第1章 医科学専攻修士課程という入試単位を誤解しない
東京大学 大学院医学系研究科 医科学専攻(修士課程)の院試対策講座から、専攻名、課程、学位、研究分野、修士後の医学博士課程を分け、二つの研究室選択方式を具体化します。
- 対象年度
- 2027年度
- 公式情報確認
- 2026年8月24日
- 公開本文
- 2,324字
- 参照資料
- 13件
この講座が扱う正式な範囲
seed名を公式制度と照合し、「医科学専攻博士課程」や6年一貫課程を作りません。
大学公式の事実:対象は2027年度医科学専攻修士課程
募集要項・入学試験案内・規則等に明記された範囲です。
この公開章が扱うのは、東京大学大学院医学系研究科・医科学専攻の令和9(2027)年度入学、修士課程です。標準修業年限は2年、募集人員は20名、修了時の学位は修士(医科学)です。2027年4月入学者の出願と試験は2026年に行われます。
2027年度募集要項では、医科学専攻の中に一般選抜、社会人選抜、外国人留学生特別選抜という別の入試区分を設けていません。海外在住者にオンライン受験を案内する場合があることは試験方法の配慮であり、別の選抜区分ではありません。
本書による説明:修士2年と医学博士課程4年は別の入試
複数の一次資料を受験生が比較しやすい形に言い換えた本書の説明です。
専攻案内は、修士2年と医学博士課程4年を合わせた6年間で研究者を育成する方針を説明します。しかし、制度上の6年一貫課程ではありません。修士2年目に医学博士課程へ別途出願し、別の入学試験を受けます。医科学専攻修了見込み者は博士課程入試の筆記試験が免除されると案内されていますが、進学が自動で決まるわけではありません。
現行の医学博士課程は、分子細胞生物学、機能生物学、病因・病理学、生体物理医学、脳神経医学、社会医学、内科学、生殖・発達・加齢医学、外科学の9専攻です。「医科学専攻博士課程」という入試単位を作らず、修士と博士で所属専攻が変わる可能性を示します。
研究分野は独立した入試区分ではない
受入教員一覧の大区分・専攻分野と、出願単位を区別します。
大学公式の事実:入試単位は医科学専攻一つ
募集要項・入学試験案内・規則等に明記された範囲です。
2027年度受入予定指導教員一覧は、分子細胞生物学、機能生物学、病因・病理学、生体物理医学、脳神経医学、社会医学、「その他の専攻分野」、医科学研究所・定量生命科学研究所の協力講座を掲載します。その中に、生体構造学、分子生物学、遺伝情報学、統合生理学等の具体的な専攻分野があります。
これらは研究室と指導分野を整理する区分です。募集要項は医科学専攻修士課程を20名の一入試単位として募集し、各研究分野に別の募集人員や別の選抜区分を置いていません。筆記試験も、志望研究室ごとの問題ではなく、共通の基礎問題・専門総合問題・小論文で構成されます。
本書の提案:研究室名より先に研究の型を決める
大学が指定する答案や手順ではなく、公開資料に基づく本書の提案です。
研究分野を選ぶときは、①生命現象、②観察単位、③介入または比較、④主要な測定、⑤解析方法、⑥必要設備・データを一行ずつ書いてください。例えば「神経疾患を研究したい」だけでは、オートファジーの可逆制御をマウス・細胞で調べる研究と、二光子イメージングで大脳皮質回路を測る研究を区別できません。
研究室の論文を一報選び、「何を操作したか」「何を測ったか」「どの比較で結論したか」「自分なら次に何を問うか」を四文にします。この四文を教員連絡と志願理由書の素材にすると、教員名を並べただけの志望理由になりません。
指導教員を先に決めるか、ローテーションで決めるか
同じ入試の中にある二方式を、必要書類・変更可否・配属保証まで比べます。
大学公式の事実:事前決定方式
募集要項・入学試験案内・規則等に明記された範囲です。
出願前に指導教員を決める場合は、希望教員へ連絡し、研究分野と指導方針が自分の希望に合うか確認します。研究室を訪問して受入承諾を得たら、教員の署名を受けた「指導教員受入確認票」を出願時にアップロードし、願書にも志望研究室を記入します。入学後は原則として指導教員を変更できません。
この方式では、入学直後の基礎医学講義・実習と並行して研究を始められます。ただし、教員の著名度だけで決めると、研究方法、日々の指導、データ・設備条件が合わなくても変更しにくいという重い条件があります。
大学公式の事実:ローテーション方式
募集要項・入学試験案内・規則等に明記された範囲です。
指導教員を決めずに受験することもできます。入学後、1年次6月下旬から7月下旬に複数研究室をローテーションし、研究内容、研究室の雰囲気、指導方針を確認して、8月下旬に指導教員を決めます。第一希望の研究室へ必ず配属される制度ではありません。
受入予定一覧の各専攻分野は、事前決定者とローテーション後の配属者を合わせて1学年2名以内です。医科学研究所と定量生命科学研究所は研究所全体で各2名の枠です。配属後に学内外の別研究室へ研究指導を委託することも原則認められません。
本書の提案:二方式を四つの質問で選ぶ
大学が指定する答案や手順ではなく、公開資料に基づく本書の提案です。
事前決定を考える人は、①修士論文にできる具体的な研究候補があるか、②必要な技術を2年間で学べるか、③週ごとの指導と研究室セミナーはどう進むか、④データ・試料・装置の利用条件は何かを面談で確認してください。署名を得ることだけを目的にせず、変更が原則できない条件に納得できるかを判断します。
ローテーションを選ぶ人も、出願前に候補を三つ挙げ、方法が異なる研究室を比較してください。ローテーション期間は限られ、各分野2名の上限があります。「入学後に考える」だけでは、必要な前提科目や実験経験を志願理由書で説明できません。
30単位、研究指導、修士論文まで
基礎医学授業と研究室での演習・実習を修了要件につなげます。
大学公式の事実:2年以上、30単位、論文審査と最終試験
募集要項・入学試験案内・規則等に明記された範囲です。
修士課程の修了には、原則2年以上在学し、30単位以上を修得し、指導教員から必要な研究指導を受け、修士論文の審査と最終試験に合格する必要があります。医科学専攻では、医科学演習・実習を2年間で16単位、1年次S1・S2の7必修科目を14単位履修する構成が、2026年度の現行便覧・シラバスに示されています。
入学後は1年次4月から6月下旬に基礎医学の講義・実習、10月以降は研究室での演習・実習、2年次2月上旬に修士論文発表会という流れです。指導教員の許可があれば学部、他専攻、他研究科等の科目を単位にできる制度や、教育会議の承認を得て学外機関等で研究指導を受ける制度もあります。
本書による説明:2026年度シラバスは前年資料
複数の一次資料を受験生が比較しやすい形に言い換えた本書の説明です。
2027年度入学者の確定シラバスは、2026年8月24日時点で公表を確認できません。本章で授業名や担当者を示すときは、最新公開の2026年度シラバスを前年資料として使い、2027年度も同じ日時・教室で開講すると断定しません。
2026年度版には、人体形態学、人体機能学、病理病態学、臨床医学概論、医科学概論Ⅰ~Ⅲ、Review Discussion、病院実習、ローテーション、医学共通講義が載っています。病院実習は希望者向けで、事前の抗体検査が必要です。古い専攻スケジュールの年月を2027年度の締切として流用せず、2027年度入試案内が示す大きな流れだけを確定事項として使います。
この章で確認した一次資料
公開本文の作成にあたり、以下の資料を確認しました。入試条件は変更されるため、出願時は必ず大学の最新情報と照合してください。
- 大学院医学系研究科入学
東京大学|資料:2026-08-24時点|確認:2026-08-24|参照箇所:令和9年度入試、入試日程、海外在住者、過去の入試問題
- 令和9(2027)年度 修士課程 学生募集要項
東京大学|資料:2026-05-07|確認:2026-08-24|参照箇所:1~7頁
- 令和9(2027)年度 医科学専攻 修士課程 入学試験案内
東京大学|資料:2026-04-10現在|確認:2026-08-24|参照箇所:2~10頁
- 2027年度 医科学専攻修士課程入試ガイダンス
東京大学|資料:2026-04-08更新|確認:2026-08-24|参照箇所:2026-05-16開催、研究室訪問
- 2026年度 医科学専攻修士課程シラバス
東京大学|資料:2026年度|確認:2026-08-24|参照箇所:4~11頁、38頁、41頁、59頁、64頁、77~79頁
- 東京大学大学院医学系研究科規則
東京大学|資料:2026-07-01現在|確認:2026-08-24|参照箇所:第3~6条、第9条、第13~15条
- 東京大学大学院学則
東京大学|資料:2026-07-01現在|確認:2026-08-24|参照箇所:第5条
- 東京大学学位規則
東京大学|資料:2026-08-24時点|確認:2026-08-24|参照箇所:第2条、第3条
- 大学院医学系研究科 教育研究分野・教員一覧
東京大学|資料:2026-08-24時点|確認:2026-08-24|参照箇所:分子細胞生物学、機能生物学ほか医学博士課程9専攻
- Mizushima Laboratory – About
Mizushima Laboratory, The University of Tokyo|資料:2026-08-24時点|確認:2026-08-24|参照箇所:Research approach、model organisms、location
- Reversible suppression of autophagy in a mouse model reveals neuronal resilience
National Library of Medicine|資料:2026-06-25|確認:2026-08-24|参照箇所:Science 392(6805):1363-1368, DOI 10.1126/science.ady3911
- Laboratory of Prof. Kenichi Ohki
東京大学大学院医学系研究科統合生理学教室|資料:2026-08-24時点|確認:2026-08-24|参照箇所:Research、two-photon calcium imaging、optogenetics
- Topographic correspondence between retinotopic and whisker somatosensory map in mouse higher visual area and its development
National Library of Medicine|資料:2025-09-02|確認:2026-08-24|参照箇所:Frontiers in Neural Circuits 19:1552130