院試の専門科目・筆記試験・小論文対策|参考書選びと答案練習 院試クラウド|この章のテキスト保存 https://inshicloud.com/resources/written-exams#hypothesis-testing-solutions 初回公開:2026-08-27 ページ更新:2026-10-05 基礎資料の確認:2026-08-30 ガイド全体ではなく、この章の公開本文を保存したファイルです。前提や演習の問題文・解説は、元ページの前後の章も確認してください。 保存した内容は更新されません。出願時は大学の最新の公式案内を確認してください。画面内に入力した文章・日付・準備状況は含みません。 15 仮説検定の解説:棄却できないことと、差がないことを分ける https://inshicloud.com/resources/written-exams#hypothesis-testing-solutions 下表と解説は、上の架空データを使った編集部の解答例です。p値は、帰無仮説と指定した標本モデルのもとで、今回以上に絶対値の大きい検定統計量が得られる確率です。仮説が正しい確率や、結果が偶然だけで生じた確率に読み替えません。ここでは、事前に決めた5%水準と両側p値を比較します。 両側Z検定の計算結果(p値は小数第4位まで) [1] ケース:A 標準誤差σ/√n:2 z:1 両側p値:0.3173 5%水準での判断:H₀を棄却できない [2] ケース:B 標準誤差σ/√n:1 z:2 両側p値:0.0455 5%水準での判断:H₀を棄却する [3] ケース:C 標準誤差σ/√n:0.1 z:2 両側p値:0.0455 5%水準での判断:H₀を棄却する 1. 問題1:Aはz=1、p≈0.3173 標準誤差は10/√25=2、z=(102−100)/2=1です。両側なのでp≈2×0.158655=0.317310。0.05より大きく、H₀を棄却できません。この結果はμ=100の証明ではなく、この検定ではH₀を棄却するだけの根拠が得られなかったという判断です。p≈0.3173を『H₀が正しい確率が約31.73%』とは解釈しません。 2. 問題2:Bは同じ差2でも、標準誤差が1になる 標準誤差は10/√100=1、z=(102−100)/1=2です。p≈2×0.022750=0.045500なので、5%水準でH₀を棄却します。AとBの標本平均はいずれも102ですが、標本数が25から100へ4倍になる比較では、標準誤差が2から1へ半分になり、同じ差2が標準誤差の何倍かというzは2倍になります。これは結果が出るまで標本を追加してよいという意味ではありません。 3. 問題3:Cもp≈0.0455だが、観測された差はBの10分の1 標準誤差は10/√10,000=0.1、z=(100.2−100)/0.1=2です。Bと同じ両側p値となり、H₀を棄却します。一方、標本平均と基準値100との差はBが2、Cが0.2です。差と標準誤差がともに10分の1になったため、zとp値が一致しています。p値だけでは、差の大きさや実用上の重要性を表せません。 4. 答案の結論は、検定・大きさ・重要性を分ける 例えばCは『指定されたモデルで両側Z検定を行うとz=2、p≈0.0455となり、5%水準でμ=100を棄却する。観測された標本平均と基準値との差は0.2である。実用上重要かどうかは、測定尺度や重要とみなす差の基準が示されていないため、この表だけでは判断できない』と書けます。p値から測定値の変化の原因や因果関係を決めることもできません。 5. 別の問題では、計算式を使う前に条件へ戻る この演習のσ=10は母標準偏差が既知という条件です。標本から求めた標準偏差sが10だった、という条件とは違います。正規性・独立性・母標準偏差が既知かどうかを確認し、条件が違う問題へこのZ検定をそのまま当てはめないでください。検定方法は研究の問いとデータの得方に合わせて選びます。 チェックリスト □ H₀・H₁と両側検定の指定を、計算前に書いた □ 母標準偏差10と平均の標準誤差2・1・0.1を区別した □ 片側確率を2倍して両側p値を求めた □ 棄却できないことを、帰無仮説の証明にしていない □ 標本平均と基準値との差を、p値とは別に示した □ 実用上の重要性や因果関係をp値だけから断定していない MIT OpenCourseWare:Z検定の仮定と両側p値(PDF 102〜103ページ) https://ocw.mit.edu/courses/18-05-introduction-to-probability-and-statistics-spring-2022/mit18_05_s22_statistics.pdf#page=102 米国統計学会:p値の解釈に関する2016年の声明発表(PDF) https://www.amstat.org/asa/files/pdfs/p-valuestatement.pdf 平均点だけで効果を断定しない資料読解演習 https://inshicloud.com/resources/written-exams#essay-data-practice 計算や解釈の間違いをExcel復習ログに記録する https://inshicloud.com/resources/past-exams#review-log 前後の章と元ページ 前の章:統計の無料ミニ演習3問:仮説検定のp値・標本数・差の大きさ https://inshicloud.com/resources/written-exams#hypothesis-testing-practice 次の章:小論文はテーマ名ではなく設問の指示に答える https://inshicloud.com/resources/written-exams#essay ガイド全体を読む https://inshicloud.com/resources/written-exams ガイド全体の確認資料 以下はガイド全体の参考資料です。この章だけに対応する出典一覧ではありません。追加・再確認した資料の日付と適用範囲は、各注記を参照してください。 1. MIT OpenCourseWare 18.06SC「Solving Ax = 0: Pivot Variables, Special Solutions」 https://ocw.mit.edu/courses/18-06sc-linear-algebra-fall-2011/pages/ax-b-and-the-four-subspaces/solving-ax-0-pivot-variables-special-solutions/ 2026年10月3日確認。2011年の公開講義を、消去法・ピボット・階数・自由変数を学び直す参考資料として紹介しています。このページの3問と解説は院試クラウドの独自作成です。 2. MIT OpenCourseWare 18.06SC「Solving Ax = b: Row Reduced Form R」 https://ocw.mit.edu/courses/18-06sc-linear-algebra-fall-2011/pages/ax-b-and-the-four-subspaces/solving-ax-b-row-reduced-form-r/ 2026年10月3日確認。公開講義と講義要約で、消去後の右辺の整合性、解の存在、一意性、自由変数を確認しました。日本の大学院の出題範囲や採点基準を示す資料ではありません。 3. MIT OpenCourseWare 18.05「Reading 3: Conditional Probability, Independence and Bayes' Theorem」 https://ocw.mit.edu/courses/18-05-introduction-to-probability-and-statistics-spring-2022/resources/mit18_05_s22_class03-prep_pdf/ 2026年10月3日確認。2022年公開講義の本文で、条件付き確率の定義、乗法、全確率、独立性、ベイズの定理を確認しました。部品の表・3問・解説は院試クラウドの独自作成で、講義の問題の転載や日本の大学院の公式出題例ではありません。 4. MIT OpenCourseWare 18.05「All Statistics Reading」Class 17・19 https://ocw.mit.edu/courses/18-05-introduction-to-probability-and-statistics-spring-2022/mit18_05_s22_statistics.pdf#page=102 2026年10月3日確認。2022年の公開講義で、p値と棄却できない場合の意味、独立な正規標本・母標準偏差既知のZ検定、両側p値を確認しました。A・B・Cの数値と設問・解説は院試クラウドの独自作成です。 5. American Statistical Association「Statement on Statistical Significance and P-Values」発表資料 https://www.amstat.org/asa/files/pdfs/p-valuestatement.pdf 2026年10月3日確認。2016年3月7日の声明発表資料で、p値が仮説の真である確率や差の大きさ・重要性を表さず、閾値だけで判断しないという解釈上の原則を確認しました。日本の大学院の出題基準を示す資料ではありません。 6. University of Kent「Understanding essay questions」 https://student.kent.ac.uk/studies/written-assignments/understanding-essay-questions 2026年10月4日確認。対象・範囲・指示語を分けて設問を読む一般的な学習支援資料です。本ガイドの日本語設問・架空資料・答案例は独自作成で、日本の大学院入試の採点基準を示す出典ではありません。 7. University of Portsmouth Library「Writing academic essays」 https://library.port.ac.uk/academic-support/writing-for-assignments/writing-academic-essays 2026年10月4日確認。話題全般の説明と課題への回答の違い、指示語の意味が分野によって変わり得るという注意を参照しました。同資料の授業・課題形式を日本の院試へ一律に適用するものではありません。 8. 文部科学省「令和9年度大学院入学者選抜実施要項」 https://www.mext.go.jp/content/20260529-mxt_daigakuc02-000010813_3.pdf 大学院入学者選抜の評価方法と、試験問題・解答例等または出題意図の公表原則を確認した公的資料です。 9. 東京理科大学「2027年度 大学院学生募集要項 修士課程」 https://www.tus.ac.jp/today/archive/2026/00_2027_shushi_ippan.pdf 専攻別に筆記・口頭試問・専門基礎・専門科目・選択方法が異なる公式科目表を確認した大学固有例です。 10. 東京大学大学院教育学研究科「2027年度 修士課程学生募集要項」 https://www.p.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2026/04/R92027edu_examM_youkou-3.pdf コース別の英語・専門科目・口述試験、試験時間、辞書条件を確認した大学固有例です。 11. 関東学院大学「2027年度 大学院学生募集要項」 https://ao.kanto-gakuin.ac.jp/cms/wp-content/uploads/2027daigakuin_boshuyoko.pdf 専攻・選抜区分により専攻科目、小論文、外国語、面接の組合せと配点が異なる公式例を確認しました。 12. 名古屋大学理学研究科理学専攻化学講座「過去の試験問題・出題の意図及び解答例」 https://www.chem.nagoya-u.ac.jp/exam/ 複数年度の公式過去問、問題数・選択数・形式・試験時間、一部年度の出題意図・解答例を確認した大学固有例です。