」に掲載します。大学公式研究者情報では、ブラックホールなど高密度天体のX線観測と、宇宙望遠鏡用X線CCD・CMOS、放射線耐性、医用放射線イメージングセンサーの開発を研究内容として示しています。
本書による説明:論文の対象・測定量まで読むと相談が具体的になる
原著論文の書誌と測定内容を18歳向けに本書が説明しています。
2024年の原著論文は、チップ上ADCを備えたX線SOI画素検出器XRPIXについて、非線形性、入力雑音、5.9 keVのX線に対するエネルギー分解能を実測しました。ADCはセンサーの電気信号を数値へ変える回路、エネルギー分解能は近いエネルギーのX線をどれだけ見分けられるかの尺度です。論文を読む目的は、入試問題を予想することではなく、自分の問いと装置・測定法の接点を言葉にすることです。
本書の提案:相談メールは問い・対象・方法・論文との接点を書く
出願前相談を具体化する本書独自の文面設計です。
件名には2027年度修士課程の出願前相談、氏名、所属大学を入れます。本文は、検討中の専攻、研究上の問い、卒業研究で扱う対象と方法、読んだ公式プロフィールや論文で理解した点、自分の問いとの接点、研究概要一ページの有無を短く書きます。「AIを研究したい」「宇宙が好き」だけで終えず、教員に何を相談したいのかを一文にします。これは大学指定様式ではありません。
大学が公表していない情報:担当科目、設備利用、空席、個別テーマの可否は分からない
教員一覧とプロフィールが保証しない事項を示しています。
募集要項に氏名が載っていても、2027年度に幸村教授が担当する個別科目、特定装置を入学者が必ず利用できるか、教員別の受入可能人数、現在の空席、受験生ごとの研究テーマを指導できるか、返信までの日数は、この資料群からは分かりません。研究分野が近いことを受入承諾と読み替えず、本人との相談結果を待ちます。返信がない場合も、可否を本書が推定しません。
本書の提案:相談後に一枚へ残す項目
相談内容を出願情報へ反映するための本書の整理法です。
相談後は、専攻名とコード、教員名と研究分野コード、相談日、扱える研究対象、必要な基礎科目、研究室で使えると説明された方法、追加で読む資料、出願までの宿題を一枚にまとめます。口頭で聞いた内容は大学全体の制度へ一般化せず、自分の相談記録として扱います。募集要項の記載と食い違う場合は、入試担当窓口へ該当箇所を示して照会します。
本書の提案:原著論文を四文で説明してから連絡する
論文を読んだ事実と自分の希望を混同しないための本書の要約法です。
一文目に研究対象、二文目に測定・計算方法、三文目に得られた結果、四文目に結果が成り立つ条件や限界を書きます。XRPIXの例なら、X線画素検出器、チップ上ADCの実測、雑音とエネルギー分解能、特定素子・測定条件という順です。要旨の語句を並べるだけでなく、「自分はどの測定量または方法を引き継ぎたいか」を最後に一文加えます。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- 2027年度 修士課程一般入学試験 募集要項(8月3日更新版)
東京理科大学|資料:2027年度入試・2026-08-03更新版|確認:2026-09-01|参照箇所:PDF p.7–18、p.22–23、p.28、p.33以降。10専攻、定員、日程、科目、事前相談、専攻コード、教員・研究分野コードを目視確認。
- 幸村孝由教授 RIDAI研究者情報
東京理科大学|資料:現行プロフィール|確認:2026-09-01|参照箇所:X線天文学、高密度天体、宇宙望遠鏡用X線CCD・CMOS、放射線耐性、医用放射線イメージングセンサーを確認。募集要項L02と照合。
- Evaluation of the X-ray SOI pixel detector with the on-chip ADC
Elsevier|資料:2024|確認:2026-09-01|参照箇所:Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A。XRPIXの非線形性、入力雑音、5.9 keVでのX線エネルギー分解能を実測した原著論文。