第4章 公式過去問の入手範囲と独自練習
東京大学 大学院経済学研究科 経済専攻(一般入試:統計学・地域研究・経済史コース)の院試対策講座から、公表されていない問題文を要約したふりをせず、募集要項で分かる形式だけを使います。
- 対象年度
- 2027年度
- 公式情報確認
- 2026年8月24日
- 公開本文
- 1,390字
- 参照資料
- 5件
過去問を一問ずつ説明できない理由
オンライン公開と販売取扱いを区別します。
問題本文は公式サイト上で公開されていない
東京大学の公開資料では確認できない項目です。
研究科の修士入試案内は「過去の入試問題」を文学部複写センターで取り扱うと案内していますが、研究科公式サイト上には経済学研究科修士の問題本文、実施日別の問題番号、大学公表の解答例、出題意図を掲載していません。2027年度の募集要項から確認できるのは、統計学が問題群Iの統計基礎・数学を解くこと、地域研究・経済史は専門筆記がないことまでです。本書は購入していない問題集の問題文を推測せず、一問別解説や作問者推定を大学の発表のように作りません。
入手後に記録する項目
引用した一次資料を受験者向けに整理した説明です。
複写センターから正規に入手した問題を使う場合は、表紙で実施年度、修士課程、一般入試、問題群、問題番号を確かめます。問題文を無断転載せず、設問動詞、必要な定理、計算の段階、答案量を自分の学習記録に整理します。地域研究・経済史は現行方式に専門筆記がないため、古い筆記問題を現在の必須科目と誤認しないことが重要です。
独自練習:差の差法の仮定を説明する
統計学の筆記と、地域・歴史研究にも必要な実証読解を意識した練習です。
問題文の読み方
本書が作成した練習です。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
独自問題:『最低賃金引上げが若年雇用に与える効果を、引上げ幅が大きい地域と小さい地域の前後比較で推定する。差の差推定量を書き、因果効果と解釈するための主要仮定を説明しなさい。』必要なのは政策への賛否ではなく、4つの平均から推定量を作り、政策がなければ両地域が同じ傾向で動いたという仮定を説明することです。地域の選び方、同時期の景気や産業構成変化も確認します。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
答案の組み立て
本書が作成した練習です。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
処置地域の政策後平均をY_T1、政策前をY_T0、比較地域の政策後をY_C1、政策前をY_C0と置きます。最初に推定量[(Y_T1−Y_T0)−(Y_C1−Y_C0)]を書き、次に各差が何を除くかを文章で説明します。その後に平行トレンド、先取り行動がないこと、地域間の波及が小さいこと、集団構成が政策で大きく変わらないことを述べます。最後に事前推移と偽の政策時点で検証する方法を書きます。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
具体的な解答例
本書が作成した練習です。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
『差の差推定量は、引上げ幅が大きい地域の雇用率変化から、小さい地域の雇用率変化を引いた値である。式では(Y_T1−Y_T0)−(Y_C1−Y_C0)となる。地域に固定的な産業特性は各地域の前後差で除かれ、全国共通の景気変化は地域間差で除かれる。因果効果と解釈する中心仮定は、最低賃金引上げがなければ両群の若年雇用率が平行に推移したことである。政策前の複数年データで傾向を図示し、イベントスタディで先行効果を確認する。同時期の産業ショック、若者の地域移動、隣接地域への雇用移転が残る限界である。』この問題は大学が公表した過去問ではありません。
用語の説明
引用した一次資料を受験者向けに整理した説明です。
処置群は政策の影響を強く受ける集団、比較群は影響が弱く反実仮想を近似する集団です。反実仮想は、処置群が政策を受けなかった場合の観察できない結果です。平行トレンドは、政策がなければ両群の結果差が時間を通じて一定に推移するという仮定です。イベントスタディは政策時点の前後について時点別の効果を推定し、事前の差や効果の時間変化を見る方法です。
失点しやすい書き方
本書が作成した練習です。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
4平均の符号を逆にする、比較地域の前後差を引かない、平行トレンドを『政策後の値が同じ』と説明する、事前1時点だけで平行性が証明されたとする、標準誤差や地域単位の相関に触れない、といった答えは弱くなります。最低賃金が良いか悪いかを長く論じても推定量と仮定には答えていません。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- 大学院経済学研究科修士入試案内
東京大学|資料:2026-06-08更新|確認:2026-08-24|参照箇所:募集について、2027年度募集要項、過去の実施情報、事前連絡、受験上の配慮
- 令和9(2027)年度 東京大学大学院経済学研究科修士課程学生募集要項
東京大学|資料:2026-04|確認:2026-08-24|参照箇所:2~7頁:募集人員、選抜方法、日程、提出書類、検定料、併願、受験上の配慮
- 令和9(2027)年度 修士課程学生募集要項補足説明書
東京大学|資料:2026-04|確認:2026-08-24|参照箇所:1~7頁:コース区分、問題群、外部語学、GMAT、研究計画書、推薦書。8~11頁:開講科目・担当教員
- 因果推論(2026年度)
東京大学|資料:2026-04-20最終更新|確認:2026-08-24|参照箇所:担当、反実仮想、RCT、操作変数、RDD、差の差
- 経済専攻 統計学コース
東京大学|資料:現行案内(2026-08-24閲覧)|確認:2026-08-24|参照箇所:概要、目的、所属教員