院試の専門科目・筆記試験・小論文対策|参考書選びと答案練習 院試クラウド|この章のテキスト保存 https://inshicloud.com/resources/written-exams#essay-command-practice 初回公開:2026-08-27 ページ更新:2026-10-05 基礎資料の確認:2026-08-30 ガイド全体ではなく、この章の公開本文を保存したファイルです。前提や演習の問題文・解説は、元ページの前後の章も確認してください。 保存した内容は更新されません。出願時は大学の最新の公式案内を確認してください。画面内に入力した文章・日付・準備状況は含みません。 17 小論文の「説明・比較・評価」を書き分ける:同じ資料の答案修正3例 https://inshicloud.com/resources/written-exams#essay-command-practice 知っていることを書いても、設問が求めた作業をしていなければ答えがずれます。ここでは同じ資料を使い、説明・比較・評価で何を答案に残すかを練習します。資料、設問、弱い答案、改善例はすべて編集部の独自作成です。大学の過去問・公式解答・採点基準・合格答案ではありません。 【架空資料】ある大学の静かな自習室は40席で、平日18時に閉まります。A案はその自習室を平日21時まで開ける計画です。B案は学生が学外からも24時間使える電子図書の契約を増やす計画で、利用には端末と通信環境が必要です。読めるのは契約対象の図書で、B案は静かな作業場所を提供しません。両案の追加予算は同額とし、今回は一つだけ実施できるものとします。利用人数、学生の希望、成績への影響は資料にありません。いずれも実施前の案です。 まず下の三つの設問について、手元に「対象/指示された作業/使う根拠/結論の範囲」を書いてから、各3〜4文で答案を作ってください。文数はこの練習の目安で、実際の試験の字数・形式指定に代わるものではありません。解説では、答案の一文がどの役割を果たすかを確かめます。 指示語だけで万能な型を決めないことも大切です。英国の大学の学習支援資料でも、指示語に加えて対象・範囲・条件を読むこと、語の意味が分野によって変わり得ることを案内しています。以下の日本語の設問と書き分けは編集部の練習用であり、日本の全大学院に共通する用語定義ではありません。実際の問題文と公表された出題意図・評価基準を優先してください。 まず解く三つの設問。同じ架空資料を使い、求められる作業だけを変える [1] 設問:A案が、18時以降に自習する機会を増やす仕組みを説明しなさい。資料の範囲で答えること。 この設問で答案に必要なもの:変更内容と、利用機会が広がる仕組み。効果の実測値を創作しない [2] 設問:A案とB案を、利用できる時間・場所と、得られる学習環境の二つの観点から比較しなさい。共通点と相違点を示すこと。 この設問で答案に必要なもの:指定された二つの観点に沿う共通点・相違点。AとBを同じ軸に並べる [3] 設問:目的を「平日18時以降に、静かな自習場所を校内で確保すること」と定める。どちらを先に実施する案として評価するか、理由と限界を述べなさい。 この設問で答案に必要なもの:指定目的を判断基準とした優先案、資料に基づく理由、判断の限界 1. 説明:弱い答案のどこが設問からずれたか 弱い答案「A案はすばらしく、導入すれば全員の成績が上がる。」 「すばらしい」は評価で、開室時間と自習機会の関係を示していません。「全員の成績が上がる」は、利用実績も成績もない資料からは言えません。 2. 説明:改善答案と一文ごとの役割 改善例「A案は、現在18時に閉まる自習室を平日21時まで開ける案である。実施すれば、来室できる学生が40席の自習場所を利用できる時間帯が、18時から21時までの3時間分広がる。この時間帯に何人が利用するかや、成績がどう変化するかは、資料からは分からない。」 1文目で変更内容、2文目で時間延長から利用機会へつながる仕組み、3文目で資料の限界を示しています。賛否を付けるだけでは説明の代わりになりません。 3. 比較:弱い答案のどこが設問からずれたか 弱い答案「A案は21時まで開く。B案には電子図書がある。私はA案が好きだ。」 最初の2文は別々の特徴の列挙で、同じ観点による対応がありません。最後の好みも、指定された共通点・相違点の説明になっていません。 4. 比較:改善答案と一文ごとの役割 改善例「両案とも学生の自習を支える案である。時間・場所では、A案は平日21時まで校内の自習室で使う一方、B案は利用環境があれば学外からも24時間使える。学習環境では、A案が静かな40席を提供するのに対し、B案は契約対象の電子図書を提供するが、静かな作業場所は確保しない。」 1文目は共通点、2文目は時間・場所、3文目は提供する学習環境です。各観点でAとBの両方に触れています。この設問は優先案を選ぶようには求めていません。 5. 評価:弱い答案のどこが設問からずれたか 弱い答案「A案は開室時間を延ばし、B案は電子図書を増やす。それぞれ長所がある。」 特徴を説明しているだけで、指定された目的を判断基準に使っていません。どちらを先に実施するかという結論と、その理由・限界も必要です。 6. 評価:改善答案と一文ごとの役割 改善例「指定された目的への適合を基準に、A案を先に実施する案と評価する。A案は18時から21時の静かな自習場所を40席確保する計画だが、B案は作業場所を増やさないためである。ただし、21時以降や来室できない学生には対応しない。必要な席数や実際の利用人数は資料にないので、需要を十分満たすとまでは判断できない。」 1文目で基準と結論、2文目で両案の根拠の比較、3・4文目で適用範囲と未確認点を示します。「必ず成功する」という断定や、長所だけの紹介にはしません。 7. 評価する目的を変えると、結論も変わり得る 今度は目的を「学外から時間を選ばず、契約対象の図書にアクセスすること」に変えて考えます。この基準ならB案が適しています。B案は学外から24時間アクセスできる一方、A案は校内の40席を利用できる時間帯を延ばす計画だからです。ただし、端末と通信環境が必要で、契約外の図書や静かな場所までは提供しません。目的が変わっても同じ結論を使い回さず、どの基準で判断したかを書き直します。 8. 自分の答案を一文ずつ照合し、次の練習へ残す 各文に「設問への回答」「資料の根拠」「理由・比較」「限界」のうち実際に担う役割をメモします。全種類を機械的に入れるのではなく、その設問の要求が埋まったかを確認します。例えば比較答案がAだけになったなら、復習ログの次回作業を「指定の二つの観点ごとにAとBを並べてから書く」とします。同じ文章を覚えるのではなく、資料や評価目的を変えて書き直してください。 チェックリスト □ 対象・指示語・比較軸や目的・字数や範囲の条件を、問題文から別々に取り出した □ 説明を賛否だけで終えず、資料にある仕組みにつなげた □ 比較では同じ観点で両方を扱い、設問で求められた共通点・相違点を示した □ 評価では指定目的、判断の根拠、結論、限界を対応させた □ 実施前の計画を実績と書かず、資料にない利用人数や成績を付け足していない □ 次の演習で確認する修正作業を、一つ具体的に記録した 数字から言えること・言えないことを扱う資料読解演習へ https://inshicloud.com/resources/written-exams#essay-data-practice 次回の修正作業をExcel復習ログに残す https://inshicloud.com/resources/past-exams#review-log 下書きの文字数を確認する https://inshicloud.com/resources/research-proposal#character-count University of Kent:設問の対象・範囲・指示語の読み方 https://student.kent.ac.uk/studies/written-assignments/understanding-essay-questions University of Portsmouth:課題の要求と分野による意味の違い https://library.port.ac.uk/academic-support/writing-for-assignments/writing-academic-essays 前後の章と元ページ 前の章:小論文はテーマ名ではなく設問の指示に答える https://inshicloud.com/resources/written-exams#essay 次の章:小論文の無料ミニ演習:資料の平均点から、言えること・言えないことを書く https://inshicloud.com/resources/written-exams#essay-data-practice ガイド全体を読む https://inshicloud.com/resources/written-exams ガイド全体の確認資料 以下はガイド全体の参考資料です。この章だけに対応する出典一覧ではありません。追加・再確認した資料の日付と適用範囲は、各注記を参照してください。 1. MIT OpenCourseWare 18.06SC「Solving Ax = 0: Pivot Variables, Special Solutions」 https://ocw.mit.edu/courses/18-06sc-linear-algebra-fall-2011/pages/ax-b-and-the-four-subspaces/solving-ax-0-pivot-variables-special-solutions/ 2026年10月3日確認。2011年の公開講義を、消去法・ピボット・階数・自由変数を学び直す参考資料として紹介しています。このページの3問と解説は院試クラウドの独自作成です。 2. MIT OpenCourseWare 18.06SC「Solving Ax = b: Row Reduced Form R」 https://ocw.mit.edu/courses/18-06sc-linear-algebra-fall-2011/pages/ax-b-and-the-four-subspaces/solving-ax-b-row-reduced-form-r/ 2026年10月3日確認。公開講義と講義要約で、消去後の右辺の整合性、解の存在、一意性、自由変数を確認しました。日本の大学院の出題範囲や採点基準を示す資料ではありません。 3. MIT OpenCourseWare 18.05「Reading 3: Conditional Probability, Independence and Bayes' Theorem」 https://ocw.mit.edu/courses/18-05-introduction-to-probability-and-statistics-spring-2022/resources/mit18_05_s22_class03-prep_pdf/ 2026年10月3日確認。2022年公開講義の本文で、条件付き確率の定義、乗法、全確率、独立性、ベイズの定理を確認しました。部品の表・3問・解説は院試クラウドの独自作成で、講義の問題の転載や日本の大学院の公式出題例ではありません。 4. MIT OpenCourseWare 18.05「All Statistics Reading」Class 17・19 https://ocw.mit.edu/courses/18-05-introduction-to-probability-and-statistics-spring-2022/mit18_05_s22_statistics.pdf#page=102 2026年10月3日確認。2022年の公開講義で、p値と棄却できない場合の意味、独立な正規標本・母標準偏差既知のZ検定、両側p値を確認しました。A・B・Cの数値と設問・解説は院試クラウドの独自作成です。 5. American Statistical Association「Statement on Statistical Significance and P-Values」発表資料 https://www.amstat.org/asa/files/pdfs/p-valuestatement.pdf 2026年10月3日確認。2016年3月7日の声明発表資料で、p値が仮説の真である確率や差の大きさ・重要性を表さず、閾値だけで判断しないという解釈上の原則を確認しました。日本の大学院の出題基準を示す資料ではありません。 6. University of Kent「Understanding essay questions」 https://student.kent.ac.uk/studies/written-assignments/understanding-essay-questions 2026年10月4日確認。対象・範囲・指示語を分けて設問を読む一般的な学習支援資料です。本ガイドの日本語設問・架空資料・答案例は独自作成で、日本の大学院入試の採点基準を示す出典ではありません。 7. University of Portsmouth Library「Writing academic essays」 https://library.port.ac.uk/academic-support/writing-for-assignments/writing-academic-essays 2026年10月4日確認。話題全般の説明と課題への回答の違い、指示語の意味が分野によって変わり得るという注意を参照しました。同資料の授業・課題形式を日本の院試へ一律に適用するものではありません。 8. 文部科学省「令和9年度大学院入学者選抜実施要項」 https://www.mext.go.jp/content/20260529-mxt_daigakuc02-000010813_3.pdf 大学院入学者選抜の評価方法と、試験問題・解答例等または出題意図の公表原則を確認した公的資料です。 9. 東京理科大学「2027年度 大学院学生募集要項 修士課程」 https://www.tus.ac.jp/today/archive/2026/00_2027_shushi_ippan.pdf 専攻別に筆記・口頭試問・専門基礎・専門科目・選択方法が異なる公式科目表を確認した大学固有例です。 10. 東京大学大学院教育学研究科「2027年度 修士課程学生募集要項」 https://www.p.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2026/04/R92027edu_examM_youkou-3.pdf コース別の英語・専門科目・口述試験、試験時間、辞書条件を確認した大学固有例です。 11. 関東学院大学「2027年度 大学院学生募集要項」 https://ao.kanto-gakuin.ac.jp/cms/wp-content/uploads/2027daigakuin_boshuyoko.pdf 専攻・選抜区分により専攻科目、小論文、外国語、面接の組合せと配点が異なる公式例を確認しました。 12. 名古屋大学理学研究科理学専攻化学講座「過去の試験問題・出題の意図及び解答例」 https://www.chem.nagoya-u.ac.jp/exam/ 複数年度の公式過去問、問題数・選択数・形式・試験時間、一部年度の出題意図・解答例を確認した大学固有例です。