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出典付き・公開プレビュー

第3章 2027年度受入教員43人と、5つの研究候補

東京大学 大学院工学系研究科 物理工学専攻 修士課程・博士後期課程の院試対策講座から、全受入単位を示した上で、理論・物質合成・分光・量子計測・X線顕微鏡の5候補を一次資料から比較します。

対象年度
2027年度
公式情報確認
2026年8月28日
公開本文
4,140
参照資料
20
01

43人は39の受入単位として数える

共同受入4組を二重に数えず、案内掲載順で全員を確認します。

大学公式の事実

大学公式の事実:39受入単位、43人、共同受入4組

2027年度物理工学専攻入試案内p.6~14の全受入教員を、掲載順と共同受入を保って転記・整理しました。

2027年度案内は、次の教員が本年度に大学院学生を受け入れると明記しています。掲載順は次のとおりです。

物性理論・計算物理:沙川貴大/布能謙(共同)、村上修一、求幸年、小林良平、Gong Zongping、高三和晃、奥村駿。

先端物質創成:十倉好紀/上田健太郎(共同)、木村剛、塚﨑敦、長谷川達生、ヒルシュベルガー マックス、藤代有絵子、西早辰一。

量子物性:石坂香子、齊藤英治、山本倫久、佐藤拓朗、末次祥大、高橋陽太郎。

物理情報・光量子:香取秀俊/牛島一朗(共同)、小芦雅斗、中村泰信、武田俊太郎、吉岡孝高、鈴木泰成(委嘱)。

先端科学技術研究センター:関真一郎/岡村嘉大(共同)。

物性研究所:小林洋平、古府麻衣子、井手上敏也、遠藤護、木村隆志、小濱芳允、島崎佑也、中島多朗。

生産技術研究所:芦原聡、金澤直也、古川亮、森竹勇斗。

共同受入4組を一単位ずつ数えると39受入単位、連名の二人目も人数に入れると43人です。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:個人別の課程可否と研究室別人数

2026年8月28日時点で大学が公表していない個別条件を推測で補っていません。

専攻案内は43人を「大学院学生」の受入教員として共通掲載し、個人ごとに「修士だけ」「博士だけ」と分けていません。研究室別の受入人数、共同受入の指導分担、第8志望までの順位を配属にどう使うかも公表されていません。教員一覧に載るだけで2027年度受入可とはせず、必ず専攻案内を根拠にします。

本書の提案

本書の提案:比較する5候補の選び方

大学の推薦順位ではなく、研究方法を比較しやすくする本書の編集上の選定です。

以下では、専攻の幅を比べるため、沙川貴大、木村剛、石坂香子、香取秀俊、木村隆志の5人を詳しく扱います。理論、物質合成、電子分光、原子時計、X線顕微鏡という方法の違いが見えるためです。

この5人を、人気、合格しやすさ、代表性で順位付けする大学資料はありません。5人の選定は、本書の編集上の提案です。

02

沙川貴大教授/布能謙講師:情報と熱力学を結ぶ

理論研究と実験共同研究を区別し、何を数式で予測する研究かを考えます。

大学公式の事実

大学公式の事実:共同受入、情報熱力学、非平衡、量子制御

2027年度受入案内と東京大学公式プロフィールに書かれた範囲です。

2027年度は、沙川貴大教授と布能謙講師が共同で大学院学生を受け入れます。沙川教授の東京大学公式プロフィールは、専門を数理物理学・物性基礎、研究テーマを情報熱力学としています。専攻案内は、熱力学と情報の関係、情報処理の速度とエネルギー費用、古典確率過程、量子制御、幾何学・トポロジーを使う熱機関などを挙げます。

大学公式の事実

論文で確認できる研究例:浮揚ナノ粒子の量子加速度センシング

大学の研究発表、研究室論文一覧、論文情報に書かれた研究例です。共同研究の範囲を一研究室へ一般化していません。

2026年のPhysical Review Letters論文では、光で直径約300nmの粒子を浮かせ、量子基底状態に近い状態まで冷却した後、光の強さを急に変えて加速度に敏感な状態を作りました。大学発表は、加速度感度を従来比で2桁高めたと説明します。DOIは10.1103/js43-kq48です。

これは理学系の実験研究者を含む共同研究です。沙川・布能研究室だけが同じ実験装置を保有する、入学者全員が装置を使う、という資料ではありません。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:個人名付き授業と計算資源の利用条件

確認できない授業名・設備条件を推測で補っていません。

2026年度便覧で、沙川教授個人の名前が付いた物理工学専攻科目は今回確認できませんでした。便覧には「各教員」が担当する輪講・実験・研究指導科目がありますが、特定の講義名や担当回は作りません。理論研究で使う計算機、ソフトウェア、計算資源の学生利用条件も公表資料から確認できません。

本書の提案

本書の提案:対象・情報・評価量を一文で結ぶ

大学指定の研究計画書式ではなく、公開研究テーマを具体化する本書の提案です。

志望理由では「量子情報に興味がある」で止めず、どの物理系を対象にし、何を情報として扱い、速度・仕事・熱・誤差のどれを評価したいかを書きます。実験共同研究を望むなら、理論が何を予測し、実験が何を測れば反証または検証できるかを分けてください。

03

木村剛教授:結晶を作り、対称性の破れを測る

物質設計から結晶育成、測定、物理的解釈までの流れを確認します。

大学公式の事実

大学公式の事実:先端物質創成、フェロイック秩序

2027年度受入案内と東京大学公式プロフィールに書かれた範囲です。

木村剛教授は、2027年度の先端物質創成分野に単独の受入教員として掲載されています。研究は、強磁性・強誘電性を広げたフェロイック秩序を、物質の対称性の破れから調べるものです。専攻案内は、学生が物質設計、試料合成、単結晶育成、物性の精密測定まで一貫して行うと説明します。

大学公式の事実

大学公式の事実:2026年度「物質科学」

2026年度工学系研究科便覧に記載された担当です。2027年度の担当保証ではありません。

2026年度便覧では、木村教授は「物質科学」を担当します。S1S2、2単位、英語による講義で、理学系研究科・新領域創成科学研究科との共通科目です。これは2026年度情報であり、2027年度も同じ担当だとは断定しません。

大学公式の事実

論文・設備で確認できる研究:NiTiO3と結晶育成・物性測定

大学の研究発表と研究室設備ページに書かれた、研究成果と装置名の範囲です。

2026年のPhysical Review Letters論文は、空間反転対称性を持つ非磁性結晶NiTiO3で、フェロアキシャル秩序によりラマン光学活性が現れる仕組みを示しました。木村教授が著者で、DOIは10.1103/wrv8-4f7kです。

研究室は、電気炉、集光型・レーザー型の浮遊帯域溶融装置、X線回折装置、ラウエX線装置、物理特性測定装置PPMSを公開しています。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:木村剛研究室の装置利用条件

研究室が装置を公表していても、学生の個別利用条件は公表されていません。条件を推測で補っていません。

公開資料では、装置の台数、利用講習、予約方法、保守分担、大学院生が単独操作できる時期を確認できません。掲載された装置を、入学直後から全員が自由に使えるとは断定しません。

本書の提案

本書の提案:作る・測る・判断するをつなぐ

大学指定の研究計画ではなく、公開研究内容から作った本書の具体化手順です。

志望計画では、調べたい対称性、候補物質、合成・結晶育成の方法、秩序を検出する測定、予想と違う結果が出たときの判断を一続きにします。「新物質を作りたい」だけでなく、何を測れば新しい秩序だと言えるかまで書いてください。

04

石坂香子教授:電子の状態をエネルギー・運動量・時間・空間で測る

光電子分光と超高速電子顕微鏡を、測れる量から理解します。

大学公式の事実

大学公式の事実:量子物性、光電子分光、超高速電子顕微鏡

2027年度受入案内と東京大学公式プロフィールに書かれた範囲です。

石坂香子教授は、2027年度の量子物性分野の受入教員です。東京大学公式プロフィールは、光電子分光、レーザー、超伝導、強相関電子系、超高速分光を専門として挙げます。専攻案内は、角度分解光電子分光と超高速時間分解電子顕微鏡を組み合わせ、二次元原子層、トポロジカル超伝導、非平衡状態をナノメートル・超高速の尺度で調べると説明します。

大学公式の事実

大学公式の事実:2026年度の二つの担当授業

2026年度工学系研究科便覧に記載された担当です。2027年度の担当保証ではありません。

2026年度便覧では、石坂教授は「物理工学実験技法(B)」をS1S2、2単位、日本語・英語で担当し、「凝縮系物理学入門」をS1S2、2単位、英語で担当します。2027年度の担当はまだ確認できません。

大学公式の事実

論文で確認できる研究:ねじれ二層WSe2の三次元構造

研究室の公式論文一覧、論文要旨、研究室公式サイトで確認できる研究例です。2027年度の指導テーマを一論文から決めつけていません。

2026年のAdvanced Materials論文は、自動暗視野電子トモグラフィーで、ねじれ角0.1度以下の二層WSe2の三次元構造を調べました。二層の間隔がバルク結晶より0.1オングストロームを超えて広がり、光を当てるとピコ秒の時間尺度で約0.2オングストローム広がると報告します。1オングストロームは0.1ナノメートルです。DOIは10.1002/adma.74111です。

研究室は、レーザー、放射光、電子分光、電子回折を組み合わせ、測定装置そのものも開発すると説明します。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:石坂研究室の装置・放射光利用条件

研究室が研究方法を公表していても、学生の個別利用条件は公表されていません。条件を推測で補っていません。

公開資料では、装置台数、利用講習、ビームタイムの割当、学外放射光施設の申請手続、大学院生の操作範囲を確認できません。研究室が方法や装置を公表していることと、個々の学生が自由に利用できることを同一視しません。

本書の提案

本書の提案:測りたい物理量から装置を選ぶ

大学指定の研究計画ではなく、公開研究内容を具体化する本書の提案です。

対象物質、知りたい電子状態、必要なエネルギー・運動量・時間・空間の分解能、使う測定法、得られる信号を順に結びます。「最先端の顕微鏡を使いたい」ではなく、その装置でなければ答えられない問いを示してください。

05

香取秀俊教授/牛島一朗講師:原子を時計として使う

レーザー冷却、光格子、分光、時計の連続性を分けて理解します。

大学公式の事実

大学公式の事実:共同受入、光格子時計、量子計測

2027年度受入案内、東京大学公式プロフィール、研究室公式サイトに書かれた範囲です。

2027年度は、香取秀俊教授と牛島一朗講師が共同で大学院学生を受け入れます。香取教授の公式プロフィールは、量子エレクトロニクス、量子計測、光格子時計を研究テーマとし、レーザー冷却、極低温原子衝突、量子情報、相対論的測地学をキーワードに挙げます。専攻案内は、極低温原子、物理定数の測定、時計を基盤とする量子計算、原子波光学・原子チップまで含めています。

大学公式の事実

論文で確認できる研究:連続原子流で1.2Hz幅のラビ分光

大学の研究発表、研究室公式サイト、研究成果一覧に書かれた範囲です。完成済みの商品や学生の自由利用とは表現していません。

2026年のNature Communications論文では、光格子に捕まえた原子を連続して運びながら分光し、1.2Hz幅のスペクトルを得ました。原子を準備する間も計測を止めない光格子時計へ向けた研究です。DOIは10.1038/s41467-026-76017-1です。

研究には原子を冷却・捕捉するレーザー、移動光格子、時計遷移を調べる分光系が使われます。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:香取・牛島共同受入の装置利用と指導分担

研究内容と共同受入は公表されていますが、学生の個別利用条件と二教員の指導分担は公表されていません。

公開資料では、レーザーの型式、実験室の利用時間、安全講習、大学院生が装置を担当する時期、香取教授と牛島講師の指導分担を確認できません。共同受入であることから、二人の分担を本書が一律に決めません。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:2026年度の個人名付き専攻科目

確認できない授業名・担当回を推測で補っていません。

2026年度便覧で、香取教授個人の名前が付いた物理工学専攻科目は今回確認できませんでした。「各教員」と書かれた輪講・実験・研究指導科目はありますが、個別回の担当は分かりません。確認できない授業名を作りません。

本書の提案

本書の提案:時計の何を改善するのかを一つ選ぶ

大学指定の研究計画ではなく、公開研究内容を具体化する本書の提案です。

時計の「正確さ」「短時間での安定さ」「止めずに測る連続性」「小型化」「量子情報への利用」を分けます。原子種、測定方法、主要な雑音、比較対象を一つずつ決めると、研究目的が具体的になります。

06

木村隆志准教授:軟X線と計算で見えない構造を像にする

大型施設、X線光学素子、レンズレス再構成を、利用条件と分けて説明します。

大学公式の事実

大学公式の事実:物性研究所、X線顕微鏡、レンズレス像再構成

2027年度受入案内と東京大学物性研究所の公式研究室ページに書かれた範囲です。

木村隆志准教授は、2027年度案内の物性研究所の受入教員です。物性研究所公式ページは、木村准教授が工学系研究科物理工学専攻を担当し、X線自由電子レーザー、放射光、高次高調波、超精密X線光学素子、レンズを使わず計算で像を戻す方法を研究すると説明します。

大学公式の事実

論文で確認できる研究:磁気モーメント像と細胞の化学地図

物性研究所の公式研究室ページと公式研究発表に書かれた研究例です。

研究室公式ページは、2026年のAPS Open Science論文として、軟X線の二色性と分光タイコグラフィーを使い、表面下の超薄膜にあるスピン磁気モーメントと軌道磁気モーメントを定量画像化した研究を掲載します。DOIは10.1103/wx13-wgp7です。

2025年のApplied Physics Letters論文では、軟X線分光タイコグラフィーで哺乳類細胞の窒素・酸素の化学状態を元素ごとに画像化しました。DOIは10.1063/5.0237804です。

大学公式の事実

大学公式の事実:SPring-8、SACLA、CARROT

施設・装置・成果について大学公式資料に書かれた範囲です。

研究室はSPring-8のBL07LSUに軟X線タイコグラフィ装置CARROTを構築し、複数波長で約50nmの像を得られると説明します。SPring-8とSACLAは兵庫県の大型施設で、東京大学本郷キャンパス内の設備ではありません。武田先端知スーパークリーンルームとSPring-8を組み合わせた成果例もあります。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:木村隆志研究室の大型施設利用条件

研究室による施設利用実績は公表されていますが、学生の個別利用条件は公表されていません。

公開資料では、大学院生の利用申請、ビームタイム、旅費、安全教育、クリーンルーム講習、担当できる実験・加工工程を確認できません。入学すればSPring-8、SACLA、クリーンルームを自由に使えるとは断定しません。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:2026年度の個人名付き専攻科目

確認できない授業名・担当回を推測で補っていません。

2026年度便覧で、木村隆志准教授個人の名前が付いた物理工学専攻科目は今回確認できませんでした。「各教員」と書かれた輪講・実験・研究指導科目への関与は確認できますが、特定の講義名や担当回は作りません。2027年度の担当科目も未公表です。

本書の提案

本書の提案:試料・信号・分解能・再構成をつなぐ

大学指定の研究計画ではなく、公開研究内容を具体化する本書の提案です。

対象試料、見たい元素・磁気・構造、必要な空間・時間分解能、X線波長、光学素子、像再構成の方法を順に結びます。大型施設を使うこと自体を目的にせず、なぜ研究室内の可視光顕微鏡や電子顕微鏡では答えにくいのかを説明してください。

REFERENCES

この章で確認した一次資料

公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。