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第4章 11試験分野と論文課題の読み方

東京大学 大学院工学系研究科 社会基盤学専攻の院試対策講座から、別紙2の範囲を専門用語の羅列で終わらせず、現象・モデル・データ・限界へ結びつけます。

対象年度
2027年度
公式情報確認
2026年8月28日
公開本文
1,648
参照資料
7
01

交通工学・空間情報・計算科学

人の動き、位置データ、数値計算を区別します。

大学公式の事実

大学公式:交通工学の範囲

専攻案内別紙2の分野1に列挙された範囲です。

交通工学は、交通計画・政策・行動・経済、交通量配分、交通流、シミュレーション、サービス、物流、公共交通の最適化等を含みます。

大学公式の事実

大学公式:空間情報の範囲

専攻案内別紙2の分野2です。

空間情報は、測地系、誤差調整、測量、GNSS、写真測量、レーザー測量、GIS、計算幾何、時空間データの処理・管理、リモートセンシング、画像解析等を含みます。

大学公式の事実

大学公式:計算科学の範囲

専攻案内別紙2の分野3に列挙された範囲です。

計算科学は、数値計算の基礎、モデリング、アルゴリズム、数値積分・微分・補間、固有値、関数展開、有限差分法、有限要素法、方程式解法、直交性、疎行列等を含みます。

本書による説明

本書の説明:分野名を高校までの言葉へ置き換える

公式の試験範囲を18歳にも理解しやすい言葉でまとめ直した本書の説明です。大学による分野定義そのものではありません。

交通工学は人・車・荷物の動きと選択、地盤工学は水を含む土の変形と強さ、構造工学は力を受ける部材の変形・振動・安全、コンクリート工学は材料反応から施工・維持管理、防災工学は自然現象から情報・制度・人の行動までを扱う、と考えると入口をつかみやすくなります。

02

水理学・水文学

流れの方程式と地球の水循環を分けます。

大学公式の事実

大学公式:水理学の範囲

専攻案内別紙2の分野4です。

水理学は、質量・運動量の保存と支配方程式、静水圧、自由表面を持つ流れ、波、津波、高潮、抵抗と損失、波・流れ・構造物の相互作用等を含みます。

大学公式の事実

大学公式:水文学の範囲

専攻案内別紙2の分野5に列挙された範囲です。

水文学は、地球上の水の分布、大気と陸面、降雨流出、気候変動の影響と対策、水災害、水資源、流域管理等を含みます。

本書による説明

本書の説明:水理は局所、水文は循環という入口

二つの公式範囲の違いを学び始めるための本書の説明です。

水理学は水の圧力・速度・波を方程式で追う入口、水文学は雨・蒸発・河川・地下水を流域や地球規模で追う入口です。実研究では海岸災害や洪水のように両者が重なります。

03

地盤・構造・コンクリート

材料、部材、地震を異なる尺度で見ます。

大学公式の事実

大学公式:地盤工学の範囲

専攻案内別紙2の分野6に列挙された範囲です。

地盤工学は、土の性質、圧密、せん断、締固め、透水、液状化、盛土、擁壁、斜面、支持力、室内・現位置試験等を含みます。

大学公式の事実

大学公式:構造工学の範囲

専攻案内別紙2の分野7に列挙された範囲です。

構造工学は、梁・柱、エネルギー原理、安定、連続体の基礎、構造設計、信頼性、振動、耐震等を含みます。

大学公式の事実

大学公式:コンクリート工学の範囲

専攻案内別紙2の分野8に列挙された範囲です。

コンクリート工学は、材料・配合・フレッシュ性状・施工、水和・初期材齢・耐久性、硬化コンクリート、構造力学、維持管理等を含みます。

04

マネジメント・国際、デザイン・計画、防災

技術を社会で実行する条件を扱います。

大学公式の事実

大学公式:マネジメント・国際プロジェクトの範囲

専攻案内別紙2の分野9です。

分野9は、プロジェクト管理、調達・契約、産業政策、AI・ICT、ゲーム理論、経済開発とインフラ、移住・貿易・開発、FDI、ODA、実証・政策分析等を含みます。

大学公式の事実

大学公式:景観・土木デザイン・都市計画の範囲

専攻案内別紙2の分野10です。

分野10は、景観の概念と分析、土木デザインの目的・方法、構造物・公共空間、都市計画の制度・技術・歴史、土地利用、復興等を含みます。

大学公式の事実

大学公式:防災工学の範囲

専攻案内別紙2の分野11に列挙された範囲です。

分野11は、ハザードの仕組み、リスク評価、防災計画・制度・対策、国際戦略、災害情報、リスクコミュニケーション等を含みます。

05

現行出題例のQ1・Q2・Q3

基礎、方法、限界を三段階で説明します。

大学公式の事実

大学公式:Q1は基礎と背景、Q2は方法と結果

2026年5月公開の現行形式出題例です。実施問題そのものではありません。

現行出題例は、英語のオープンアクセス論文1本を読み、Q1で分野の基礎知識と研究背景、Q2で方法、結果、仮定、処理過程を説明する構造を示します。

大学公式の事実

大学公式:Q3は限界・改善・社会適用

現行出題例のQ3に示された論点です。

Q3では、論文の限界や適用条件、改善案、社会への応用を論じます。

大学公式の事実

大学公式:各問の長さと口頭確認

現行出題例に示された解答量・表現・口頭試問の範囲です。

各問は日本語500〜1,000字または英語250〜500語が目安で、必要に応じ図や式を用います。口頭では論文理解に加え、選択分野の基礎と応用を確認し、ホワイトボード等を用いる場合があります。

本書による説明

本書の説明:Q3は結論の要約より一段先を問う

現行出題例のQ3を学習用に言い換えた本書の説明です。大学による模範解答ではありません。

限界とは、データ、仮定、対象地域、時間尺度などにより、結論が成立する範囲を区切ることです。改善案や社会適用を書くときも、何を変えると結果がどう変わり得るかまで説明すると、Q3の要求を整理しやすくなります。

06

本書独自の論文読解練習

大学公表問題と混同しない練習です。

本書の提案

本書の提案:七欄で論文を読む独自問題

大学公表の入試問題ではない、本書独自の読解課題です。

この本書独自練習は、大学が公表した過去問ではなく、現行出題例の構造を使う練習です。任意の原著論文について、背景、問い、仮定、方法、データ、結果、限界を各二文で記入してください。

本書の提案

本書の提案:答えを主張・根拠・条件で組む

大学の公式採点基準ではなく、本書が勧める解答構造です。

各設問の第一文で結論を置き、次に論文中のデータや式を根拠として示し、最後に成立条件または限界を書く三段構造を使ってください。

本書の提案

本書の提案:独自解答の例

CE-25を題材に本書が作成した独自解答で、大学公表の模範解答ではありません。

例として「このモデルは急斜面で沖向き土砂移動が優勢となる機構を表す。波形、移動限界、斜面効果を含み、富士海岸の観測で年平均損失を検証した。ただし較正係数と対象海岸条件があるため、別海岸への適用には再検証が要る」とまとめます。

本書による説明

本書の説明:方法を五つの部品へ分ける

四つの原著論文の記述を横断して本書が整理した用語です。

論文の方法は、対象、入力、モデルまたは操作、出力、検証へ分けると見通しがよくなります。交通の最適化、海岸の土砂移動、材料の分析、地震の有限要素計算にも共通して使える読解語です。

本書の提案

本書の提案:よくある崩れ方を点検

公式の減点表ではなく、本書独自練習の点検項目です。

背景だけを長く書く、結果と著者の解釈を混ぜる、仮定を書かない、限界を単なる感想にする、図や式の変数を定義しない、という五点を提出前に点検してください。

REFERENCES

この章で確認した一次資料

公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。