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第3章 2027年度受入予定21教員と5人の指導候補

東京大学 大学院工学系研究科 精密工学専攻 修士課程・博士後期課程の院試対策講座から、21人全員を役職・拠点・専門付きで示した後、5人を担当授業、最近の論文、研究システム、指導できる課程まで比較します。

対象年度
2027年度
公式情報確認
2026年8月28日
公開本文
5,037
参照資料
21
01

受入予定21教員を最初に見る

研究室一覧に名前があることと、2027年度入試で受入予定であることを分けます。

大学公式の事実

大学公式の事実:2027年度受入予定21教員

2027年度精密工学専攻入試案内の受入予定教員表を、役職・拠点・専門とともに文章化しました。

2027年度入試案内が2026年4月1日現在の受入予定として挙げる21人は、次のとおりです。

精密(本郷)は、飯田史也教授(生物規範型ソフトロボティクス、身体知能科学、AIロボティクス)、伊藤寿浩教授(IoTデバイス集積化、マイクロセンサシステム、センサネットワーク)、今城哉裕講師(音響細胞工学、再生医療、メカノトランスダクション)、梅田靖教授(設計学、ライフサイクル工学、知的生産システム工学)、木下裕介准教授(シナリオ設計、ライフサイクル工学、設計工学、エコデザイン)、小林英津子教授(医用精密工学、コンピュータ外科)、小山裕己准教授(コンピュータグラフィクス、ヒューマンコンピュータインタラクション)、高橋哲教授(光応用ナノ加工・計測、局在光制御、セルインマイクロファクトリ)、細畠拓也准教授(超精密ダイヤモンド切削加工、曲面・微細パターンの創成、中性子光学)、道畑正岐准教授(三次元形状計測、光応用加工計測、ナノ精度計測)、森田剛教授(生体超音波、強力超音波応用、機能性材料応用デバイス)、山本道貴准教授(マイクロシステム、三次元集積化、E-textile)です。

人工物工学研究センター(本郷)は、太田順教授(ロボット工学、身体性システム科学、生産システム工学)、大竹豊教授(形状処理、コンピュータグラフィックス、X線CT)、原辰徳准教授(サービス工学、製品サービスシステム、生産システム工学)です。先端科学技術研究センター(駒場)は、富井直輝准教授(医用精密工学、情報生体工学、画像解析)、三村秀和教授(超精密加工、X線光学)です。生産技術研究所(駒場)は、梶原優介教授(異材接合、界面工学、赤外・テラヘルツ工学)、金秀炫准教授(マイクロ流体システム、生体試料分析、マイクロ総合分析システム)、金範埈教授(マイクロ要素構成学、バイオMEMS、ナノバイオセンシング)、新野俊樹教授(3Dプリンティング、樹脂金属複合体製造、Additive Manufacturing、プロダクトデザイン、プロトタイピング、デザインリサーチ)です。

本書による説明

本書による説明:21人を拠点、対象、方法、データで比べる

受入予定表と希望指導教員の公式ルールを、本書が研究室比較の順序へ整理した説明です。

教員を研究名だけで比べると、似た言葉が並んで違いが見えません。本書では、まず本郷か駒場かを見ます。次に、対象がロボット、医療、生産、光、材料、細胞のどれか、主な方法が実験、加工、計測、数値計算、設計のどれか、最後に何のデータを得る研究かを分けます。

一般入試では21人まで希望順位を付けられますが、希望が集中する少数教員だけを書けば不合格になる可能性があると専攻は説明しています。これは「希望を多く書けば必ず合格する」という意味ではありません。実際に指導を受けたい範囲で、研究方法の近い別候補も読む必要があります。

02

飯田史也教授:身体性知能とソフトロボティクス

柔らかい材料と身体の形を、制御や学習の一部として使う研究です。

大学公式の事実

大学公式の事実:飯田史也教授の役職、専門、授業、指導課程

専攻入試案内、教員プロフィール、全学教員検索、2026年度教育資料に書かれた範囲です。

飯田史也教授は、工学系研究科精密工学専攻精密情報システム工学講座の教授です。2027年度入試では修士課程と博士後期課程の両方で受入予定です。専門は、生物規範型ソフトロボティクス、身体知能科学、AIロボティクスです。動物の運動、柔らかい筋骨格ロボット、感覚運動学習、物理リザバーなどを扱います。

2026年度資料では「Biologically Inspired Robotics」の担当として掲載されています。2026年の専攻研究紹介は、柔らかいロボットハンドと、形や材料そのものに計算の一部を担わせる身体性知能を説明しています。

大学公式の事実

論文で確認できる事実:身体性知能を設計・学習・適応の枠組みに整理

論文の書誌情報と公表内容の範囲です。大学の入試評価や設備利用条件ではありません。

Fumiya Iidaらの“Foundations of Embodied Intelligence for Robotic Systems”は、Foundations and Trends in Robotics 12巻4号、350~435頁、2025年に公表されました。身体性知能を、ロボットの身体、環境、制御、学習が相互に働く設計・適応の枠組みとして整理した研究です。

論文に記された所属にはケンブリッジ大学が含まれます。この論文を、東京大学の設備や2027年度入試で優先されるテーマの証拠には使いません。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:ソフトハンド等の学生利用条件

公式研究紹介で確認できる研究例と、未公表の学生利用条件を分けています。

公式プロフィールにはソフトハンドの試作機やロボットシステムの写真がありますが、装置の台数、修士・博士学生が利用できる時期、必要な講習、予約方法、材料費の負担は公表されていません。研究例の写真を「入学すれば自由に使える設備一覧」とは扱いません。

本書の提案

本書の提案:材料と形が制御を代替する範囲を研究質問にする

大学が指定する志望理由の形式や採点基準ではなく、公式研究内容から作った本書の提案です。

志望理由を「柔らかいロボットを作りたい」で終えず、身体の材料と形が制御計算をどこまで代替できるか、学習と機械設計をどう分担するか、どの動作で評価するかまで書きます。比較対象として、硬いリンク機構や従来制御を置くと、何を改善したいのかが明確になります。

03

小林英津子教授:低侵襲手術と医療ロボット

医師の操作、患者の安全、計測、情報処理を一つのシステムとして扱います。

大学公式の事実

大学公式の事実:小林英津子教授の役職、専門、授業、指導課程

専攻入試案内、教員プロフィール、全学教員検索、2026年度教育資料に書かれた範囲です。

小林英津子教授は、工学系研究科精密工学専攻人工学講座の教授で、博士(工学)を持ちます。2027年度入試では修士課程と博士後期課程の両方で受入予定です。専門は医用精密工学とコンピュータ外科で、低侵襲手術ロボット・デバイス、生体計測、医用情報統合、手術ナビゲーション、医療技術評価、軟組織特性を扱います。

2026年度資料では「精密治療支援工学」の担当として掲載されています。

大学公式の事実

論文で確認できる事実:深層強化学習による腹腔鏡手術の自動牽引

論文の書誌情報と要旨で確認できる方法・評価対象の範囲です。

Yuriko Iyamaら、小林教授を含む“Autonomous countertraction for secure field of view in laparoscopic surgery using deep reinforcement learning”は、International Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery 20巻4号、625~633頁、2025年に掲載されました。点群を扱うニューラルネットワークと深層強化学習を使い、腹腔鏡手術で術野を確保する自動牽引を、シミュレーションと模型で評価した研究です。

一件の論文から、研究室の全テーマや2027年度の受入テーマを決めつけません。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:手術支援システムの学生利用条件

医療研究の公開例と、学生の装置利用・安全手順を区別しています。

公式プロフィールには大腸手術ナビゲーションや顎関節手術支援ロボットの研究例がありますが、各装置が研究室専有か共同利用か、学生が操作するまでの訓練、医療機関との役割分担、倫理審査と安全教育の具体的手順は公表されていません。

本書の提案

本書の提案:手技、情報、支援動作、安全指標を順に書く

大学の公式答案ではなく、研究計画を具体化するための本書の提案です。

医療ロボットの研究計画では、対象とする手技、医師が現在行う操作、計測できる情報、ロボットが補助または代替する動作、安全性を評価する指標を順に書きます。「AIで手術を自動化する」だけでなく、医師が介入する条件と、失敗をどの指標で検出するかも示します。

04

高橋哲教授:光計測とナノ加工

光源から検出器までを一つの測定系として考え、加工と計測を結び付けます。

大学公式の事実

大学公式の事実:高橋哲教授の役職、専門、授業、指導課程

専攻入試案内、教員プロフィール、全学教員検索、2026年度教育資料に書かれた範囲です。

高橋哲教授は、工学系研究科精密工学専攻精密機械システム工学講座の教授です。2027年度入試では修士課程と博士後期課程の両方で受入予定です。専門は光応用ナノ加工・計測、局在光制御、セルインマイクロファクトリです。物理モデルを組み込んだAI超解像光学、加工中計測、エバネッセント光によるナノ加工などを扱います。

2026年度資料では「光計測工学」を担当し、「ナノ・マイクロ機械システム」の共同担当にも掲載されています。

大学公式の事実

論文で確認できる事実:二色蛍光による表面形状の一括計測

論文の書誌情報と要旨で確認できる方法の範囲です。一つの実験結果を、すべての表面や装置へ一般化していません。

Masaki Michihataら、高橋教授を含む“Single-Shot Surface Topography Measurement Using Two-Color Fluorescence”は、Nanomanufacturing and Metrology 9巻、Article 19として2026年5月に公開されました。二色の蛍光強度比を使い、不均一な光励起の影響を抑えながら、表面形状を一度に取得する方法を示した研究です。論文の性能値は、その実験条件に対応する値です。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:光学・ナノ加工装置の学生利用条件

研究方法の公開情報と、学生が利用できる設備条件を分けています。

専攻プロフィールにはエバネッセント光を使うナノ造形や、回折限界を超える光学計測の研究例があります。しかし、装置の機種、台数、共用範囲、学生の講習、予約、クリーン環境の利用条件は公表されていません。

本書の提案

本書の提案:照明から誤差までを一つの測定の流れにする

大学公表の選考基準ではなく、光計測の研究計画を具体化する本書の提案です。

志望理由では「光を使いたい」で止めず、光源、照明方法、試料、光と物質の相互作用、検出器、得たい物理量、校正、誤差要因を順に書きます。加工中計測なら、測定が加工を止めるのか、加工中に行えるのか、測定結果をどう加工条件へ戻すのかも示します。

05

梅田靖教授:ライフサイクル設計と循環型ものづくり

製品の企画から回収・再利用までを、費用・利益・資源・二酸化炭素で評価します。

大学公式の事実

大学公式の事実:梅田靖教授の役職、専門、授業、指導課程

専攻入試案内、教員プロフィール、全学教員検索、2026年度教育資料に書かれた範囲です。

梅田靖教授は、工学系研究科精密工学専攻人工学講座の教授です。2027年度入試では修士課程と博士後期課程の両方で受入予定です。専門は設計学、ライフサイクル工学、知的生産システム工学です。製品の企画から廃棄・再利用までを扱うライフサイクル設計、機能モデリング、現実の製造とデジタル情報を組み合わせるデジタル・トリプレットなどを研究します。

2026年度資料では「社会と設計方法論」と「人工物を創出するための理解I・II」に掲載されています。

大学公式の事実

論文で確認できる事実:複数の製品ライフサイクルをつなぐ設計

論文の書誌情報、方法、ケーススタディに書かれた範囲です。

Tomoyuki Tamuraら、梅田教授を含む“Design Method for Platform-Aggregated Life Cycle Ecosystem”は、Sustainability 17巻13号、5939、2025年に掲載されました。製品の複数ライフサイクル間で物と情報を交換するプラットフォームを設計し、靴の事例で利益、費用、二酸化炭素排出などを評価しています。

一つの靴の事例を、あらゆる製造業へそのまま使える結果とは書きません。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:設計ソフトと研究システムの学生利用条件

公開された研究例と、学生向けのソフト・データ利用条件を区別しています。

公式プロフィールには製品を分解するシステムやデジタル・トリプレットの研究例があります。しかし、使用ソフト、計算機環境、データへのアクセス、学生が使うまでの訓練、共同企業のデータ利用条件は公表されていません。

本書の提案

本書の提案:対象製品と評価範囲を先に決める

大学が指定する研究計画の型ではなく、対象と評価指標を具体化する本書の提案です。

持続可能性の研究計画では、「環境に良い製品を作る」だけでは対象が広すぎます。対象製品を決め、原材料、生産、使用、回収、再利用のどこまでを評価するかを示します。その上で、費用、利益、二酸化炭素、資源循環のどれを主な指標にするかを決めます。

06

三村秀和教授:超精密加工とX線光学

光学面の加工、形状計測、放射光による性能評価を一続きで考えます。

大学公式の事実

大学公式の事実:三村秀和教授の役職、専門、授業、指導課程

専攻入試案内、教員プロフィール、全学教員検索、2026年度教育資料に書かれた範囲です。

三村秀和教授は、先端科学技術研究センター超精密製造科学分野の教授で、精密工学専攻では先端研(駒場)の受入予定教員です。2027年度入試では修士課程と博士後期課程の両方で受入予定です。専門は超精密加工とX線光学で、原子に近い尺度を目指す加工、X線ミラー、X線顕微鏡・望遠鏡、放射光を使う加工現象の観察などを扱います。

2026年度資料では「高精度機械設計論」を担当しています。

大学公式の事実

論文で確認できる事実:電鋳X線ミラーをSPring-8で評価

参照した本文はarXiv公開版です。誌面上の最終版との細部差は未照合なので、最終版そのものとして引用していません。

Ryuto Fujiiら、三村教授を含む“Development of Electroformed X-ray Optics Bridging Synchrotron Technology and Space Astronomy”は、2026年1月にarXiv公開版が登録され、PASP掲載情報とDOIが示されています。全周二回反射ニッケルX線ミラーを電鋳で作り、SPring-8 BL29XULで評価し、太陽X線観測ロケットFOXSI-4につながる結果を報告しています。PASP掲載版の題名は“Synchrotron Radiation Technology”と“Radiation”を含みます。

大学が公表していない情報

大学が公表していない情報:製作装置と大型施設の学生利用条件

研究での使用例と、入学者の利用保証を分けています。

公式研究紹介には、X線ミラー、研究室で開発した製作装置、SPring-8・SACLAでの計測例があります。SPring-8とSACLAは学外の大型研究施設です。学生が申請できる条件、利用前の訓練、施設側の審査、旅費や利用費、装置の予約方法は受験資料に書かれていません。

本書の提案

本書の提案:加工、形状計測、X線性能評価をつなげる

大学の公式指導方針ではなく、研究計画を具体化する本書の提案です。

志望理由では、加工したい光学面、必要な形状精度と表面粗さ、加工原理、加工後の形状計測、X線での性能評価を一続きで説明します。大型施設を使うこと自体を目的にせず、なぜその波長と計測条件が必要なのかまで書きます。

07

5人を比べたときに言えることと言えないこと

研究テーマの近さは整理できますが、受入可否や合格可能性は推定できません。

本書による推定

本書による推定:光による表面計測を志望する場合の候補の近さ

教員プロフィール、最近の論文、受入予定一覧を結び付けた本書による推定です。別候補があり、受入可否は不明です。

高橋教授の公式プロフィールは光応用加工計測を挙げ、2026年の論文は二色蛍光による表面形状計測を扱っています。この二資料から、光を使って加工面の形状を計測する研究計画は、高橋教授の最近の研究と近い可能性があると本書は推定します。

ただし、受入予定21人には三次元形状計測を専門とする道畑正岐准教授、X線光学と超精密加工を扱う三村秀和教授など別候補もいます。入試案内は研究題目別の受入枠や評価を公表していません。したがって、この近さは大学の受入表明でも、合格可能性の評価でもありません。

本書の提案

本書の提案:第一希望以外も同じ四項目で比較する

専攻の希望指導教員ルールと研究資料を基にした本書の比較方法です。

候補ごとに、作りたい試料・装置、行いたい操作、得たいデータ、研究拠点の四項目を書きます。第一希望だけ詳しく書くのではなく、第二希望以下にも同じ四項目を使うと、本当に指導を受けたい教員だけを選べます。

「人気」「入りやすさ」「残り枠」は公開されていません。希望順位を合格確率の予想だけで作らず、研究方法と身につけたい技術の違いから作ることを本書は提案します。

REFERENCES

この章で確認した一次資料

公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。