第1章 最初に固定する対象――「グローバル教育院全体」の試験ではない
筑波大学 グローバル教育院(2027年4月に学際創成学術院へ移行予定) ヒューマニクス学位プログラム(5年一貫制博士課程)の院試対策講座から、5年一貫制博士課程という課程の性格と、2027年4月に予定される組織移行を、現行制度と新制度を混ぜずに読み解きます。
- 対象年度
- 2027年度
- 公式情報確認
- 2026年8月24日
- 公開本文
- 1,607字
- 参照資料
- 8件
対象課程と2027年の組織移行
この講座が扱う課程、現行ヒューマニクスと新しい学際創成学術院との関係を整理します。
大学公式の事実:対象は5年一貫制博士課程
筑波大学の2027年度募集要項に記載された課程区分です。
筑波大学の2027年度大学院募集要項サイトで、グローバル教育院の下に掲載されている大学院課程は、ヒューマニクス学位プログラムの5年一貫制博士課程です。修士課程や博士前期課程を2年で修了する一般的なコースではありません。4年制大学の卒業者・卒業見込み者も出願できますが、入学後は標準5年間を通じて博士の学位を目指します。
大学公式の事実:現行二プログラムを統合する計画
筑波大学が公表した組織再編計画と2027年度入学者選抜の概要です。設置認可前の計画であることも大学の記載に従っています。
2027年度は組織の移行期です。筑波大学は、グローバル教育院ヒューマニクス学位プログラムと、人間総合科学学術院人間総合科学研究群ヒューマンバイオロジー学位プログラムを統合し、2027年4月から「学際創成学術院ヒューマニクス学位プログラム」を開設する計画を公表しています。開設は文部科学省の設置認可を条件とし、認可は2026年秋頃の予定です。
2026年8月27日の入試は現在のヒューマニクス学位プログラムとして行われますが、認可された場合、その合格者は新プログラムへ入学します。認可後の2027年1月22日の入試は、新プログラムとして実施される予定です。現行の募集要項には社会人特別選抜がありますが、新プログラムでは社会人特別選抜を設けず、一般入試だけを行うと大学が明記しています。
本書による説明:二つの入試を同じ制度として読まない
複数の大学公式資料にまたがる制度移行を、本書が受験生向けに整理した説明です。
この講座名には「グローバル教育院」とありますが、2027年度の大学院入試で実際に対象となるのはヒューマニクス学位プログラムです。本書は、2026年8月に行われる現行プログラムの入試と、認可後に新プログラムとして行われる予定の2027年1月入試を分けて説明します。現行ページに残る募集人員や社会人特別選抜の記載を、そのまま新プログラムにも当てはめないことが重要です。
大学が公表していない情報:2027年度の確定カリキュラムと教員一覧
2026年8月24日時点で確認できなかった項目です。大学が将来も公表しないという意味ではありません。
2026年8月24日現在、新しいヒューマニクス学位プログラムの確定した教育課程表、修了要件、担当教員一覧は公表されていません。現行ヒューマニクスとヒューマンバイオロジーの教員情報は「現時点の参画教員」であり、開設時に変わる可能性があると大学が説明しています。現行プログラムの科目数、単位数、学位と主メンターの対応を、2027年度も同一に適用するという公式発表も確認できません。
二分野を一つの研究計画へ結び付ける
医学・生命科学と理工情報学・物質科学を、名前だけでなく研究上の役割で結びます。
大学公式の事実:学際創成学術院が示す教育の方向
筑波大学の学際創成学術院構想ページに示された計画です。
新しい学際創成学術院は5学位プログラムで構成される計画で、ヒューマニクスはそのうちの5年一貫制博士課程です。大学の構想ページは、ヒューマニクスを医学・生命科学・ロボット工学・情報学に広がるプログラムとして説明し、複数分野の教員から助言を得るマルチメンター制を学際創成学術院全体の特徴として挙げています。
本書の提案:二つの専門を役割で分ける
大学が指定した研究計画の書き方ではなく、公開された学際性とメンター制を踏まえた本書の提案です。
志望理由書や研究計画書では、単に「医療とAIを融合したい」と書くのではなく、二つの専門を役割で分けてください。例えば、生命医科学側が「どの細胞・生体機能・疾患過程を明らかにするか」を担当し、理工情報側が「どの計測・モデル・材料・制御方法で検証するか」を担当する、と書きます。そのうえで、二つを組み合わせなければ答えられない研究上の問いを一文にします。
悪い例は「AIを活用して睡眠の質を改善する研究をしたい」です。対象、測定値、方法、評価基準がありません。改善例は「家庭用脳波から得られる時系列信号と睡眠日誌を統合し、睡眠段階の誤分類が起きやすい条件を特定したうえで、臨床的に説明できる分類モデルを作る」です。この場合、睡眠医科学、時系列解析、モデルの説明可能性、被験者研究の倫理という四つの論点を、二人のメンターにどう分担して指導してもらうかまで話せます。
本書による推定:二分野を往復できる研究設計が重視される可能性
大学による合格基準の追加発表ではなく、公開資料を比較した本書の推定です。
新プログラムの確定したカリキュラムは未公表であるため、現行プログラムの45単位、科目区分、ダブルメンター制が2027年度も同じ形で継続すると断定することはできません。一方、大学の新組織構想と2027年度入学者選抜概要はいずれも、医学・人間生物学と理工情報学・物質科学の融合、複数教員による指導、学際的な研究計画を中心に据えています。本書は、二分野を往復できる研究設計が引き続き選抜の中心になる可能性が高いと推定します。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- ヒューマニクス学位プログラム 一般入学試験(令和9年度)
筑波大学|資料:2027年度入試(2026年掲載)|確認:2026-08-24|参照箇所:重要なお知らせ、募集要項トップ、入試日程リンク
- 学際創成学術院 G-SIGMA
筑波大学|資料:2027年4月開設計画(2026年掲載)|確認:2026-08-24|参照箇所:「学際創成学術院G-SIGMAとは」「5学位プログラム」「ヒューマニクス学位プログラム」「入学者選抜」
- 令和9年度入学者選抜の概要
筑波大学|資料:2027年度入学者選抜(2026年4月掲載)|確認:2026-08-24|参照箇所:冊子18~19頁(PDF 17~18頁)「学際創成学術院ヒューマニクス学位プログラム」
- 募集人員、出願資格
筑波大学|資料:2027年度入試(2026年掲載)|確認:2026-08-24|参照箇所:「1.募集人員」「2.出願資格」
- Web入力及び出願書類等
筑波大学|資料:2027年度入試(2026年掲載)|確認:2026-08-24|参照箇所:「3.Web入力及び出願書類等」内の研究計画書、研究分野およびメンター教員、推薦書、英語スコア
- 選抜方法等
筑波大学|資料:2027年度入試(2026年掲載)|確認:2026-08-24|参照箇所:「6.選抜方法等」内の8月実施一般入学試験・社会人特別選抜、1~2月実施入試
- ヒューマニクス学位プログラム メンター
筑波大学ヒューマニクス学位プログラム|資料:2026年8月24日時点の現行一覧|確認:2026-08-24|参照箇所:ダブルメンターの説明、筑波大学内メンターの所属・職名・専門・取得予定学位、融合研究例
- ヒューマニクスについて
筑波大学ヒューマニクス学位プログラム|資料:2026年8月24日時点の掲載内容|確認:2026-08-24|参照箇所:ダブルメンター、リバースメンター、国際性、連携研究拠点