第5章 教員研究を対象・方法・限界で読む
東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 環境システム学専攻の院試対策講座から、2027年度志望票にいる三分野を例に、公式プロフィールと原著論文から研究の読み方を示します。
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- 院試クラウド編集部
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- 2027年度
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研究例を入試予想に変えずに理解する
教員の研究を問い、データ、方法、結果、限界へ分け、志望計画との接点を検討します。
大学公式の事実:水野勝紀准教授は環境情報計測学分野の受入候補
氏名、役職、研究分野、2027年度志望票への掲載は大学公式の事実です。
2027年度志望調査票は環境情報計測学分野(水野勝紀)を11の志望可能分野の一つに挙げます。専攻研究室一覧は、超音波、光、情報処理を用いた水圏の環境計測を研究内容として説明します。志望票への氏名・分野掲載と、研究室一覧に示された現行の研究内容はそれぞれ確認できます。一方、研究室別人数、配属確約、合格可能性は公表されていません。
本書による説明:河床ごみ研究は計測系全体を組み合わせる
研究内容と限界は原著論文を基に本書が18歳向けに整理した説明です。
水野准教授らの2024年論文は、空中・水中を高速移動する消費者向けスキャナ、超解像再構成、改良YOLOv8を組み合わせ、河床ごみを検出します。AbstractではRCANを用いた条件でmAP 78.6%と報告します。ここで重要なのは数値だけでなく、撮像条件、解像、ラベル、検出器、評価指標が一つの計測系を作る点です。対象河川やごみ種類が変われば同じ精度を保証せず、この論文は2027入試の出題予告でもありません。
大学公式の事実:井原智彦准教授は環境社会システム学分野の受入候補
氏名、役職、研究分野、志望票掲載、2026年度担当は大学公式の事実で、年度を分けています。
2027年度志望調査票は環境社会システム学分野(井原智彦)を志望可能分野に挙げます。専攻研究室一覧は、都市気象、ビルエネルギー、疫学、統計、ライフサイクルアセスメントを用いて、気候変動の健康・生活・都市への影響と適応策を評価する分野として説明します。2026年度シラバスでは井原准教授がライフサイクル影響評価論を担当しますが、2027年度の担当継続は未確定です。
本書による説明:暑熱と睡眠の研究は曝露・反応・健康損失を結ぶ
研究設計、数値、適用範囲は原著論文を基に本書が整理した説明です。
井原准教授らの研究は、名古屋市の成人を2011年574人、2012年710人調査し、日最低気温24.8℃を超えると睡眠障害指標が増える関係を分析し、2012年の健康損失を81.8 DALY年と推計しました。DALYは死亡と健康状態の低下による損失年数をまとめる指標です。本書では、気温を曝露、睡眠指標を反応、DALYを社会的影響として読むと構造が見えます。一都市のウェブ調査など論文自身の範囲を超えて、日本全体の因果効果へ一般化しません。
大学公式の事実:伊與木健太准教授は環境材料システム学分野の受入候補
氏名、役職、研究分野、2027年度志望票への掲載は大学公式の事実です。
2027年度志望調査票は環境材料システム学分野(伊與木健太)を志望可能分野に挙げます。専攻研究室一覧は、ゼオライトなどの多孔質材料を設計し、CO2回収・資源化等へ応用する分野として説明します。志望票への氏名・分野掲載は確認できますが、研究室別人数、配属確約、個別テーマの採択は公表されていません。
本書による説明:CO2回収材料は湿度を含む実条件で評価する
材料、条件、評価の関係は原著論文を基に本書が整理した説明です。
伊與木准教授らの2025年論文は、FAU型とMFI型ゼオライト、Si/Al比、陽イオンを比較し、75%相対湿度を含む条件と単一床吸着シミュレーションでCO2回収を評価します。高シリカH型MFIの親水性シラノール欠陥を修復し、湿潤条件でも容量・速度・安定性を保つ方向を示しました。本書では、材料単体の最大吸着量だけでなく、水との競争、繰返し安定性、圧力スイング吸着プロセスまで評価境界に含める研究例として読みます。
大学が公表していない情報:2027年度の担当科目・設備利用・個別指導体制
確認できない事項を、過年度資料や研究紹介から推定で補っていません。
2027年度の全科目担当、曜日、教室、各志望教員の担当授業、特定装置を志願者が必ず利用できるか、副指導・共同指導の組合せ、研究室別受入人数は、確認した2027年度資料では確定できません。2026年度便覧・シラバス、現行研究室紹介、志望調査票は、それぞれ科目、研究内容、受入候補を示す別資料です。一つを別の事実へ置き換えず、入学年度の便覧と教員との相談で更新します。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- 2027年度 環境システム学専攻 修士課程志望調査票・チェックシート
東京大学大学院新領域創成科学研究科 環境システム学専攻|資料:2027年度入試用|確認:2026-09-01|参照箇所:PDF物理p.2は一般選抜で第1-3志望、特別口述で第1志望だけを記す11研究分野と英語申告、p.3は提出書類チェック欄。
- 環境システム学専攻 教育・カリキュラム
東京大学大学院新領域創成科学研究科 環境システム学専攻|資料:current; 2026年度講義情報を含む|確認:2026-09-01|参照箇所:求める学生、環境技術者養成・環境管理者養成、フィールド実習、海外派遣、講義情報、2025年度修士・博士論文題目。2027年度開講を保証しない。
- 環境システム学専攻 研究分野・教員一覧
東京大学大学院新領域創成科学研究科 環境システム学専攻|資料:current; checked 2026-09-01|確認:2026-09-01|参照箇所:14分野の現職教員と研究説明。水野勝紀は環境情報計測、井原智彦は環境社会、伊與木健太は環境材料。2027受入可否は志望調査票を優先する。
- 令和8(2026)年度 東京大学大学院便覧(新領域創成科学研究科)
東京大学大学院新領域創成科学研究科|資料:2026年度|確認:2026-09-01|参照箇所:PDF物理p.17は修了要件、p.22は学位、p.50は2026年度科目、p.75は教員一覧。2027年度の開講・担当・規程不変を保証しない。
- 2026年度 環境システム学概論
東京大学 授業カタログ|資料:2026年度・最終更新2026-08-26|確認:2026-09-01|参照箇所:科目コード47260-01、秋月信、S1/S2、水曜3限、2単位。13回のオムニバス計画と出席・レポートによる評価。
- 2026年度 ライフサイクル影響評価論
東京大学 授業カタログ|資料:2026年度・最終更新2026-08-26|確認:2026-09-01|参照箇所:科目コード47160-49、井原智彦、S2、木曜2・3限、2単位。LCA/LCC/SLCA/LCSA、インベントリ・影響評価とレポート。
- Riverbed litter monitoring using consumer-grade aerial-aquatic speedy scanner (AASS) and deep learning based super-resolution reconstruction and detection network
Marine Pollution Bulletin 209 Part A, 117030|資料:2024|確認:2026-09-01|参照箇所:書誌・Abstract。AASS、超解像、改良YOLOv8を統合し、RCANで河床ごみ検出mAP 78.6%。多部田茂・水野勝紀を著者に含む。
- Loss of disability-adjusted life years due to heat-related sleep disturbance in the Japanese
Sleep and Biological Rhythms 21, 69-84|資料:2023; online 2022-09-24|確認:2026-09-01|参照箇所:Abstract・著者所属・記事情報、Springer本文Methods > Participants、Discussion末尾のlimitations。名古屋市、調査会社のオンラインパネル、574人・710人、日最低気温24.8℃、2012年81.8 DALY年、ウェブ登録成人等の適用範囲を確認。井原智彦を著者に含む。
- Development of zeolite adsorbent with low water sensitivity for CO2 capture
Chemical Engineering Journal 508, 161054|資料:2025|確認:2026-09-01|参照箇所:書誌・Highlights・Abstract。FAU/MFI、Si/Al比、陽イオン、75%相対湿度、PSAシミュレーションを比較し、伊與木健太を著者に含む。