第5章 本書独自の答案例と、公開資料で答えられないこと
東京大学 大学院工学系研究科 物理工学専攻 修士課程・博士後期課程の院試対策講座から、公式解答ではない代表答案を一つ示し、採点基準・作問者・2027年度問題などの未公表事項を明示します。
- 対象年度
- 2027年度
- 公式情報確認
- 2026年8月28日
- 公開本文
- 1,663字
- 参照資料
- 14件
本書独自答案例:数学 問題1を型ごとに解く
問題文の読解、答案構造、独自解答、用語、誤りやすい点を分けます。
読み取り:三つの方程式を同じ方法で解かない
公式問題文を読み解いた本書独自の解説であり、大学公表の採点観点ではありません。
I(1)は定数係数線形、I(2)はxのべきで係数が変わるEuler型、IIはy²を含むRiccati型です。IIは、まず問題文が求める2次多項式の特殊解を探し、その後に一般解へ進む必要があります。ここで方程式の型と、問題文が指定する解法の順序を答案冒頭に一行で書くと、途中式の目的が伝わります。
答案構造:同次解、特殊解、検算の順
大学指定の答案形式ではなく、論理を読み取りやすくする本書の提案です。
I(1)とI(2)は、①同次方程式、②特殊解、③一般解、④代入による短い検算、の順に書きます。IIは、①多項式を代入して係数比較、②得た特殊解を明記、③y=特殊解+1/uと置く、④uの一次方程式、⑤積分因子、⑥一般解と定義域、の順にします。
本書独自答案例:Iの二題
本書が独自に計算した答案例です。大学公表の公式解答ではありません。
I(1)の同次方程式の特性方程式はr²+6r+8=(r+2)(r+4)=0です。したがって同次解はC1e^(−2x)+C2e^(−4x)。Ae^(−x)を特殊解に仮定すると、左辺のe^(−x)係数は(1−6+8)A=3AなのでA=1です。よって y=C1e^(−2x)+C2e^(−4x)+e^(−x)。
I(2)の同次解をx^mと置くと、m(m−1)−2=(m−2)(m+1)=0なので、C1x²+C2x^(−1)です。Ax³を特殊解に仮定すると(6−2)Ax³−4x³=0よりA=1です。したがって y=C1x²+C2/x+x³。元の方程式がx=0で退化するため、この形はx=0をまたがない区間で扱います。
本書独自答案例:IIのRiccati型
本書が独自に計算した答案例です。大学公表の公式解答ではありません。
y=A0+A1x+A2x²を代入してxの次数ごとに係数を比べると、A0=0、A1=0、A2=2となり、特殊解yp=2x²を得ます。y=2x²+1/uと置くと、uは
u' + {(8x³−1)/[x(2x³−1)]}u = −2/(2x³−1)
を満たします。左辺の係数は1/x+6x²/(2x³−1)なので、積分因子はx(2x³−1)です。よって
{x(2x³−1)u}'=−2x、
x(2x³−1)u=C−x²。
したがって一般解は
y=2x²+x(2x³−1)/(C−x²)
です。元の微分方程式のy'の係数が0になるx=0と2x³=1、および分母C−x²=0になる点を含まない区間で解を扱います。特殊解y=2x²自体も忘れずに併記します。
用語:同次解、特殊解、積分因子
標準的な数学用語を、この問題に即して本書が平易に説明したものです。
同次解は、外から与えられる項を0にした方程式の解です。特殊解は、元の非同次方程式を満たす一つの具体的な解です。線形方程式では、その二つを足して一般解を作ります。積分因子は、一次方程式u'+P(x)u=Q(x)の左辺を一つの積の微分に変える関数で、exp(∫P(x)dx)です。Riccati型では、既知の特殊解を使うと未知関数uの一次方程式に変換できます。
よくある誤り:特殊解の落とし、定義域、積分定数
大学公表の減点表ではなく、本書の独自答案を検算するための注意点です。
I(1)でe^(−x)を同次解と混同する、I(2)でx=0を含むように書く、IIでy=yp+1/uへ変換した後に特殊解yp自体を答案から落とす、積分因子のxまたは2x³−1を落とす、C−x²=0で分母が消える点を無視する、という誤りに注意します。最後に元の式へ一度代入すれば、多くの符号ミスを発見できます。
未公表事項と、2027年度資料が出た後の更新
分からないことを空想で埋めず、何を再確認すべきかを示します。
大学が公表していない情報:公式解答、問別意図、採点、作問者
2026年8月28日時点で大学が公表していない事項です。数値、正答、人物名を推測で補っていません。
今回確認した2026年度の公式問題、過去問ページ、出題意図PDFには、大学公表の解答例、問題別の出題意図、問題別採点基準、配点、合格最低点、作問者名がありません。口述は三つの評価項目が公表されていますが、点数配分はありません。
教員の研究分野と問題の題材が似ていても、作問担当の証拠にはなりません。本書は作問者を推定しません。
大学が公表していない情報:2027年度問題と授業・研究室の個別条件
2026年8月28日時点の一次資料で確認できない事項を列挙し、推測で埋めていません。
2027年度問題は試験前で未公開です。2027年度便覧・詳細シラバス、研究室別受入人数、個人別の修士・博士指導可否、志望順位の配属への使い方、TOEFL最低点、研究設備の講習・予約・費用・学生の操作範囲も確認できません。修士・博士B日程の実施も未確定です。
本書の提案:更新時の確認順
一次資料の優先順位と更新事故を減らすための、本書の編集手順です。
更新するときは、①研究科の2027年度募集要項、②物理工学専攻の2027年度案内、③TOEFL専用要項、④2027年度便覧・シラバス、⑤2027年度公式問題と出題意図、⑥受入教員一覧、⑦研究室の研究・設備ページ、の順で確認します。後から更新された一次資料が現在の記述と違う場合は、新しい公式資料を優先し、確認日も更新します。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- 令和9(2027)年度 東京大学大学院工学系研究科 修士課程学生募集要項
東京大学大学院工学系研究科|資料:2026-04-03|確認:2026-08-28|参照箇所:PDF p.2~11。A・B日程、募集人員、出願書類、発表、費用、英語
- 令和9(2027)年度 東京大学大学院工学系研究科 博士後期課程学生募集要項
東京大学大学院工学系研究科|資料:2026-04-03|確認:2026-08-28|参照箇所:PDF p.1~13。B日程の注記、A日程、募集人員、書類、発表、費用、英語
- 令和9(2027)年度 物理工学専攻 修士課程・博士後期課程 入試案内
東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻|資料:2027年度入試|確認:2026-08-28|参照箇所:日本語PDF p.1~17。試験、口述、志望シート、受入教員43人・39受入単位
- 大学院受験について
東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻|資料:2026-08-28時点|確認:2026-08-28|参照箇所:2027年度案内、過去問、出題の意図、教育目的への公式導線
- 令和9(2027)年度 工学系研究科入試 英語試験・スコア提出期限一覧
東京大学大学院工学系研究科|資料:2026-03-27|確認:2026-08-28|参照箇所:PDF p.1。物理工学専攻の修士A・博士AのTOEFL提出期限
- 令和9(2027)年度 工学系研究科入試 TOEFLスコア提出要項
東京大学大学院工学系研究科|資料:2026-07-28|確認:2026-08-28|参照箇所:PDF p.1~2。対象テスト、有効受験日、ETS送付・Web入力・PDF提出
- 2026年度 工学系研究科便覧
東京大学大学院工学系研究科|資料:2026年度|確認:2026-08-28|参照箇所:PDF表示p.286(冊子p.工-55)「物理工学専攻 Applied Physics」科目表
- UTokyo Online Course Catalogue
東京大学|資料:2026年度検索入口|確認:2026-08-28|参照箇所:年度、開講部局、科目名等による公式授業検索入口
- 教員・研究室
東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻|資料:2026-08-28時点|確認:2026-08-28|参照箇所:現行教員・研究室一覧と各研究室への公式導線
- 工学系研究科 入試過去問題
東京大学大学院工学系研究科|資料:2026-08-28時点|確認:2026-08-28|参照箇所:2018~2026年度の一般教育科目への公式導線
- 2026年度 物理工学専攻 入学試験問題 物理学
東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻|資料:2025-08-26実施|確認:2026-08-28|参照箇所:日本語PDF p.1~9、問題1~4。4問すべて解答、240分
- 物理工学専攻 専門科目 出題の意図
東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻|資料:2026年度掲載|確認:2026-08-28|参照箇所:PDF p.1。力学、電磁気学、統計熱力学、量子力学の基礎と光学・固体物理を含む応用という科目全体の意図
- 2026年度 修士課程 一般教育科目 数学
東京大学大学院工学系研究科|資料:2025-08-25実施|確認:2026-08-28|参照箇所:日本語版の問題1~6。物理工学専攻は6問から3問を選択、150分
- 一般教育科目の出題の意図
東京大学大学院工学系研究科|資料:2026-04-08|確認:2026-08-28|参照箇所:PDF p.1「数学」。科目全体の出題意図