第4章 過去問の公開範囲と独自練習を分ける
東京大学 大学院経済学研究科 経済専攻 経済学コース(教育プログラム入試)の院試対策講座から、現在の選抜に筆記がない事実を踏まえ、口述準備の練習を大学の問題と混同させません。
- 対象年度
- 2027年度
- 公式情報確認
- 2026年8月24日
- 公開本文
- 1,364字
- 参照資料
- 6件
公式過去問として説明できる範囲
問題文が存在するように見せず、現行方式をそのまま記します。
2027年度経済学コースに筆記問題はない
東京大学の公開資料に記載された内容です。
2027年度の経済学コース教育プログラム入試は、提出書類の審査と口述試験で選抜し、筆記試験を実施しません。研究科の公開ページは口述の質問文、大学公表の解答例、出題意図を掲載していません。そのため、この入試について実施日・問題番号ごとの筆記過去問解説を作ることは制度上当てはまりません。本書は、非公開の口述質問や作問者を推定しません。
大学の発表と本書の練習の境界
引用した一次資料を受験者向けに整理した説明です。
大学が公表しているのは、書類審査、口述、6つの志望分野、口述言語、研究計画書中心という選抜方法です。次の練習は、その公開範囲に合わせて本書が作ったものです。実際の質問、模範解答、採点基準、作問者を示すものではありません。
独自練習:保育政策の効果をどう識別するか
問題文の読み方から失点しやすい答え方まで、口述の練習を一つ完成させます。
問題文の読み方
本書が作成した練習です。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
独自問題:『自治体による保育定員拡大が母親の就業率に与える因果効果を研究したい。研究対象、比較、主要な識別上の問題、実行可能な分析方法を2分で説明しなさい。』まず、求められているのは保育政策の一般的な長所ではなく「因果効果をどう測るか」です。対象を母親一般のままにせず、地域、子どもの年齢、期間を区切ります。比較群を置き、定員拡大が元から就業需要の高い自治体で起きるという政策選択の内生性を主要問題として認識します。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
答案の組み立て
本書が作成した練習です。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
2分なら、①問いと対象、②必要データ、③単純比較が偏る理由、④識別方法、⑤仮定を検証する方法、⑥限界、の6文を骨格にします。方法名を先に言うのではなく、どの変化を比較するかを先に説明します。たとえば制度変更の前後差を、影響を受ける自治体と受けにくい自治体で比較する設計なら、処置前の就業率推移が似ているかを示す必要があります。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
具体的な解答例
本書が作成した練習です。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
『対象は、2019~2026年に3歳未満児を持つ母親とし、自治体別の保育定員、待機児童、就業、人口構成を結合します。定員拡大自治体の前後だけを比べると、就業希望の増加に自治体が反応して定員を増やした可能性があり、因果効果を過大評価します。そこで、制度上の補助要件や整備時期による自治体間の差を利用し、影響の大きい自治体と小さい自治体の就業率変化を差の差法で比較します。処置前の平行トレンド、人口移動、同時期の給付制度変更を確認します。推定結果は対象期間と自治体に対する局所的な効果であり、全国や長期へそのまま広げません。』この問題は大学が公表した過去問ではありません。
用語の説明
引用した一次資料を受験者向けに整理した説明です。
内生性とは、説明変数が結果を左右する観察できない要因と関係し、単純な相関を因果効果として読めなくなることです。差の差法は、政策の影響を受ける群と比較群について、政策前後の変化の差を比べる方法です。平行トレンドは、政策がなければ両群の結果が同じ傾向で動いたと考えられるという中心的な仮定です。経済学コースでは計量経済学がコア科目で、因果関係を説明する統計手法が研究の基礎になります。
失点しやすい答え方
本書が作成した練習です。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
『保育は重要なので就業率が上がる』だけでは、比較と反証可能性がありません。差の差法という名前だけを述べ、どの群と期間を比べるかを言わない答えも弱いです。定員拡大と就業率の同時上昇を因果と呼ぶ、政策前の傾向を見ない、人口移動を無視する、利用できるデータ名を一つも挙げない、対象外の父親就業や子どもの発達まで一度に結論づける、といった書き方を避けます。この問題は大学が公表した過去問ではありません。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- 大学院経済学研究科修士入試案内
東京大学|資料:2026-06-08更新|確認:2026-08-24|参照箇所:募集について、2027年度募集要項、過去の実施情報、事前連絡、受験上の配慮
- 令和8年度 履修登録に関する諸注意
東京大学|資料:2026年度|確認:2026-08-24|参照箇所:2~8頁:2026年度授業科目。9頁以降:コース別修了要件と論文指導
- 経済専攻 経済学コース
東京大学|資料:現行案内(2026-08-24閲覧)|確認:2026-08-24|参照箇所:概要、基礎・先端分野、所属教員
- 令和9(2027)年度 経済専攻経済学コース 修士課程学生募集要項
東京大学|資料:2026-04|確認:2026-08-24|参照箇所:2~6頁:A・B日程、募集人員、書類審査・口述、出願期間、提出書類、検定料、併願
- 令和9(2027)年度 経済専攻経済学コース 修士課程学生募集要項補足説明書
東京大学|資料:2026-04|確認:2026-08-24|参照箇所:1~4頁:教育プログラムの位置付け、口述分野と言語、研究計画書、TOEFL・GRE
- 山口慎太郎 教員プロフィール
東京大学|資料:現行プロフィール(2026-08-24閲覧)|確認:2026-08-24|参照箇所:職名、労働・家族・教育経済学、研究課題・業績