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第1章 二つの修士プログラムと修了までの道筋

東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 修士課程の院試対策講座から、同じ修士課程の中にある一貫研究プログラムと修士修了プログラムを分け、学位、30単位、研究指導、QEの位置を整理します。

対象年度
2027年度
公式情報確認
2026年8月28日
公開本文
2,902
参照資料
9
01

出願時に二つのプログラムから一方を選ぶ

博士進学を前提にした制度と、二年間で修士号を目指す制度は、試験も提出物も同じではありません。

大学公式の事実

大学公式の事実:化学生命工学専攻の修士課程は二つの制度から成る

大学が公表した募集要項、規則、教育資料、教員資料または入試資料に書かれた範囲です。

化学生命工学専攻は、修士課程を「一貫研究プログラム」と「修士修了プログラム」の二つに分け、志願者に出願時の選択を求めています。募集要項の専攻欄では化学生命工学専攻の募集人員を32名としていますが、二つのプログラムごとの人数は分けていません。

二つの制度で共通するのは、工学系研究科化学生命工学専攻の修士課程へ入学すること、2027年度入試では2027年4月入学と2026年10月入学が対象になることです。出願前の教員との相談、専攻追加書類、筆記試験の科目は、二つの制度で異なります。

本書による説明

本書による説明:32名を二制度へ半分ずつ割り当てない

複数の一次資料を比べ、受験生が制度、試験、研究内容を一緒に読める形へ本書が整理した説明です。

公表された32名は専攻全体の募集人員であり、制度別の人数は示されていません。そのため、一貫研究プログラム16名、修士修了プログラム16名と決めて倍率や合格可能性を計算することはできません。

大学公式の事実

大学公式の事実:一貫研究プログラムは博士号取得を目指す人向け

大学が公表した募集要項、規則、教育資料、教員資料または入試資料に書かれた範囲です。

一貫研究プログラムは、修士課程の後に博士号を取得したい学生のための制度です。専攻は、研究へ専念する特別な機会と、博士進学に向けた奨学金取得過程での優遇を説明しています。入学から約1年後に資格試験QEを受け、QEによって一貫研究プログラムを博士課程の学生として続けられる人を決めます。ただし、QE合格だけで博士課程へ自動的に移るのではなく、博士課程進学の手続は別に必要です。

このプログラムの志願者は、出願前に配属希望研究室の教員へ連絡し、出願資格や今後の計画について相談します。専攻の追加書類には、教員の直筆署名を含む受験確認書のコピーも加わります。筆記は化学生命工学基礎問題IIIで、科学英語と五分野選択の組合せではありません。

大学公式の事実

大学公式の事実:修士修了プログラムは二年間で修士号を目指す

大学が公表した募集要項、規則、教育資料、教員資料または入試資料に書かれた範囲です。

修士修了プログラムは、二年間の大学院での学習と研究を経て修士号の取得を目指します。専攻の提出書類ページは、このプログラムについて調査票と研究の要約を列挙していますが、受験確認書のコピーと必須の事前面談は列挙していません。

筆記は、英文で出る化学生命工学基礎問題I「科学英語」30分と、和文・英文を併記した化学生命工学基礎問題II 80分です。基礎問題IIは、五分野の中から二分野を選びます。募集要項は、化学生命工学専攻が独自の英語試験を課し、TOEFL、TOEICなどのスコアを受け付けないと明記しています。

本書による説明

本書による説明:修士修了プログラムへ共通TOEFL制度を移さない

複数の一次資料を比べ、受験生が制度、試験、研究内容を一緒に読める形へ本書が整理した説明です。

この専攻の修士修了プログラムでは、受験確認書と必須の事前面談が公式提出物に挙げられていない一方、専攻独自の科学英語が明記されています。他専攻のTOEFL制度や、一貫研究プログラムだけの書類を、修士修了プログラムの必須条件として加えません。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:QEの問題、合格基準、奨学金額

2026年8月28日時点で確認できる公開一次資料に記載がないため、数値、条件、問題文または人物名を推測で補っていません。

専攻はQEを入学約1年後に行うことと、その役割を説明していますが、2027年度入学者が受けるQEの問題、評価項目、合格点、合格者数は公表していません。博士進学向け奨学金についても、制度名、金額、採用人数、支給期間、採用保証までは入試ページに書かれていません。

一貫研究プログラムを選べば奨学金を必ず得られる、QEに一度不合格なら修士号も得られない、といった条件を本書は作りません。出願判断に使える確定情報は、博士号取得を目指す制度であること、出願前相談と受験確認書が必要なこと、約1年後にQEがあること、博士進学手続が別に必要なことです。

02

修士(工学)、30単位、研究指導、論文審査

入試の二制度とは別に、大学院学則と工学系研究科規則が定める修了要件を読みます。

大学公式の事実

大学公式の事実:標準二年、30単位、修士論文、最終試験

大学が公表した募集要項、規則、教育資料、教員資料または入試資料に書かれた範囲です。

東京大学大学院学則は、修士課程の標準修業年限を2年としています。修了には、所要科目を履修して30単位以上を修得し、必要な研究指導を受け、修士論文の審査と最終試験に合格することが必要です。工学系研究科規則は、これらの条件を満たした者へ修士(工学)を授与すると定めています。専攻名は化学生命工学で、規則に記された学位名は修士(工学)です。

本書による説明

本書による説明:QEと修士課程の修了要件は別に読む

複数の一次資料を比べ、受験生が制度、試験、研究内容を一緒に読める形へ本書が整理した説明です。

学位名を専攻名から推測して「修士(化学)」や「修士(生命科学)」とは書きません。一貫研究プログラムもまず修士課程へ入る制度であり、公式資料は、QEを受ければ30単位、研究指導、論文審査、最終試験が免除されるとは説明していません。

大学公式の事実

大学公式の事実:指導教員の指示で授業と研究を進める

大学が公表した募集要項、規則、教育資料、教員資料または入試資料に書かれた範囲です。

工学系研究科規則第5条は、修士課程と博士後期課程の学生が、指導教員の指示に従って授業科目を履修し、必要な研究指導を受けると定めています。第11条は、指導教員の指導を受けて指定期間内に学位論文を提出すること、第12条は、単位、研究指導、学位論文提出を満たした者に最終試験を行うことを定めています。

本書による説明

本書による説明:研究室選びは二年間の研究指導を選ぶこと

複数の一次資料を比べ、受験生が制度、試験、研究内容を一緒に読める形へ本書が整理した説明です。

大学院学則と工学系研究科規則を合わせて読むと、30単位以上の修得だけで修了する制度ではなく、指導教員の下で研究指導を受け、学位論文の審査と最終試験に合格する制度だと分かります。研究室の選択は、研究題目だけでなく、二年間の研究指導を誰から受けるかにも関わります。これは二つの規則を受験生の研究室選びに結び付けて本書が整理した説明です。

本書の提案

本書の提案:研究テーマと指導方法を分けて比較する

大学が指定した答案や唯一の準備法ではなく、公開された一次資料に基づく本書独自の解説と提案です。

候補研究室を比べるときは、研究テーマに加え、公式資料で確認できる研究方法、最近の研究、研究拠点、担当授業を書き出します。その上で、個別面談では研究題目の決め方、実験・計算・解析の進め方、研究発表と論文作成への指導方法を尋ねます。これは大学が指定する研究室選択法ではなく、修了要件を踏まえた本書の提案です。

大学公式の事実

大学公式の事実:基礎、標準、先端特論を組み合わせる

大学が公表した募集要項、規則、教育資料、教員資料または入試資料に書かれた範囲です。

専攻の大学院カリキュラムは、Aの基礎科目、Bの標準科目、Cの先端特論で構成されています。基礎科目には安全・環境化学、構造解析、機能化学基礎、知的財産戦略、化学・生命研究倫理などがあります。標準科目には有機化学、機能材料・高分子、分子生化学に関する科目があり、先端特論I~VIでは進んだ話題を扱います。多くの講義は英語で行われ、他専攻の科目も履修できます。

本書による説明

本書による説明:入試の科学英語と入学後の英語講義を分ける

複数の一次資料を比べ、受験生が制度、試験、研究内容を一緒に読める形へ本書が整理した説明です。

入試の科学英語30分と、入学後に英語で行われる講義は、同じ制度ではありません。前者では科学内容を英語で正確に表現する力が評価され、後者では英語講義や論文読解を通して専門内容を学びます。

03

五分野の試験と十九研究室を一対一で結ばない

有機化学から構造生命科学までを、研究対象、方法、場所に分けて読みます。

大学公式の事実

大学公式の事実:研究室は本郷、駒場、白金台に広がる

大学が公表した募集要項、規則、教育資料、教員資料または入試資料に書かれた範囲です。

専攻公式の研究室一覧には、本郷の相田、岡本、酒井、山東、鈴木、野崎、分子界面工学、神経細胞生物学、有機機能設計学、フッ素有機化学、駒場の西増、工藤、吉江、北條、池内、大澤、南、坪山、白金台の津本という十九研究室が掲載されています。各研究室の紹介には、分子触媒、高分子、ゲル、核酸、タンパク質、神経細胞、抗体、CRISPR、分子センサーなどの研究対象が示されています。入試の基礎問題IIで選ぶ五分野は、無機・分析・物理化学、有機化学、高分子化学、生命化学、バイオテクノロジーです。

本書による説明

本書による説明:五分野と研究室は一対一ではない

複数の一次資料を比べ、受験生が制度、試験、研究内容を一緒に読める形へ本書が整理した説明です。

入試ページは基礎問題IIの五分野を示し、研究室一覧とパンフレットは各研究室の研究対象と方法を示していますが、十九研究室を五分野のどれか一つへ割り当てる対応表は示していません。例えば、ゲル研究は高分子の合成だけでなく物理化学的な物性測定を含み、CRISPR研究は生命化学やバイオテクノロジーに加えて構造解析を使います。このため、入試で選ぶ分野と研究室を一対一で結ぶことはできない、と本書は整理します。

本書の提案

本書の提案:選択する二分野以外に必要な基礎も一つ挙げる

大学が指定した答案や唯一の準備法ではなく、公開された一次資料に基づく本書独自の解説と提案です。

希望研究室を考えるときは、入試で選ぶ二分野だけでなく、その研究で使う別の分野を一つ挙げ、入学前に補う内容を決めます。例えば、ゲルを志望するなら高分子化学に加えて物理化学、CRISPRを志望するなら生命化学に加えて構造解析というように、研究方法から不足分を具体化します。これは大学が指定する分野選択法ではなく、本書の提案です。

REFERENCES

この章で確認した一次資料

公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。